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ビタミンおっちゃんの歴史さくらブログ

STU48 音楽、歴史 などいろいろ

◎「幸福論(第2部)」より 2

2014-06-21 14:53:13 | 歴史 本
「幸福論(第2部)」より 2

「幸福論(第2部)」(ヒルティ 岩波文庫)より少し抜き書き 2

・現実の生きた生活で実証もされず、また実行もされないような哲学は、役に立たない

・いま1つの欠陥は、現代教育の全体が、真の信念や真の知識の獲得を目的としないで、むしろ記憶力の対象となるようなものを機械的に習得することに向けられているという点である

・真の教養の証拠は、第1に、精神の健康と力とがしだいに高まってゆくことであり、次ぎに、一種のより高い聡明さがあらわれてくることである。そして最後に、その人の器量が独特の大きさを加えることである

・財宝は人間の幸福にとって大切なものではなく、むしろたえず財宝を追求していると、人間はただ魂を失うだけである

・にせものの教養や不十分な教養の最もみやすい主な特徴は
 暮し方がたいへん贅沢なこと

 すっかり教養をつんだ人は、外見にも、住居や飲食などにも、あまり大きな値打をおくことはない

 贅沢は自分にふさわしくないもの、他人に対しては不正なものとして用心ぶかく避けるだろう
 度はずれのお洒落や、どの指にも金指輪をはめたり、…、窮屈なほど家具ばかり並べ立てたり、どんな逞しい健康をもこわしかねないほどの宴会を催したりするのは、すべて無教養のまったく確かなしるしである
 教養ある人の最も確かな外的な特徴は、こうした衣食住のすべてにわたって、全体の外見や生活態度に、一種の気品のある、くつろいだ簡素さがうかがわれることである

・教養のある無しを見るのにきわめて便利な、特色ある目じるしは、本を持っているかどうかである
 しゃれた家に住みながら、わずか1ダースばかりの本を読みもせずに、きれいな本棚に並べているのを見たら、あなたはその家の住人全部を、安んじて無教養だと考えてよい

・多読ということは、実際今日では、一般的教養にぜひとも必要である

教養を欠く人の特徴は、騒々しい慎しみのない態度である
 公共の場所、たとえば汽車の中や料理店などで、ひどく大声で喋ったり、傍若無人な振舞いをしたり、一般に、おおぜいの人の集まる場所で、非礼な挙動をすることなどがそれである

・さらに教養に必要なものは勤労である
 働かないこと、すなわち怠惰は、世間でいうように遊んで暮せる身分の場合でも、つねに教養とは正反対の、卑しい心掛けのしるしである

・人間は、より高い目的を持てば持つほど成長する

・働くことは脳を発達させるゆえんであり、仕事が過度でなければ、それは老年にいたるまで脳を健康に保つものである

・しかし、あまり仕事に狂奔しすぎることも、怠惰と同じく、無教養のしるしであり、怠惰におとらず有害である

真の教養をめざして努力することは、骨折りがいのあるものであり、それを実際に望むものは、貧富を問わず、学問の有無にかかわりなく、だれでもこの宝を手に入れることができる


◎飛行機 19 ライト兄弟 11

2014-06-21 09:30:47 | 歴史 本
飛行機 19 ライト兄弟 11

エンジンで推進する飛行機をめざして 2

プロペラ

◎エンジンの出力を推力(前進する力)に変える働きをするのがプロペラの役目である
 推力はエンジンがプロペラを回転させ、空気を後方に押し出す反作用によって発生する

◎エンジンよりもプロペラを設計するほうが難しかった

○プロペラを設計する信頼できるデータはまだなかった

 ライト兄弟は、研究をつづけた結果、プロペラはらせん運動をする翼(回転しながら進む翼)であることを見抜いた

○プロペラの翼の断面(翼素)を考え、翼素には回転によりあたる風と飛行機の前進による風の合成風(ベクトルの和)が作用するとする
 この合成風の風向きに対して翼素が適切な迎え角を持てば、揚力が発生し推力に寄与する

○翼の回転速度は軸に近い翼素では小さく、プロペラの先端に近い翼素では大きくなり、適切な迎え角を確保するために軸から先端に向かってねじりをつける必要がある

○飛行機の状態が変わると適切な迎え角が変わるので、理想的には飛行機の速度に合わせてプロペラのねじりを変えることができればよい
 このような機構をもつプロペラを可変ピッチプロペラと呼ぶ

 ライト兄弟のプロペラは固定ピッチプロペラであった

プロペラの推進効率

 プロペラの効率は、エンジンのパワーに対する、有効に使われるプロペラのパワーの割合で示され、推進効率と呼ばれる
 推進効率は最適でも0.8(80%)程度であり、ライト兄弟のプロペラの推進効率は0.66(66%)といわれ、すぐれたものであった

〇プロペラの推進効率を上げるためには、大きな径のプロペラをゆっくりと回すのがよい 
 しかし、径をあまりに大きくするとプロペラの先端の速度が音速に近づくという問題が発生する
 音速に近づくと抵抗が急激に増加する
 それであまりに大きな径のプロペラは使用できない

◎ライト兄弟のプロペラ
 ライト兄弟のプロペラは直径2.6mのプロペラで巨大なプロペラであった

 プロペラの回転数を減速し推進効率を上げるために、チェーンを用いた

◎「幸福論(第2部)」より 1

2014-06-18 23:00:23 | 歴史 本
「幸福論(第2部)」より 1

「幸福論(第2部)」(ヒルティ 岩波文庫)より少し抜き書き 1

・ひとのために何かしてやりたいと望む者だけが、恐怖をも、また過度の愛情をもいだくことなく、あるがままの人間を真に知ることができる

・人間についての完全無欠な知識を期待してはならない
 自分自身を決して知らないか、あるいは、せいぜい晩年になっていくらかわかるに過ぎず、しかも他人とまったく同じな個人は1人もないのが普通だからである

・子供たちが両親よりも祖父母の方になつくことが多いのは、祖父母の愛情の方が無私だと感じるからである

・ある人を本当に知るには、その人が働いているとき、すなわち、男子ならばその職業で、女性ならば家事で働いているときが1番よい
 また、男女ともその人柄が最もよくわかるのは、彼らが困難や心配事におちいっている場合であり、逆に最もその人がわかりにくいのは、社交場、特に温泉地や夏の避暑地などである。そういう場所での知り合いは、あとで間違いだったとわかることが多い

最も容易に人間を見わけるには、その人が生涯の努力の真の目標と考えているものを知ればよい

・人間を知るには、苦難というものが必要である

・人間の最も悪い性質はうまれつきの不誠実である

・心の底から卑しい人間の明らかな特徴は、忘恩である

・あなたはあるがままの自分をあからさまに示すがよい

・子供や動物から好かれないような人は信用できない

・1度も大きな苦痛や、自我の大敗北を経験せず、うち砕かれたことのない人は、なんの役にも立たない

・結婚生活7年にして、その時なおその労に値いすると思われるならば、結婚式を厳かに行なうべきだ

◎「幸福論(第1部)」より 2

2014-06-15 16:47:18 | 歴史 本
「幸福論(第1部)」より 2

「幸福論(第1部)」(ヒルティ 岩波文庫)より抜き書き 2

・悪は、格別きびしく叱ったり、非難したりする必要はない
 多くの場合、それが明るみに持ち出されるだけで充分である

・われわれは何事によらず怨みを残してはならない
 それはまったく無益であり、ただ自分の心を傷つけるだけである

・時間をつくる最もよい方法は、1週に6日、一定の昼の時間に、ただ気まぐれでなく、規則正しく働くことである
 規則正しい仕事こそ、とくに中年以後は、精神と肉体の健康を保つための最上の方法である

・常にまず1つの仕事を仕上げてから、次の仕事にかかろうとすることもまた、間違っている
 ひじょうにたくさんの計画や、手を着けた仕事を身のまわりに置いて、その時どきの抑えがたい気分のままに、あるいはこれに、あるいはあれに、向っていくのは正しい仕方である

・手早く仕事をすること
 そして単なる外形をあまり気にせず、あくまで内容に重きをおくことである

真理はどんな部門においても、概して単純なものである

・毎朝、最初の1番よい時間をまず一二の新聞でつぶす人たちは、その日1日の正しい仕事の興味を失うことになる

・一部の現代人のあいだで、体裁のいい口実のもとに、多くの時間を浪費しているのは、芸術である

・ひとは幸福になりたいと思うならば、何よりもまず正しい仕事をさがすがよい

・どんな信仰の人にも、生涯彼を見捨てず、どんな不幸な時にもいつも彼を慰めてくれるただ2つのものがある
 すなわち、仕事と愛とである

◎飛行機 18 ライト兄弟 10

2014-06-15 14:11:43 | 歴史 本
飛行機 18 ライト兄弟 10

エンジンで推進する飛行機をめざして

◎1902年の時点で、ガソリンエンジンは実用化されていて、ライト兄弟は1902年12月に地元のガソリンエンジンの製造会社20社あまりに、エンジンの仕様を手紙に書いて問合わせたが、どこからもいい返事はなく、適したエンジンは存在していなくて、できたとしても法外な費用がかかるということであった

◎1903年の動力機を設計するにあたり、エンジンを90.7kgとすると人を含めた動力機の総重量は626ポンド(284kg)と推定された

 必要なエンジンの馬力は8.6馬力と見積もられた

力、仕事、エネルギー、パワー

・力の単位はN(ニュートン)で、1kgの物体に作用して1m/s2 の加速度を生じさせる力が1Nである
 (s2 は毎秒毎秒)

・「仕事」という物理量は、どれだけの力でどれだけの距離を動かしたかで定義するのが合理的で、すなわち
仕事=力×距離 と定義する

・仕事をする能力をあらわす量がエネルギーで、仕事およびエネルギーの単位はJ(ジュール)が用いられる
1Nの力で1m移動させるエネルギーが1J=1N・m

・パワー(仕事率、出力)
 単位時間あたりになされる仕事量をパワーと呼ぶ
 パワーの単位はW(ワット)
 1秒間で1Jの仕事をするときのパワーが1W

○エンジンの出力をあらわすパワーの単位には「馬力」が用いられ
 1馬力=76kg・m/s=746W  76kgの物体を毎秒1m持ち上げるパワー

○パワー=力×距離/時間=力×速さ であり
エンジンに要求されるパワーは、空気抵抗×飛行速度となる

○空気抵抗をDとすると
D=k・V2・S・CD から計算できる(V2はVの2乗)


1903年の動力機の空気抵抗を計算すると

スミートン係数 k=0.0033
飛行速度 V=35マイル/時(16m/s)
翼面積 S=500平方フィート(46.5平方メートル)
抵抗係数 CD=0.045
として
空気抵抗D=0.0033×35×35×500×0.045=約91ポンド(41kg)

エンジンの馬力をPとすると
P=DgV=41×9.8×16=約6429W=8.6馬力

◎こうして、ライト兄弟は90kgで8馬力のエンジンが買えるかどうか問い合わせたがいい返事がなかった

 そこで自分たちでエンジンを作ることにした

 製造組立は助手のチャーリー・テイラーが担当した

 完成した世界初の航空機用エンジンは4気筒水冷エンジンで、スロットルはない
 1903年4月には安定した運転ができるようになり、始動時には16馬力、連続出力では12馬力を出し、重量も69kgと当初のスペックを満たしていた