WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ホテル・カリフォルニア

2006年07月02日 | ノスタルジー

 Scan10003

 実家の倉庫から発見されたシングルレコード群の中になんとあの「ホテル・カリフォルニア」があった。それもシングルですよ、シングル。すごいですねー。LPもあったのですがね。きっと最初はシングル版で聞いていたのでしょうね。

 早速聞いてみたのだが、あまりの感激にことばを失ってしまった。70年代ロックの名曲・名盤である。このような作品のために、「名曲」ということばは用意されているのですね。周知のように、「ホテル・カリフォルニア」はアメリカンドリームあるいはカリフォルニア幻想の崩壊と終焉をテーマにした作品だ。メランコリックな曲想。歌詞の構成のみごとさ。イントロの十二弦ギターの響き。静かだがしっかりと全体を支えるレゲエのビート。絶妙のタイミングで入ってくるギターのオブリガード。そしてなんといっても、最後のドン・フェルダーとジョー・ウォルシュによるツインギターのハーモニー。

 数年ぶりに聞いたのだが、感激した。こういう作品を聞いてに大人になることができたわれわれの世代はほんとうに幸せだ。ギター少年たちは必死にコピーし、ラジオ局は延々と流し続け、キャバレーのお姉ちゃんたちも口ずさんだといわれる大ヒット作である。結局、イーグルスは、この作品を超えるものを創らねばならないというプレッシャーに苛まれ、メンバーは少女淫行事件を引き起こし、3年ちかくかかって新作『ロングラン』を発表するもすぐに解散してしまうのであるが……(そういう意味では、イーグルスを解散させた作品であるともいえる)。

 それにしても、さっき聞いてレコードの音のいいことに感激した。試しにCDと聞き比べてみたのだが、全然ちがう。音の生々しさや響きの深さが全然ちがうのだ。70年代のあの時の音がぱあっと広がってきた感じがした。(CDの音は確かにクリアできれいなのだが、何かが足りない)

 LPレコードもあるはずなので、探して聞いてみたい。今週は忙しいので来週になるだろうが……。「ニューキッド・タウン」をアナログで聞くのが楽しみである。