ひのっき

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奥田英郎「ナオミとカナコ」

2017年10月11日 | 絵日記
ナオミとカナコ (幻冬舎文庫)
奥田英朗
幻冬舎

奥田英朗先生の「ナオミとカナコ」を読みました。

面白かったです。一気に読みました。

高校時代からの親友で一緒に上京した直美と加奈子。

加奈子はエリート銀行マンと結婚して専業主婦に、直美はデパートの外商部員としてバリバリ働いています。

ひょんなことから、直美は加奈子が夫から酷いDVを受けていることを知ります。離婚を勧める直美ですが、加奈子は両親に心配かけられないと拒否します。

離婚できないなら殺して失踪したことにしちゃえばいいんじゃない?警察って死体が出ないと捜査しないらしいよ?

最初は冗談だったこの発想、夫の暴力が激化するにつれてそれ以外に道がないとの思いにとりつかれます。

追い詰められた二人は完全犯罪を目論みますが…。というお話。

離婚すれば最初の10ページでハッピーエンドを迎えるはずのこの話、奥田英朗先生の筆にかかると精神を詰め詰めに追い詰められ暴走する心理が臨場感を持って描かれ、ジェットコースターのように目まぐるしく動く展開に息が止まりそうになります。

「細けえことはいいんだよ!」とばかりに読者をグイグイ引っ張り回す力業にやられっぱなしのドキハラ読書タイムでした!