(美味しそう!)
陝西料理を言えば、やはり麺類がよく知られる。省会・西安の町や路地を歩ければ、ラーメン屋さんがあちこちに数多く並んでいることによく気付くことだ。蘭州牛肉ラーメン、油まくラーメンなどである。その中では、biangbiang(ピンインの二声を発する)面というのがあり、一番「難しい」ラーメンだと言えよう。しかし、此処で言う「難しい」は作り方や食べ方でなく、書き方を指す。
考証してみたら、biangbiang面の歴史は秦に遡ることができ、宰相李斯が始皇帝をごまかすため、創り出した漢字であるという。また「一点飛上天,黄河両辺湾;八字大張口,言字往裏走,左一扭,右一扭;西一長,東一長,中間加個馬大王;心字底,月字旁,留個勾搭挂麻糖;推了車車走咸陽。(空飛ぶ点よ、黄河を下に。八口開けよ、言葉を中に。左にくねる、右くねる。下には馬よ、東西長よ。心を底に、月傍よ。車で都、鉤に飴。)」という関中民謡があって、この難字の書き方を説いた。
また発音において、biangbiangというのは訛のようで、正式にビンインで発音できないようである。このbiangbiangという音の源について以下のような説がある。何れも「擬音語」のような感覚だ。
1)作る時、面を俎板に引っ張ったり、叩いたりする時に発する音。
2)鍋に入れる時、鍋の縁と接触する時に発する音。
3)箸で出来たものと調味料とを攪拌する時に発する音でもある。
4)さらに、美味しく食べる時に発する音(ヨダレだぞ~~!)。
私もこのbiangbiang面を一度食べたことがある。本当に美味しいものだと思っている。