さいきんの流星光
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深夜、発泡酒とおつまみ、それと注文していた本を買いにコンビニへ。

客は、僕一人。
ということは、僕が行くまでは2人の店員のみ。
店員たちは、雑談しながら商品の入れ替えをしてました。

彼らは、僕が店に入っても雑談をやめようとしませんでした。
一人の店員が、何かのミステリー小説のストーリーを
もう一人の店員に熱心に説明しているようでした。

重要なカギをにぎる登場人物が、
敏腕刑事・一条ナニガシと偶然出合うシーン…。

彼らは、5メートルほどの距離で、、
それぞれ仕事をしながら、大声で会話していました。
僕は、彼らの間になかなか入り込めないでいましたが、
意を決して飛び込みました。

彼らの会話は、
僕が彼らの間の空間に侵入した後も、
とぎれることなく続いていました。

僕は、完全にアウェーの気分でした。

外国でボクシングの試合をすると、こんな感じでしょうか。
観客は、すべて相手の応援のために声援を送り、
よく見ると、対戦相手が2人いる!

そんな感じ?

他のお客さんが入って来てくれたなら、
状況は変わっていたでしょう。
2対2になります。
ずいぶん状況は楽になって、勝つ可能性も出てきます。





「勝つ」ってナニ?





でも、誰も入ってこなかった。
味方が一人もいない状態で、僕は商品をレジに。
レジに入ったのは、小説の筋を説明していた方の店員です。

僕には切り札がありました。
注文をしていた本を買うのです。

システムは、こうです。
ネットで注文・購入した本が、数日後、コンビニに届けられます。
コンビニに届けられる前日、
携帯メールに「翌日10時にコンビニに届きます」と連絡が入るのです。
購入者は、指定された時間以降にコンビニのレジで、
他の商品と同じように、お金を払って受け取るのです。

しかし僕は、
実は深夜のうちにコンビニには届いているという事を知っていました
僕は、届いた携帯メールを見せながら聞いてみました。
時刻は3時。

「あの~、コレ届いてますか?」

ふつうは店員は、渡された携帯を受け取って、
メール画面を見ながら、10ケタほどの確認番号を
いちいちレジに打ち込まなくてはなりません。
それがちょっと面倒な作業なのです。

通常の買い物の他に、面倒な作業をさせる。
今まで完全無視されていた僕が、
客としてのアイデンティティを主張できる唯一の方法です。
これが僕の切り札。


店員は、サラリと言い放ちました。

「では確認番号を教えていただけますかぁ?」

僕の攻撃は、あっさりとかわされました!
さらに、逆にこちらに面倒な作業を代行させるという反撃…。

や・ら・れ・た!
コイツ…ただ者じゃない。

僕は、詰まりながらも10ケタの数字を読み上げました。

本は、まだ届いてませんでした。
1時間ほど早すぎたようです。

痛恨のミス!
店員とチラリと目が合いました。

「来るのが早すぎるんだよ!」
と目が言っています。

追い討ちをかけられました。
僕は、ダメージを隠しながらすごすごと帰りました。

深夜のコンビには、怖いです。



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