徳島ラーメンの雄。国宝級は茶碗ではなくドンブリ!?
2016年12月に放送された「開運!なんでも鑑定団」で、出展された茶碗に2500万円の値が付いた。南宋時代に制作され、今は世界に3点しかないとされる「曜変天目茶碗」の真作との鑑定。かつて依頼人の曽祖父が戦国武将・三好長慶の子孫宅の移築作業を請け負ったそうで、その際に購入した古美術に混じっていたという。
ところが、この「国宝級」と評された茶碗をめぐって放送後、専門家から「曜変特有の星のような斑点模様が薄い」「真作なら十億以上するはず」など、鑑定結果を疑問視する指摘が相次いだ。そして文化財指定に向けた調査も取りやめに。テレビ東京にとっても依頼人にとっても、お蔵入りにしたい出来事かもしれない。


その依頼人が経営しているのが徳島市にあるラーメン店、ここ「巽屋」である。当初は店内に飾っていたりして…と思ったものだが、そんな事情で曜変天目のヨの字も書かれいなければ、鑑定団についても触れられていない。ただ、この店は元々、結構な人気店なので、野次馬根性を控えて、純粋にラーメンを味わいに行ってほしい。
徳島ラーメンはスープの色で3種類に分類される。90年代末に徳島「いのたに」が新横浜のラーメン博物館に出店してから意識され出した、いわば後付けのカテゴリーなのだが、濃口醤油を使った「茶系」、薄口醤油や白醤油で味を整えた「白系」、鶏ガラを加えた「黄系」とある。そしてこちら「巽屋」は茶系の代表格だ。


支那そばは並サイズで550円。ライスは小サイズ150円から。おやつ的にサクっと食べるならトッピングなしで並サイズを頼むと良いが、甘辛い豚バラ肉の入った「肉入り」、生玉子を落とした「玉入り」、両方入った「肉玉入り」を選ぶとビジュアルもそれらしくなる。今回は「支那そば 肉入り(大)」と「ライス(小) 」を注文した。
茶濁したスープは一見、非常に味が濃そうに見えるが、醤油のキレがありアッサリした飲み口。しかし豚骨のコクをしっかり感じるので、物足りなさも無くバランスのよい仕上がりだ。柔らか目の中細麺を生卵に絡めて啜る。豚バラは味付けしっかりでライスが進むこと間違いなし。王道の茶系、徳島駅からは少し距離があるが是非一度。
<店舗データ>
【店名】 巽屋(たつみや)
【住所】 徳島県徳島市住吉5-68-1
【最寄】 JR高徳線「徳島駅」より車で10分程度