酢の種類
酢は本来「米」や「リンゴ」、「ブドウ」などを発酵させて、酢酸菌(入れなくても時間をかければ酢になりますが・・・)を入れて発酵させてつくる醸造酒と、氷酢酸や酢酸をベースに調味料を加えて、人工的に作った合成酢があります。
酢は本来「米」や「リンゴ」、「ブドウ」などを発酵させて、酢酸菌(入れなくても時間をかければ酢になりますが・・・)を入れて発酵させてつくる醸造酒と、氷酢酸や酢酸をベースに調味料を加えて、人工的に作った合成酢があります。
基本的には、米酢が最も本来の酢と言うことができると思います。
(以下詳しく説明すると20頁位の論文なりますので簡単に説明します。)
リンゴ酢はフルーティーな味わいがあり、薄めて飲むのには適したもので、ピクルスを作ったり、サラダドレッシングに向いているでしょう。
リンゴ酢はフルーティーな味わいがあり、薄めて飲むのには適したもので、ピクルスを作ったり、サラダドレッシングに向いているでしょう。
また、ワインビネガーは、ぶどうの果実にワイン酵母を加えて醸造して作られたもので、バルサミコ酢もこの類(たぐい)です。
特にバルサミコ酢の場合は使い方にひと工夫必要で、チキン、ポークなどと煮詰めて使うことにより肉も柔らかくなり、強い酸味が消失して醤油や蜂蜜との相性も良く、レストランのような深い味わいのあるソースつくりが可能になります。
酢にはどんな効用があるの?
タンパク質を固める
以前、魚の鮮度による食べ方(5種類)でも紹介しましたが、酢はタンパク質の筋繊維を固める(引き締める)作用があり、その効果を利用した使い方があります。
魚の酢の物はもちろんですが、魚を煮るとき表面のタンパク質を固め煮くずれを防いだり、ポーチドエッグをつくるとき、酢を使うと白身が固まってきれいに仕上がります。臭いや味に影響を与えない程度に少量の酢を加えます。
肉や骨をやわらかくする
酢には上記のようにタンパク質を締める効果とともに、やわらかくする効果があるので、肉料理に使うとその働きで肉が柔らかくなります。さらに魚の酢の物などでは小骨まで軟らかくなります。(八宝菜や酢豚など中国料理にはよく利用されていると思います。)
酢には上記のようにタンパク質を締める効果とともに、やわらかくする効果があるので、肉料理に使うとその働きで肉が柔らかくなります。さらに魚の酢の物などでは小骨まで軟らかくなります。(八宝菜や酢豚など中国料理にはよく利用されていると思います。)
ヌメリをとる作用
里芋を茹でる際に酢(2Lの湯に大さじ2杯程度)を加え、4~5分ゆがいて水に晒すことで、糖タンパク質が沈殿しヌメリとりになります。この操作で煮崩れもなくなります。(日本料理の基本かな?)
嫌な匂いを消す
香りのクセが強い野菜や生魚を使った料理では、酢がその匂いを包み込んでまろやかにします。
調理前の変色防止
ゴボウ(黒変)などアクの強い野菜やレンコン(黄ばみ)を切ったらすぐに薄い酢水に浸けると変色防止になります。水晒し後、茹でるときにお酢を加えると更に白く仕上がります。(下記)
食品の色を鮮やかに
生姜(はじかみ生姜)、ミョウガではきれいなピンク色に、ニンジン、ラディッシュ、紫キャベツなどでは色鮮やかに、レンコンやカリフラワーを茹でるとき真っ白に、酢の成分が色素に働きかけることにより素材の色を鮮やかに生かします。
食感(テクスチャー)をよくする
もやし、レンコンを茹でるとき沸騰した湯に食材を入れる前に酢(500mlの水に小さじ1杯程度)を加えると、野菜中のペクチンの分解が抑制されてシャキシャキ感が生まれます。
加熱しても成分は変わらない
酢は加熱するとツーンとする香りの成分が揮発して酸味がやさしくなりますが、酢の栄養成分は殆ど変わりません。
塩味の代わりになる
以前にも書きましたが、料理の味の濃さは塩味で決まります。「ぜんざい」や「おしるこ」でも砂糖だけでは美味しく感じません。そのため微量の食塩を加えます。
それと同じように、塩分の取り過ぎに注意するあまりに薄味だけの料理では物足りなく感じます。そのようなとき、塩味の代わりに酢を料理に使うと味にコクが出てきます。
カルシウムの吸収を助ける
現代人にはカルシウムが不足しがちな栄養素で、カルシウムが不足するとイライラすることが多くなります。一方でカルシウムには吸収率が悪いという性質があります。
しかし、酢の主成分である酢酸には、そんなカルシウムを体内に吸収しやすくする働きがあり、アサリ(殻付の場合)のスープをつくるとき、スープ(400mlあたりに小さじ2杯)に酢を入れると、入れないときに比べて2倍以上のカルシウム摂取が可能になります。
鶏手羽元に酢を入れて煮た場合では、酢を入れなかったときと比べてカルシウムは約2倍多く摂取でき、コラーゲンは約1.4倍多く摂取できるようになります。
食欲を増進させる
すっぱいものを見ただけで、唾液が出てしまう経験をお持ちの方も多い筈です。
酢の爽やかな酸味には唾液や消化液の分泌を高める働きがあり、消化吸収もよくなるとともに食欲増進をしてくれます。寿司ご飯、マリネがいいです。
疲労回復効果がある
スポーツドリンクにみられるように酢に含まれるアミノ酸とクエン酸は、運動による疲労を感じる元である乳酸を酢酸やクエン酸によってスムーズに代謝させ、疲労の回復に寄与します。つまり、酢の主成分である酢酸は体内でクエン酸に変化し、エネルギー産生を促す役目をするのです。
抗菌作用がある
酢は強い酸性(pH=2.6~2.8前後)を示すため、抗菌作用があります。
従い、その酸性を利用して食品の保存性を高めることもできます。
例えば、ラッキョウやピクルスはその一例でしょう。夏場は弁当やおにぎりを「酢飯」を使う方法もあります。
昨日ご紹介した「三杯酢」で南蛮漬けにすれば、唐揚げした魚が冷蔵庫で3~4日平気で保存できます。
また、弁当箱を酢を沁み込ませたキッチンペーパーで拭いておくのも除菌効果が期待でき、出汁をとる出汁昆布や松前漬けに使う昆布を水で洗うのではなく、酢を含ませたキッチンペーパーで拭いて利用するといいでしょう。
昨日ご紹介した「三杯酢」で南蛮漬けにすれば、唐揚げした魚が冷蔵庫で3~4日平気で保存できます。
また、弁当箱を酢を沁み込ませたキッチンペーパーで拭いておくのも除菌効果が期待でき、出汁をとる出汁昆布や松前漬けに使う昆布を水で洗うのではなく、酢を含ませたキッチンペーパーで拭いて利用するといいでしょう。
もっと大きな効果は? どのくらい摂取したらいいの?
一気に書いてきましたが、実に多くの効用があると思いませんか?
まだまだあります。推奨される一日あたりの摂取量の目安ですが、連続して摂取する場合は 15ml~30ml(大さじ1~2杯)程度が好ましいとされています。個人差もあるので一概には言えませんが、多くの研究成果では12週間以上で明らかな結果出ています。
一般的には3~4か月以上続けることで次のような偉大な効果が期待できます。
1.内臓脂肪を減少させる
肥満気味の方では、内臓脂肪を減少させる働きがあり、これは科学的に証明された研究結果が発表されています。
但し、12週間+毎日10分間の運動も実施した例。
脂肪合成抑制作用からもダイエットに繋がることになります。
2.糖尿病の予防・軽減化
血糖値を気にされている方も多いと思いますが、急激な血糖値の上昇が繰り返されると、糖尿病になってしまう恐れがあります。血糖そのものは大切な一種のエネルギー源で必要なものです。酢の摂取を続けることで、食後の血糖値の上昇が緩やかにさせることが可能になります。
3.高血圧の予防・改善
高血圧の方は、大さじ1杯(15ml)を目安に毎日継続して摂ること、及び塩味の代わりに酢を代用することで、血圧を下げることが可能です。
血圧降下薬の使用は可能な限り避けて、食品で代用してください。ヒトの体にとって、薬は本来体外異物で効果の他に必ず反作用(副作用)が出ます。
4.血中脂質の低下作用
酢の主成分である酢酸には、高めの血中脂質を低下させる働きがあることが判っています。高脂血症は、高血圧とともに動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因ともなるため、血中脂質の低下作用は成人病予防になります。
5.大腸がんの予防
マウスを使った実験(京都大学、黒酢を使用)では、大腸がんの予防効果を確認しています。
6.腸内環境を整え便秘の改善
前述のように酢は胃や腸の働きを促す作用があり、消化液の分泌や腸の蠕動運動を促すため、程よい刺激が便通の改善に効果があります
前述のように酢は胃や腸の働きを促す作用があり、消化液の分泌や腸の蠕動運動を促すため、程よい刺激が便通の改善に効果があります
7.腎臓病の予防
酢に含まれるクエン酸は、尿中でカルシウムと結びつき、シュウ酸とカルシウムが結合するのを抑えることにより、尿路結石の予防の効果が期待できます。
摂り過ぎによる弊害も・・・・
どんなに体に良いものでも摂り過ぎは禁物で、ものには限度があります。
1.歯のエナメル質が溶ける
酢の摂り過ぎで、歯の表面の膜(エナメル質)を溶かす危険性があります。エナメル質が溶けてしまうと、虫歯になり易くなり、知覚過敏になったりと口腔内トラブルの原因になることがあります。
酢の物ばかり食べないで、口の中に酸味が長く残らないようにしましょう。他の食物と一緒に食べるようにすれば、全く気にすることはありません。
2.胃や腸の炎症を起こしやすい
胃液そのものは酢より強い酸性(pH1.0)です。酢も適量であれば胃腸の働きを促し食欲増進にもなりますが、前述のように酢も強い酸性です。
摂り過ぎることにより胃や腸内を荒らすことになり、最悪の場合は炎症(一般的には潰瘍)を引き起こしかねません。特に空腹時の酢を含む「ドリンク」(サプリメント)は好ましくないと言えます。
3.市販の酢を含む「ドリンク」に注意
酢の消費量を目論んで開発された「健康ドリンク」ですが、体に良いものである筈のものが、実は摂り過ぎると効果は逆に悪くなります。
理由はれらの殆どのドリンクには、飲みやすくし、味を整える目的で「果汁」、「果糖ぶどう糖液糖」、「砂糖」、「はちみつ」などの甘味成分が入っています。肥満を防止・改善する目的で飲んでいるのに、カロリーが増えてしまいます。もちろん、その分食事を減らせば効果はありますが・・・。
但し、「0kcal」と謳ったものもあります。
(食品表示法で100mLあたりのエネルギー量が 5kcal 未満であれば 0kcalと表記が可能です。)
メーカーは少ないと思われますが、そのようなものであれば、食事でとれないときの補完としてはよいかも知れません。でも、多くのサプリメントには必ずと言っていいほど、好ましくない成分があるので highdy はお勧めしません!
但し、「0kcal」と謳ったものもあります。
(食品表示法で100mLあたりのエネルギー量が 5kcal 未満であれば 0kcalと表記が可能です。)
メーカーは少ないと思われますが、そのようなものであれば、食事でとれないときの補完としてはよいかも知れません。でも、多くのサプリメントには必ずと言っていいほど、好ましくない成分があるので highdy はお勧めしません!
書き始めると止まりません! 夜も更けてきました、この辺で・・・。
でも行方不明の現役時代の研究資料があれば、もっと効用があったような気もしますが、昨日のコメント返しで急遽 fumiel-shima さんに約束したので、ネットで調べることもせず思いつきの書き下ろしです。
間違いや質問がありましたら、お気軽に・・・。
本日もご来訪いただきありがとうございました。