元ラーメン屋店主のツイート集

ラーメン屋を10年経営し、今は閉店し、介護士をしています。

RAINBOW ROAD~様式美麺れいんぼ~への道22

2007年11月20日 | RAINBOW ROAD
今回は開業時の当店のラーメンが生まれるまでに
ついて書いてみます。

皆様もご存知のように、当店はラーメンの味を変化
させる事をためらわず、自分が納得出来ない箇所が
あれば改良を今もし続けています。

だから、開業時の醤油ラーメンも毎日のように味を
変え続けていました。

開業寸前は、袋小路に迷い込むほど、色々悩みまし
た。

僕のラーメンの大きな柱となったのは魚介味でした。
でも、扱いが非常に難しく、最初は1杯の味にまとめ
る事に苦心しました。

当時聴いていたバンド「メロウ・キャンドル」のような
懐かしさと斬新さが融合した物を追い求めていました。

濃厚な塩水で昆布ダシをとり、とろ火でじっくり水分を
飛ばし再結晶させる塩作りという何処の店もやらない
製法をする事にしました。

また、醤油を長時間煮込み、ドロドロのソース状態のペー
スト状態にし、いりこダシと清酒とみりんでといたりも
しました。

元ダレに魚介ダシをしっかり効かせる為(元ダレに魚介
ダシを効かせる製法は定番ですが、当時の僕は知りませ
んでした。普通はチャーシュー肉を元ダレで煮込みます
が当時は、チャーシューダレは別に仕込んでいました)
宗田節、かつお節、サバ節、昆布でじっくり煮込む事に
しました。

開店当時のレシピは残っていないので、記憶に頼ります
が、スープは鶏胴がら、モミジ、手羽先が全体の半分以上
で、豚骨はゲンコツのみを使用していました。
そして、別の寸胴鍋で、いわし煮干し、アジ干し、
厚削りかつお節、厚削りサバ節、厚削り宗田節を使用し、
動物系スープ、魚介系スープが完成すると、漉して
1つにまとめていました。

でも、試作の段階で、懐かしい味わいですが、斬新さに
欠けました・・。

周富徳が解説している中華料理の本を見ていると、
麺料理のレシピがビックリするほどシンプルです。
大量の水に、少量のガラを短時間煮込み、元ダレな
ど作らず、どんぶりに塩、中華醤油、
紹興酒、化学調味料を加えただけの物でした。どのページ
を見ても、ラーメンの具材こそ豪華なものの、スープへの
こだわりが一切感じられませんでした。その本からは
鶏がらの血抜きや下処理の仕方ぐらいだけ参考にしまし
た。「こんなラーメンでも人気店なんだから、完全に
納得行かないけど、僕の今のラーメンでもいいんじゃ
ないだろうか?」と妥協しそうになった時期もありました。


当時ハードロック界は「ダークネス」が流行っていました。
奇抜なパフォーマンス、奇抜なファッション、気持ち悪い程
のファルセットボーカルと僕は全く興味がありませんでした。
でも、ラーメンについて考えながら友人に借りた「ダークネス」
を聴いていると・・・・

「なーんだ。リフやメロディはオールド
スタイルじゃん。割と平凡だけど普遍的なカッコイイ演奏に
個性満載なボーカルなんだ・・。いや、もしボーカルが平凡
だったら「ダークネス」は今ほどの人気は確立していないはず・・。
個性的なあのボーカルがフロントマンとして目立っているから
「ダークネス」は斬新なバンドという印象を受けるんだ・・。
安定して高度なバック演奏と、一度聴いたら耳に残り、映像で
見たらしばらく忘れられないようなボーカルで「ダークネス」
は成り立っている・・。コレだ・・。僕はラーメンを
「ダークネス」化する・・。」
と思い立ちました。

要するに、煮込み時間を延ばし、途中ガラの入れ替えをし30
時間煮込みボディがシッカリした動物系スープを作る事にしま
した。そして、魚介素材の量を3倍にし、魚介風味がプンプン
するラーメンにしました。

そう、「ダークネス」のバンド演奏が動物系スープであり、
個性的ボーカルが魚介系スープです。「ダークネス」のように
好き嫌いが2分化するようなガンガン個性的なラーメンを
開発しました。魚介風味を抑え、全体バランスを考えるから
平凡さから抜け出せませんでした。食べた人の半分の人が
受け入れなくても仕方が無いけど、一部の人は滅茶苦茶
ハマるラーメンを作ろう・・と、開き直りました。

唐津市には魚介系ラーメンが無いので、受け入れられるか
どうかは不安でした。また、麺も唐津市には無いようなクチナシ
着色の多加水太ちぢれ麺ゆえ、従来の唐津市のラーメンとは
異色のスタイルでした。でも、自慢の特注ちぢれ麺の旨さは
きっと分かってもらえるという自信はありました。

また、茹で加減もやや固めのアルデンテなので、
腰砕けずんだれ麺文化の佐賀県では挑戦的なラーメンに
なりました。

一般的な従来のラーメンを求めてご来店になられるお客様には
当店の味は気に入って頂けないリスクはありましたが、ラーメン
ニューウエーブを求めておられる方の期待には答えられると
思っていました。

「メロウ・キャンドル」のような懐かしさを持っている、
斬新さは、実現出来たと思います。

唐津市にも沢山のラーメン屋があるので、当店のような風変わ
りな店があってもアリかな・・と、勝手に思っています。

ただ、開店から2,3か月で醤油ラーメン専門店のスタイルを
捨て、徐々に変貌を遂げ現在があり、これからも味を存続させ
る事にはこだわらず変化・進化・改良をしていきまうs。

RAINBOW ROAD~様式美麺れいんぼ~への道21

2007年11月20日 | RAINBOW ROAD
今回で父へのプレゼンの話は終わらせます。

僕が当時作りたく、自分が店を持ったら出した
かったラーメンは魚介醤油ラーメンでしたが、
父は醤油ラーメンが好きじゃなかったので、
父にラーメン開業を認めてもらう為に
久留米のラーメン屋「丸星ラーメン」の自己流
コピーラーメンを作りました。

元ダレはシンプルで、昆布、かつお節を
薄口醤油、さしみ醤油、塩、みりん、酒で煮出し、
チャーシュー用ブタバラブロックを煮込んだ物を
使用しました。

香味油もシンプルに、ラードに玉葱とニンニクを
入れじっくり揚げだした物でした。

そして、スープは、丸星の濃厚さを出すには
家庭のキッチンでは無理があるので、ダシが出や
すい鶏の手羽先、手羽元、豚のアバラ骨、背ガラを
メインに、ゲンコツも加え煮込みました。
濃厚さを出す為に背脂と豚ミンチも入れました。
勿論、全て血抜きし、骨を割ったりした物を使用
しました。

今、作っているスープと比べたら製法も材料も
チープな、シンプルなラーメンです。

強火でガンガン炊きながら、鍋の前でスープを
見つめアクが出てきたらひたすら取り続け、水を
足したり、香味野菜を入れたりしながら10時間
煮込みました。

側から見たら、スープを見続ける作業は面白みが
無い様に見えるかもしれませんが、これが結構
面白いです。特に白濁系スープは徐々に色の変化
も楽しめます。いまだにスープを煮込む作業は
好きです。多分、この作業が苦痛に感じる人は
ラーメン屋は出来ないと思います。

特に個性も何も出さず、父の好み100%の思い
で作りました。

父に出し、緊張の一瞬でした。

父は終始無言で、スープまで全て平らげました。

お茶を飲みながら
「よし、やってみろ。お前はどうやら本気みたい
だな。ただ、俺は開業の準備も、開業後の手伝い
も何にもせんぞ。お前一人で全てやれよ」

と、父から開業への許可が下りた。すなわち、
開業場所の確保と開業資金を借りる事が出来ま
した。

いよいよ、開業に向けて具体的に動き出しました。

すぐに親戚の工務店に僕が書いた設計図を元に
図面化して頂き、見積もりを出してもらう為に
何度と無く打ち合わせをしました。

父へのプレゼンの数ヶ月前から事業計画は着実
に進行していたので、打ち合わせはスムーズに
いきました。



買いそびれた・・・・

2007年11月20日 | 音楽・楽器
唐津くんちも終わり、ショッピング街では
クリスマス商戦が始まりました。

まだ気が早い気もしないではありませんが、
一気に真冬並の寒さに突入し、今晩の我が家の
晩御飯は「おでん」でした。我が家では冬場は
スジ肉が滅茶苦茶いっぱい入った「おでん」が
定番です。

昨年、クリスマス・イブにやっていたRKBラジオ
の「ヒーマン・サンタ」でジングルやブリッジで
使われていた「ザ・ビートマス」が気に入り
いつか買おうと思っていました。

半年前ぐらいにアマゾンでチェックすると、新品
であったのに、もう生産中止になっていました。
非常に残念です。

ビートルズの名曲と定番のクリスマスソングを融合
した企画盤でしたが、企画ものは早めに買わないと
駄目ですね。

YOU TUBEで面白いクリスマスソングを見つけたので
アップします。ウィ・アー・ザ・ワールドの下手な
パロディっぽくて笑えますが、やってる本人達は
いたって真面目なんでしょうね。


ながいしパン(唐津市熊の原)

2007年11月20日 | 唐津の大衆食名店
♪出来立てほやほやパン
出来立てほやほやパン
パン屋の親父はハゲ頭♪
・・・・・今、不意にこの歌を思い出しました。
長松小学校の塚本先生が歌っていた自作歌です。
そんな事はさておき・・・。

昨日、無性に「ながいしパン」が食べたくなり行って
みると定休日で、仕方なくAコープのベーカリーで
1000円分ぐらいパンを購入し昼御飯にしました。
Aコープのベーカリーもなかなか美味しく、ミニ
クロワッサンの詰め合わせはお得です。焼きたての
サクサクで軽い食感のクロワッサンは絶品でした。

そして、今朝「ながいしパン」に行きました。

改装後初めて行きましたが、店員さんも世代交代
されていました。僕が頻繁に行っていた中学生
の頃は見るからに頑固一徹な職人気質漂う
おじいちゃんがいました。

中学生当時よく食べていた、食パンに餡子を挟み
油であげたパンは、今食べると結構重いですね。
カリカリに揚げたのではなく、弱火でじっくり
揚げてあるのか、パンを油が吸いまくっていて
口に入れる度にジュワーと油が口中に広がります。

食パンにカスタードクリームを挟んで揚げてある
パンも、餡子同様に重いです。

中学生の頃、水泳部で疲れ果て、お腹ペコペコの
腹にはこの重さが良かったのかもしれませんが
今は少しキツかったです。

僕はパン屋でパンを買う際はハード系と言われる
ジャンルのパンを必ず買います。このハード系は
粉の風味を堪能出来ますし、表面カリカリ、中
モチモチで噛むほどに甘みが増してきます。
少し硬めで、ドンと多少不恰好なパンです。

「ながいしパン」には白ゴマ・黒ゴマをふんだん
に使用したハード系があります。飾りっ気無い
パンだけど、香ばしいゴマの風味は癖になりそう
です。

ラスクも買いました。スナック菓子感覚の
ラスクは幼少期から好きですが「ながいしパン」
の素朴な味わいのラスクも凄く美味しかったです。

僕はラーメン屋を2店舗、3店舗経営する夢は
ありませんが、チャンスがあればパン屋と
喫茶店オーナーには憧れています。

自分の店じゃなくても、いつかパン屋で働いて
みたいという夢があります。

以前、求職中にはパン屋を探しましたが、な
かなか求人が無く、ようやく見つけても経験者
しか採用しなかったりで、結局ライン作業の
ヤマザキパンとリョーユーパンの工場でしか
働いた事がありません。

最近は家庭用パン焼き機などもあるので、
そのうち買いたいです。