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陸上防衛作戦部隊論(第十二回):師団を構成する装甲機動旅団と航空機動旅団

2015-06-25 23:01:48 | 防衛・安全保障
■装甲機動旅団と航空機動旅団
装甲戦闘車についての検証と提案を連載してきましたが、ここから戦略単位と作戦単位について。

陸上自衛隊の全ての師団と旅団を二つの種類の機動旅団に改編し、二種類二個旅団を以て一個の大型師団を編成する、師団は一方面を担当する戦略単位であり、二種類の旅団は機動力を重視し空中機動能力と軽装甲機械化部隊の直協を行う旅団と、戦車及び重装甲装備と打撃力を重視し機動打撃を行う旅団とに区分する。

そして機動力を双方ともに度合いの違いの範疇で有する為に、一個師団隷下の二個旅団であっても現在の方面隊管区を一個師団ですべて対応可能な機動力を付与する、方面隊管区と隣接する方面隊管区を自由に起動する為機動旅団、一個師団で広い管区を受け持つため広域師団、という呼称を付与しました。

航空機動旅団と装甲機動旅団、と便宜的に名称を付与していますが、機動力を重視し空中機動能力と軽装甲機械化部隊の直協を行う旅団が航空機動旅団で、第12旅団型の編成に対戦車ヘリコプター隊を付与した編成、若しくは第13旅団型の編成に方面航空隊を付与し戦車中隊を機動戦闘車に置き換えた編成を念頭とするもの。

戦車及び重装甲装備と打撃力を重視し機動打撃を行う旅団が装甲機動旅団で、第11旅団型の編成に戦車中隊を一個増強すると共に方面特科部隊のMLRSを付与し全般火力支援能力を付与した編成、第5旅団型の編成に化学防護隊を特殊武器防護隊へ増強し方面特科部隊のMLRSを全般支援部隊として特科隊を特科連隊とする編成、概略は以上の通り。

旅団を編成し師団を臨時編成する選択肢は一応考えられるのですが、航空打撃力と軽装甲部隊だけでは重装備部隊の着上陸や、所謂粘り強い抵抗線の構築は難しく、戦果拡張に至る機動打撃力が不足します。しかし、装甲機動力を重視し戦車を中心とした旅団との連携が不可欠になるのと同程度に戦車を中心とした部隊を単独で運用するだけでは、緊要地形確保への進出速度が充分ではない。

そこで進出掩護や集結掩護に空中機動部隊程の速力を発揮する事は出来ません。この点から、師団、という戦略単位を常設し対応する必要があり、重ねて臨時編成する運用は有事の際に戦力逐次投入、手近な旅団から順次投入する事で第一線部隊の編制が不均衡なものとなる可能性、連携を十分に練成できない可能性があり、これを無視することが出来ません。

北大路機関:はるなくらま
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (馬鹿が戦車で立ち往生)
2015-06-26 22:24:15
良いと想いますよ。

どのみち陸自にはこれから大した予算(人件費)を回す余裕はない。

ちょうど方面隊自体を廃止して、そこに連合旅団による師団を当てはめ。そして陸上総隊司令部を中央司令部に当てはめたら丁度良い!

高級司令部乱立の巨頭症から脱するに良い機会です。内なる敵、陸自の大リストラのチャンスです。

MLRSも師団直轄扱いにすれば丁度良い。良い考えだと思います。
返信する
Unknown (馬鹿が戦車で立ち往生)
2015-06-26 22:24:16
良いと想いますよ。

どのみち陸自にはこれから大した予算(人件費)を回す余裕はない。

ちょうど方面隊自体を廃止して、そこに連合旅団による師団を当てはめ。そして陸上総隊司令部を中央司令部に当てはめたら丁度良い!

高級司令部乱立の巨頭症から脱するに良い機会です。内なる敵、陸自の大リストラのチャンスです。

MLRSも師団直轄扱いにすれば丁度良い。良い考えだと思います。
返信する
Unknown (馬鹿が戦車で立ち往生)
2015-06-26 22:24:19
良いと想いますよ。

どのみち陸自にはこれから大した予算(人件費)を回す余裕はない。

ちょうど方面隊自体を廃止して、そこに連合旅団による師団を当てはめ。そして陸上総隊司令部を中央司令部に当てはめたら丁度良い!

高級司令部乱立の巨頭症から脱するに良い機会です。内なる敵、陸自の大リストラのチャンスです。

MLRSも師団直轄扱いにすれば丁度良い。良い考えだと思います。
返信する
師団に機動運用を統合し、方面隊に防衛基盤を集約 (はるな)
2015-06-30 12:25:47
馬鹿が戦車で立ち往生 様

当方は方面隊廃止までは逆に非効率を生むと結論付けています

共通教育、建設、補給処、戦域防空、地対艦ミサイル、沿岸監視、駐屯地業務、基地通信、どれも機動運用部隊には適していません

師団に機動運用を統合し、方面隊に防衛基盤を集約する、こうした視点から全般の人員を縮小し機械化と空中機動力を進める、という点が本論視点です
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