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北大路機関『自衛隊最新装備2018』新イージス艦&機雷戦艦艇&新型無人機【年末特集】

2018-12-31 20:18:20 | 北大路機関特別企画
■写真で振り返る2018年新装備
 自衛隊新装備、本年も多種多様な新装備が登場しました。そこで本日は大晦日、年末特集という事で2018年に撮影しました自衛隊最新装備をご紹介しましょう。

 イージス艦まや。今年八月に横浜にて進水式を迎えた護衛艦まや型の一番艦です。8200t型護衛艦として海上自衛隊七隻目のイージス艦にあたる本艦は2020年3月に竣工予定で、来年夏には二番艦も進水式を迎え、まや型二隻により護衛艦隊配備のミサイル護衛艦は八隻全てイージス艦へ統合、現在残る二隻のターター艦は練習艦隊へ転籍する事となります。

 潜水艦せいりゅう。母港横須賀での一般公開の様子で、そうりゅう型潜水艦9番艦として三菱重工神戸造船所にて建造され本年三月に竣工、第2潜水隊群第6潜水隊へ配備されました。スターリング機関によるAIP方式潜水艦で、水中排水量4200tと通常動力潜水艦としては非常に大型であり、広大な我が国排他的経済水域とシーレーン防衛にあたります。

 潜水艦救難艦ちよだ。今年三月に竣工した最新鋭の潜水艦救難艦です。潜水艦救難母艦ちよだ、の後継となり満載排水量は7100t、前任の母艦ちよだ、は潜水母艦的機能を有し救難能力と共に補給を相応に重視していましたが、おやしお型、そうりゅう型と潜水艦能力の向上と共に母艦への依存を省く事が出来、特に救難能力と強化した設計となりました。

 掃海艦あわじ。あわじ型掃海艦の一番艦で、世界最大の木造軍艦であった掃海艦やえやま型の後継として建造された深深度機雷処分能力を有する最新鋭艦です。船体は木造からFRP構造となり、2017年に就役しました。水中調査用UUVリーマス600により機雷の危険圏外から捜索し、光ファイバー誘導の自走式機雷処分用弾薬EMDにより処分するもの。

 掃海艦ひらど。あわじ型掃海艦二番艦で今年三月に竣工した最新鋭艦です。満載排水量は780tと前任の掃海艦やえやま型よりも小型化しましたが、船体規模は同程度となっており、FRP製船体により運用期間長期化を図っています。目標は潜水艦を狙う深深度機雷で従来の機雷処分具に代わるEMDは必要に応じ高い頻度での能力向上も可能となっている。

 16式機動戦闘車91式105mm多目的対戦車榴弾特填弾。富士総合火力演習において今年度初の実弾射撃が公開されました。行進間射撃と共に蛇行しつつ目標へ命中させるスラローム射撃が展示、この他16式機動戦闘車は善通寺駐屯地祭や伊丹駐屯地祭を始め訓練展示における空包射撃を初展示しており、陸上自衛隊の新しい顔として、一挙に踊り出ました。

 60mm迫撃砲M6C-210。オーストリアヒルテンベルガー社製の軽量迫撃砲で発射架を簡略した所謂コマンドモーター、AAV-7両用装甲車と共に走る後ろの方の水陸機動団隊員が携える筒状のもの。重量は5.5kgと軽量で簡易照準器により有効射程1500mを発揮します。コマンドモーターは81mm迫撃砲L-16のような精度は発揮出来ませんがその分迅速な射撃ができる。

 ネットワーク電子戦システムNEWS。通信学校で開発中の新装備で現段階では評価試験中という。本装備は電子戦部隊が装備し敵対勢力の電波情報収集と分析を行うと共に攻勢電子戦を展開し敵対勢力通信ネットワーク網の無力化を図り、情報優越の獲得に寄与する。敵ネットワーク解析機能は自動化されており、機動電子戦という新領域を開拓するもの。

 装輪用道路マット。上陸したエアクッション揚陸艇と88式地対艦ミサイルを繋ぐように敷設されているもので、3t半トラックを原型とする道路マット敷設車により展開する。軟弱地形での通行支援に充てるもので、建設工兵装備として方面施設団の施設器材隊等に装備されています。上陸後の海岸堡確保の後に実施の揚陸作業には不可欠の装備といえます。

 スカイレンジャー無人偵察機。陸上自衛隊が導入したカナダエリヨン社製スカイレンジャーR-60無人偵察機の自衛隊仕様でクワッドドローン方式の機体に光学センサーを搭載したもの。重量4.5kg、師団偵察隊や普通科連隊規模で運用を想定しているとのこと。軽量である為に飛行範囲は5kmと限られますが風速60m/sの悪天候においても飛行可能です。

 携帯障害処理器材。施設科部隊がM-1破壊筒や梱包爆薬を用いる地雷処理等の障害処理に際し障害等わな線の前投処理に用いる器材として導入されました。全備重量は25kgとなっており人員1名での搬送が可能、格納状態では背嚢形状となり障害処理投射時に背負って進出、事後発射状態へ展開し点火薬により処分爆導索を投射し、障害などを処理します。

 陸上自衛隊新制服。「強靭性」、「使命感」、「品格」を構想する制服形状として導入が開始され、部隊指揮官と自衛官候補生から順次更新が開始されているもので1992年に制定された制服の更新、若干消防団の偉い方と見紛う新制服は従来の濃緑色から紫紺を基調とした色彩へ転換しました。迷彩戦闘服等は従来通りですが着用するベレー帽は新色となります。

 E-2Cホークアイ2000プロペラ換装機。航空自衛隊は1979年よりE-2C早期警戒機を導入していますが、2005年よりホークアイ2000相当への能力向上を実施、その上で本年、プロペラを従来の四枚翅構造から八枚翅構造へ転換したプロペラ換装機が展示されていました。航空自衛隊は早期警戒機部隊の増強事業を進めており続いてE-2Dが導入されます。

 ASM-2B/93式空対艦誘導弾(B)。航空自衛隊が現在運用する主力空対艦ミサイルで新開発のASM-3により将来的に置き換えられる。ASM-2とASM-2Bの発展はセンサーシーカー部分の性能向上と共に最大の特色は中間誘導にGPS誘導を採用した点で必要に応じ地上目標へのGPS誘導も可能となった点、射程は飛翔方式により150kmから180km程度という。こうしたかたちで本年も様々な新装備を撮影し紹介する事が出来ました、来年もどうぞよろしく、それでは皆様、よいお年を。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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