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海上自衛隊:平成18年度潜水艦(8118号艦)、10月16日に神戸で進水

2009-09-29 19:43:04 | 海上自衛隊 催事

◆そうりゅう型潜水艦3番艦(SS-503)

 防衛省海上自衛隊は、平成18年度潜水艦(8118号艦)の命名式・進水式を10月16日、三菱重工神戸造船所において実施すると発表した。

Img_2613  そうりゅう型三番艦の命名式・進水式は、10月16日金曜日、1100時から1110時に執り行われる予定となっており、執行者は呉地方総監武田壽一海将で、防衛省からは海上幕僚監部代表として海将の赤星慶治海上幕僚長が、装備施設実施本部からは岡崎匠本部長が出席すると発表された。

Img_7809  そうりゅう型潜水艦は、これまでの潜水艦と比べ、スターリングエンジンAIP方式と呼ばれる推進方式を採用しており、これまでの潜水艦がディーゼル機関をシュノーケルにより海上から取り入れた空気により稼働させ、バッテリーに蓄電し、潜航していたのに対し、潜航したまま液体酸素とケロシンを用いた熱でヘリウムを膨張収縮させる原理で発電し、推進する、非大気依存(AIP)潜水艦として知られる。

Img_8561  そうりゅう型潜水艦は、基準排水量2950㌧、水中排水量4200㌧。全長は84㍍で、通常動力潜水艦としてはかなりの大型である。潜水艦が大型であるということは、水中放音の増大など、潜水艦の根幹である水中秘匿性にはマイナスとなり得るが、他方で、大型化することで航続距離は増大することになり、広大な日本近海の哨戒には必要な要素である。

Img_8385  二番艦うんりゅう、は現在、公試中で来年三月に就役予定となっている。瑞称動物の名前を冠することとなったそうりゅう型、そうりゅう、うんりゅう、に続き、三番艦は、どうなるか。旧海軍の空母“蒼龍”“雲竜”と続いたのだから、“飛龍”となるのだろうか。個人的には、ここはひとつ、先代の関係で縁起は悪いが、小松左京の『日本沈没』に名前のみ出てきた最新鋭潜水艦“海龍”を推したい。無理か。

Img_7821  海上自衛隊には、16隻の潜水艦と2隻の練習潜水艦が配備されており、三菱重工神戸造船所、川崎造船神戸工場という二つの会社で建造されているが、既に四番艦(8119号艦)が川崎造船神戸工場で、五番艦(8120号艦)が三菱重工神戸造船所にて建造されており、今後旧式化した、はるしお型潜水艦を置き換えてゆくこととなろう。

 当日は抜けるような快晴を願いたい。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

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10 コメント

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もう3番艦ですか・・・やはり1年に1隻の建造ペース... (トニー)
2009-09-29 20:31:57
もう3番艦ですか・・・やはり1年に1隻の建造ペースは早いですね~
もうすぐおやしお型も置き換えるようになりそうですが中国も高性能な原子力潜水艦を開発し韓国も海軍の増強を図ってる中、日本も潜水艦の定数を20隻程度にしてほしいのですが・・・
寿命が16年ってのは短すぎる気がします
他国のように現役の潜水艦、日本ではおやしお型にもあさしおの様に延長工事でスターリング機関or燃料電池を入れたらかなりの戦力になると思うのですが
これなら新しく建造するよりも安くあがるし・・・
おやしお型で11隻あるのでこの改おやしお型とそうりゅう型合わせて20数隻にすれば領土問題が大好きな隣国も少しはびびると思うところです。
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トニー 様 (はるな)
2009-09-29 21:34:29
トニー 様

当方も、個人的には護衛艦並に耐用年数は24年あるのでは、という観点から、練習潜水艦も含め26隻程度の勢力はあってもいいのかな、と。

要員の教育訓練、潜水艦を運用する上の維持費などなど問題はいろいろある一方で、何分、日本の板的経済水域は広いのですし、周辺国には、すべて除籍された、ゆうしお型よりも古い潜水艦があるわけですので、増強はあってしかるべきなのかな、と。

あさしお、は、当方、横須賀で初めて見た時に、既存潜水艦をAIPに!ともおもったのですが、何故かとなりに関係者がいまして、いろいろ聞かせてもらいました。

しかし、やりようによっては近代化改修もありえるのかな、と。
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こんばんは。 (ウルトラマン)
2009-09-29 23:46:44
こんばんは。

『そうりゅう』型潜水艦は、潜航時はスターリングエンジンAIP方式ですが、もうそろそろ次期潜水艦のスペック(目標か予想か)が出てもよさそうですけどね。
エンジンはどうなるか?やっぱり新しい?リチュウムイオン電池?になるのかな?ははは。
さて、突然ですが『昇龍』『瑞龍』などもいかがでしょうか。(笑)
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こんばんは (はるな)
2009-09-30 03:23:32
こんばんは

AIP方式として、燃料電池方式に移行するか、将来の原子力潜水艦への技術維持のために蒸気タービン併用のAIP方式を採用するか、というところでしょうか。

リチウムイオン電池は、AIP方式が発電方式なのにたいして、こちらは蓄電方式なので、現在の鉛電池に代わるものとして確か五番艦から導入される予定です。
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潜水艦隊30隻ぐらいほしいです (nanashi)
2009-09-30 10:36:58
潜水艦隊30隻ぐらいほしいです
周辺国に潜水艦の輸出もしたい
海底海中用の無人ロボットに
軍事衛星も
返信する
nanashi 様 はじめまして (はるな)
2009-09-30 12:20:17
nanashi 様 はじめまして

潜水艦30隻体制というのは、潜水艦の量産能力からみて、少し考えるところはあるのですが、南西諸島に近い佐世保に新しく第3潜水隊群を新設する、ということは検討されてもいいのかな、と。

佐世保のどこに係留させるかという問題はありますが・・・。
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こんにちは。 (とんぺい)
2009-10-01 05:17:41
こんにちは。
「そうりゅう」型3番艦早く就役して欲しいですね。
潜水艦は見ても解らないですがあの型って確か
尾翼がX型でしたよね。観艦式で見られるかな?
艦名は別に「ひりゅう」でいいんじゃないですか?
「そうりゅう」も「うんりゅう」も不運と言えば同じ
ですが、それを言ったら日本の艦は皆同じ?(笑)
最大潜航深度はどのくらいなんでしょうね?
映画「Uボート」では300mくらいでヤバかったから
今時の日本の通常型潜水艦って少なくとも500m
は行くんでしょうね。
しかし、「てつのくじら館」で潜水艦の中ってきつい
なあ、って思いましたが、「そうりゅう」型辺りでは
かなり改善されているのでしょうね。一方、反対に
2次戦型なんかはさぞや厳しかったのでしょう。
スターリング機関+リチウムイオン電池に変われば
かなり性能は改善されると思います。
リチウムイオン電池は鉛電池に対し、質量、体積
とも半分以下、出力レート(瞬発性的なもの)は数倍
以上ですから、同体積での電池なら、かなりなもの
になると期待しています。あとは、その高エネルギ
密度からもくる危険性の解消が早く確認されると
いいです。
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とんぺい 殿 おはようございます (はるな)
2009-10-01 07:30:30
とんぺい 殿 おはようございます

観艦式は、そうりゅう、どうですかね、慣熟訓練が終了していませんので、これについては、ひゅうが、も同様なのですが・・・。

海上自衛隊の潜水艦、その潜航深度は、はるしお型で350㍍。第二次大戦中の主力潜水艦、伊15型で100㍍。現用では、ロシアのキロ級877M型が240㍍、ドイツの輸出用ベストセラー、209型で250~280㍍ですから、優秀な方に含めていいのかな、と。
返信する
久々に投稿します。 (軽トラックの稲妻)
2009-10-04 11:15:06
久々に投稿します。

言霊の国。名前には数々の因縁があることを感じます。

①命名規定
 元々自衛隊の命名規定中で潜水艦については「海象現象」の他に「水棲動物」がありました。
これは鯨「~げい」や竜「~りゅう」、亀「~き」を意識したものだとのこと。(「世界の艦船」旧号より。)
※そもそも中国から伝来した竜・龍は、鰐を神格化したものだと言われています。

 この規定をわざわざ「想像上の動物」としたのは、「『うんりゅう』や『ひりゅう』は厳密には水棲と言えないのではないか?」という配慮があったものと推測します。この辺が決まり事を遵守する組織らしいですね。

しかし、実際に使えそうな名前の候補はあと幾つぐらいあるでしょう?
「五頭竜」や「応竜」等は一般の人に分かるとは思えませんし、「~亀」だと印象が宜しくなさそう。
「てんりゅう」は訓練支援艦となりましたので、「くずりゅう」も潜水艦とはならないでしょうね。
(ところで旧海軍では「天龍」と命名されたのは何故?天竜川なのに?)


②不遇なる名前
 全くもって非科学的ですが、不運を引き寄せる名称もあるようで。例えば、

・「陸奥&むつ」:戦艦、原子力船、国鉄急行→特急
・「彗星」:艦爆、寝台特急
・「紫雲」:水貞、宇高連絡船

しかもそれぞれの経歴には類似点も感じられます。
こういった因縁を目にすると、日本人が命名に頭を悩ますのも理解できますね。
 まあ小生自身は「戦没」なら役目を果たしたのだから別に不運とは考えませんけど、感性の違いもあるのでしょう。


③新技術(電池&パワーエレクトロニクス&新材料などなど)
小生は元々蓄電池の研究室出身、現在はエンジン製造会社の設計技術者、マリンエンジニアリング会員でもあるのでいろいろ気になる点・指摘したい点はありますが、長くなるので省きます。(技術系以外の人には苦痛と思えるため。もし質問疑問がございましたらご遠慮なさらずに尋ねて下さい。)

技術開発というものは将来を見据えることが難しいと実感します。
こういった官公庁の発注は「仕様書」によってなされるもので、あまり製作者側の意見が通らない傾向があります。
このあたりは取り纏める運用者側の先見性に期待したいところですね。そうでないと無駄な労力を払うことになりかねません。
まあこれは兵器に限らず技術開発の宿命であり、人類は何度も失敗を繰り返しているわけですが。
(官民に限らず、自信の無い人は「前例に従うことが目的化」するが、「守破離」の域に達した人は事の本質を理解する。)

まだまだ開発されるであろう数々の新技術。それを使い、どのような結果を残すのか?。
結局は使う人次第。

さて、「人類」は果たして優秀なのかどうか?品性はどうなのか?

それでは。
返信する
軽トラックの稲妻 様 こんばんは (はるな)
2009-10-04 23:03:45
軽トラックの稲妻 様 こんばんは

潜水艦の命名、海棲動物の名称よりも、まあ、潜水艦の名称でなくともいいのですが、旧海軍の軽巡洋艦、つまり河川名、もともとDEの名称ですが、DEの建造が終了した今、なんとか継承出来ないのかな、と思ったり。AIP潜水艦で大型化する潜水艦に河川名というのは、一つ考えられると思うのですがね。

あがの型潜水艦きたかみ。・・・、駄目?

もうひとつは、都市名。DEに代わる艦、一時期いわれた日本版沿海域戦闘艦、というようなものが有り得て河川名が、その沿海域戦闘艦に応用されるのならば、旧海軍に無かった都市名を、というのもあり得るのかと。

こうべ型潜水艦なごや。・・・、違う?

不遇ですが、陸奥は最後こそ不遇でしたが、世界七大戦艦として長門とともに名を親しまれ、愛された戦艦ということで決して不遇ではなかったのかな、と。ものは云いようですから、最後だけ見れば、旗艦ながら突如潜水艦に襲われた愛宕、戦艦との海戦に敗れた霧島、集中攻撃で紅蓮の炎に呑み込まれた阿武隈、など挙げられますが、しかし、その艦歴は決して不遇ではありませんでした。

・・・、え?信濃?・・・。鳴海章氏が小説にしたんで、幸運、いやなんでもないです。
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