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ロシア-ワグネルがバフムト攻撃中断と撤退開始示唆,第三世代戦車投入のウクライナ春季攻勢前東部戦線

2023-05-06 07:00:17 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 第三世代戦車の威力は九州の戦車乗りの方が鎮西演習に参加した第2師団の90式戦車を日出生台演習場で観た際に驚き、あれがあれば勝てると声を上げた話がありました。

 ロシアの民間軍事会社ワグネルが包囲攻勢を進めるウクライナ東部の都市バフムトから5月10日に撤退することを示唆しました。これはワグネルのプリゴジン代表がバフムト付近の前線基地において撮影した映像での発言であり、どこまでが本心であるかは未知数ですが、過去ワグネルは度々、ロシア軍からの弾薬供給停滞を激しく批判していました。

 バフムトはウクライナ東部の交通要衝の一つであり、ロシア軍は3月中に確保する姿勢を示していました。他方、本物の交通要衝はその25km先のクラマトルスクのようにも見える為、ウクライナはバフムトにロシア軍の攻撃を一手に惹きつけるべく政治的に重要性を喧伝していたのでは、と考えたものですが、実際にロシア冬季攻勢は攻勢限界を迎える。

 ワグネルが懸念するのは、ウクライナ軍が供与を受けているレオパルド2戦車が間もなく開始される春季攻勢に投入され、後方連絡線を遮断される事を警戒しているのかもしれません。バフムト包囲、しかしウクライナ軍がバフムトで徹底抗戦を続けるのは間もなく春季攻勢により、逆に包囲しているロシア軍を逆に殲滅する時機がちかいためともいえます。

 レオパルド2主力戦車の供与と運用開始、これはロシア軍にとり未知の戦車です、いやレオパルド2の試作車は1979年に完成していますので、原型はかなり古い戦車となっているのですが、問題はロシアが西側第三世代戦車と戦闘を行うのが今回初めて、という点です。たとえば日本の74式戦車と90式戦車を比較しても全く次元の異なる装備である。

 第三世代戦車は、とにかく機動力が高い点を特筆します。これは速度がもちろん速いのですが防御力が非常に高い設計であることから、第二世代戦車ならばいったん停止して状況確認を行うところを70km/hで踏破してしまう、通常の鉄板に換算して1000mm相当の厚さに匹敵する装甲を軽量に実現する数種の特殊合金からなる複合装甲の防御力によるもの。

 機甲部隊というものは装甲機動部隊の略称ではあるのですが、第三世代戦車は前線の防御の隙間を見つけだして一気に突破する、データリンクによりばらばらに突破していても敵前で即座に集結する、最前線から50km100km離れていることで油断していると微睡んでいる数十分でいきなり目の前に突っ込んでくる、これが第三世代戦車の怖さなのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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