■潜水艦修理契約
文字にしますと大問題に見えますが事情そのものを理解した上で整理しますと案外別のものが見えてきます。
川崎重工潜水艦修繕費接待疑惑について、防衛省の対応は早いものでした、が調査はこれからです。何しろ防衛費の少なくない部分を川崎重工が担当し陸海空に納入している故に大変なことです。防衛省発表を引用しましょう。防衛省発表は以下の通り。“川崎重工業株式会社からの報告を受けた調査について令和6年7月3日防衛省-”
“令和6年4月、川崎重工業株式会社から、潜水艦修理契約に関して同社と取引先企業との間での架空取引や海上自衛隊員への金品・物品の提供などの不適切な行為の疑いがある旨の一報を受け、以降、海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員規律違反の疑いについて調査を実施しているところです。”
“また並行して、同社と海上自衛隊の間で締結した潜水艦修理契約について、架空取引などに伴い過払いが生じていなかったか、防衛装備庁において臨時調査を実施しているところです。本日、同社から防衛省に対して、潜水艦修理契約に関する架空取引などに係る追加的な税金費用の確定に向けた見通しが立った旨の報告があったことから、”
“防衛省としても調査を加速し、今後、判明した事実関係に基づき厳正に対処してまいります。”とのこと。ドックハウスの事なのではないかなあ、と思うのですが、とくに、金銭の授受ということは問題ですが、調達担当者ではなく乗員に対して行うのでは、別に潜水艦の乗組員が次の潜水艦は三菱製がいいか川崎製がいいのかを決めるわけではない。
労働基準法適用外である船舶乗員、そして特別職国家公務員、なかでも潜水艦は特殊過ぎますし、驚かれるかもしれませんが救命ボートは潜水艦は船舶基準の外側に置かれています、そして艦内気圧は些細な虫歯が破裂するほど過酷な環境で運用されますので、旧海軍などは潜水艦乗員用に温泉保養所を娯楽でなく健康維持のため確保していたほど。
ドックハウス、一般論から言いますと驚かれるかもしれませんが海上自衛隊護衛艦や潜水艦に補給艦などの艦艇は、数年に一回定期検査を行います、自動車の車検と似ているのかもしれませんが、自動車は工場で車検を行うのに対して、潜水艦はじめ艦艇は、船底まで調べるためにドックに入渠します、が、ここまでは必要だ、と理解がありましょう。
入渠に際して、驚かれるでしょうが、当直が置かれています。つまり造船所に入っていますが、護衛艦であり潜水艦であり補給艦であり輸送艦であり掃海艇なのですから、乗員が当直配置を取っています。もちろん、検査に際して機関部も調べますし、入居中は海水の冷却も出来ませんから機関部は止めて、そして電力などは陸上から給電します。
護衛艦はこのように寝泊りしますが、建造中の護衛艦の乗員などは艤装員としてやはり陸上に宿泊します、例えば2隻の護衛艦を想定したドックハウスは500名が寝泊まりできるかなり大きなものでロビーも娯楽室も入浴施設もある。ドックハウスは特に潜水艦は魚雷用弾薬架に乗員を就寝させるほど場所がなく、艦長のみが個室で潜水隊司令さえも個室が無い潜水艦、入居中に作業用ケーブルが出入りする状況ではとても艦内で通常通り生活などは出来ません。
潜水艦乗員はこの為に神戸ではドックハウス、犬小屋ではなく入渠施設としてのドックハウスで、別に犬小屋生活を強いられている訳では無い、ここで生活します。そして、これは呉基地の海上自衛隊広報館てつのくじら館を見学しますとわかりますが、潜水艦の食事は、なにしろ日光浴さえできず娯楽が無いため、多めに確保されてきました。
ドックハウスでの潜水艦乗員の日常水準の食事と、それから入渠作業完了時の祝賀会食、メーカー側の持ち出しが多くなった背景にはこういうところがあるのではないか。ドックハウスを自衛隊が運営する事ができればよいのですが、最寄りの基地は海上自衛隊阪神基地、同じ神戸市内なのですが会場を直線距離で8km程離れているのですね。
今回問題視される状況を冠が見ますと、例えば新長田かポートアイランドのあたりに分遣基地を置くか阪神基地の西庁舎として用地を確保し、自衛隊が運営するドックハウスを新設するという選択肢と、祝賀会食などは護衛艦新造時にも行われているのですから、もう少ししっかりとした別枠での予算措置を執ってはどうか、ということです。現状、ドックハウスでの居住は修繕費に含まれているのだから。
時代は既に令和、過酷な勤務を考えるならば必要性は理解するのですが、大雑把な一括りはゆるされません、不明瞭な会計は許されない時代なのですから、飲食費や祝賀会食の費用はしっかりと、架空請求の様なもので裏金とするのではなく明細を示し、寧ろ必要なのは、何故ドックハウスや祝賀会食が必要なのかという事を明白に説明することにあるよう思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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文字にしますと大問題に見えますが事情そのものを理解した上で整理しますと案外別のものが見えてきます。
川崎重工潜水艦修繕費接待疑惑について、防衛省の対応は早いものでした、が調査はこれからです。何しろ防衛費の少なくない部分を川崎重工が担当し陸海空に納入している故に大変なことです。防衛省発表を引用しましょう。防衛省発表は以下の通り。“川崎重工業株式会社からの報告を受けた調査について令和6年7月3日防衛省-”
“令和6年4月、川崎重工業株式会社から、潜水艦修理契約に関して同社と取引先企業との間での架空取引や海上自衛隊員への金品・物品の提供などの不適切な行為の疑いがある旨の一報を受け、以降、海上幕僚監部に一般事故調査委員会を立ち上げ、潜水艦修理契約における不適切な行為及び隊員規律違反の疑いについて調査を実施しているところです。”
“また並行して、同社と海上自衛隊の間で締結した潜水艦修理契約について、架空取引などに伴い過払いが生じていなかったか、防衛装備庁において臨時調査を実施しているところです。本日、同社から防衛省に対して、潜水艦修理契約に関する架空取引などに係る追加的な税金費用の確定に向けた見通しが立った旨の報告があったことから、”
“防衛省としても調査を加速し、今後、判明した事実関係に基づき厳正に対処してまいります。”とのこと。ドックハウスの事なのではないかなあ、と思うのですが、とくに、金銭の授受ということは問題ですが、調達担当者ではなく乗員に対して行うのでは、別に潜水艦の乗組員が次の潜水艦は三菱製がいいか川崎製がいいのかを決めるわけではない。
労働基準法適用外である船舶乗員、そして特別職国家公務員、なかでも潜水艦は特殊過ぎますし、驚かれるかもしれませんが救命ボートは潜水艦は船舶基準の外側に置かれています、そして艦内気圧は些細な虫歯が破裂するほど過酷な環境で運用されますので、旧海軍などは潜水艦乗員用に温泉保養所を娯楽でなく健康維持のため確保していたほど。
ドックハウス、一般論から言いますと驚かれるかもしれませんが海上自衛隊護衛艦や潜水艦に補給艦などの艦艇は、数年に一回定期検査を行います、自動車の車検と似ているのかもしれませんが、自動車は工場で車検を行うのに対して、潜水艦はじめ艦艇は、船底まで調べるためにドックに入渠します、が、ここまでは必要だ、と理解がありましょう。
入渠に際して、驚かれるでしょうが、当直が置かれています。つまり造船所に入っていますが、護衛艦であり潜水艦であり補給艦であり輸送艦であり掃海艇なのですから、乗員が当直配置を取っています。もちろん、検査に際して機関部も調べますし、入居中は海水の冷却も出来ませんから機関部は止めて、そして電力などは陸上から給電します。
護衛艦はこのように寝泊りしますが、建造中の護衛艦の乗員などは艤装員としてやはり陸上に宿泊します、例えば2隻の護衛艦を想定したドックハウスは500名が寝泊まりできるかなり大きなものでロビーも娯楽室も入浴施設もある。ドックハウスは特に潜水艦は魚雷用弾薬架に乗員を就寝させるほど場所がなく、艦長のみが個室で潜水隊司令さえも個室が無い潜水艦、入居中に作業用ケーブルが出入りする状況ではとても艦内で通常通り生活などは出来ません。
潜水艦乗員はこの為に神戸ではドックハウス、犬小屋ではなく入渠施設としてのドックハウスで、別に犬小屋生活を強いられている訳では無い、ここで生活します。そして、これは呉基地の海上自衛隊広報館てつのくじら館を見学しますとわかりますが、潜水艦の食事は、なにしろ日光浴さえできず娯楽が無いため、多めに確保されてきました。
ドックハウスでの潜水艦乗員の日常水準の食事と、それから入渠作業完了時の祝賀会食、メーカー側の持ち出しが多くなった背景にはこういうところがあるのではないか。ドックハウスを自衛隊が運営する事ができればよいのですが、最寄りの基地は海上自衛隊阪神基地、同じ神戸市内なのですが会場を直線距離で8km程離れているのですね。
今回問題視される状況を冠が見ますと、例えば新長田かポートアイランドのあたりに分遣基地を置くか阪神基地の西庁舎として用地を確保し、自衛隊が運営するドックハウスを新設するという選択肢と、祝賀会食などは護衛艦新造時にも行われているのですから、もう少ししっかりとした別枠での予算措置を執ってはどうか、ということです。現状、ドックハウスでの居住は修繕費に含まれているのだから。
時代は既に令和、過酷な勤務を考えるならば必要性は理解するのですが、大雑把な一括りはゆるされません、不明瞭な会計は許されない時代なのですから、飲食費や祝賀会食の費用はしっかりと、架空請求の様なもので裏金とするのではなく明細を示し、寧ろ必要なのは、何故ドックハウスや祝賀会食が必要なのかという事を明白に説明することにあるよう思います。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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