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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ヴォフチャンスク市街戦概況とロシア軍損耗部隊交代,新しい焦点スタロマイオルスケ

2024-06-19 07:00:27 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こうした攻撃の状況には兎に角数としての戦車が必要なのだと思うのですけれども。

 ヴォフチャンスク市街戦の概況について、ISWアメリカ戦争研究所は6月16日付戦況報告において市街地北部の石材工場に陣地占領したロシア軍部隊に対しウクライナ軍が激しく攻撃を加えていると景況を示しています。この状況はロシア軍がウクライナ軍分断を図り突出した地点が逆に孤立している典型的な状況となっているもよう。

 石材工場の一部にロシア軍部隊は陣地を維持しているとのことですが、ここにウクライナ軍が再度攻撃を集中させており、16日の段階でロシア軍は死傷者を含む200名が孤立している状況にあるとのこと。ヴォフチャンスク突出部とともにこの数日間、ロシア軍の行動に変化が生じており、この変化はウクライナ軍の反撃に好影響を与えている。

 クレミンナ近郊ではウクライナ軍旅団が24時間で2kmに渡り領土奪還に成功したともISWは報告しています。この24時間での新しい焦点はスタロマイオルスケ、ザポリージャ州とドネツク州の境界地域で、ここにはロシア軍が最大54発の滑空誘導爆弾を短時間で投下しており、今後この地域での航空攻撃が激化する懸念があるとのこと。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こういう浮動した状況こそ火力が有れば付け入る事が出来るのですけれども。

 ヴォフチャンスク戦区においてロシア軍が損耗部隊交代を始めている、ISWアメリカ戦争研究所が6月17日に発表した戦況報告によればウクライナ軍ハリコフ管区報道官ポポフ大佐の発表として、ロシア軍はヴォフチャンスク戦区において損耗の激しい部隊を新部隊へ転換しているとしています、また同様にリプシ戦区でも同様の動きがある、と。

 太平洋艦隊第155海軍歩兵旅団、レニングラード軍管区第11軍団隷下の第18ライフル師団がヴォフチャンスク戦区に新戦力として投入されているという交代部隊はロシア中からかき集められた構図で、第6諸兵科連合軍隷下の第138自動車化狙撃旅団もリプシ戦区かヴォフチャンスク戦区に異動しようとしている兆候があるもよう。

 ヴォフチャンスク戦区の新戦力は、ハリコフ州と国境を接するロシア軍部隊に動きが生じ始めている事を示しています。ただ、ロシア軍攻撃はこのヴォフチャンスク戦区に集中されたものではなく、チャシブヤール近郊でもクリシチフカとアンドリイフカ付近でロシア軍の行動が活性化しているとウクライナ軍広報官ヴォロシン中佐の発言がある。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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