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【京都幕間旅情】東福寺,京都五山の大伽藍を鳥羽街道と三門から洗玉澗は通天橋へと散策する

2020-06-10 20:18:20 | 写真
■通天橋と新緑溢れる洗玉澗
 東福寺、一駅歩いて大伽藍。京都散歩の醍醐味は少しだけの時間を散策にわけることで不思議な日常を感じられるところでしょうか。

 東福寺、臨済宗東福寺派大本山であり京都市東山区本町に所在します広大な伽藍を湛えた寺院です。京阪電鉄鳥羽街道駅からJR奈良線東福寺駅へ。実のところ寺院探訪と云いますと敷居の高い、と誤解される方も居ますが、此処は一つ京都の散歩道という一つ趣にて。

 京都五山の第四位の禅寺、こう列せられます東福寺ですが拝観は広く迎えられていまして、別と拝観料を納めずとも山門を潜る事が出来ます。その一つの風情が、大阪から京都までを新快速ではなく敢えて京阪本線にて鳥羽街道駅で一旦下車する、という遠回りの経路で。

 奈良線東福寺駅までは、丁度と京阪鳥羽街道駅から山手を上りまして東福寺の釈迦如来御本尊の前を心で拝みつつ、そして通天橋を渡り少し参道のあたりを抜けてゆきますと奈良線の東福寺駅でしてひとときの珈琲くらいの時間で京都五山を散策できるという風情です。

 九条道家を開山に寛元元年こと西暦1243年に建立なりましたお寺は、鳥羽街道駅から少し山を上った所に位置していまして、実はこの駅から上った所には光明院という美しい庭園を湛える塔頭寺院も静かに佇んでいるのですが、こちらは時間のある時に拝観料を納めて。

 三門は応永年間の西暦1425年に造営されたもので、これは火災により焼失した門を時の将軍足利義持が再建したものという。三門は再建されたものとはいえ現存する禅寺三門としては日本最古のものといいまして、上層に釈迦如来と十六羅漢を安置する折衷様という。

 拝観の時間がある場合は、ここで拝観料を納めまして奥の方へ進みます。京都五山という事でやはり広大な伽藍が続きます東福寺の拝観は一つ廻るだけでも一時間は要するものでして、ここは時間に余裕があるときにゆっくりと仏教世界に触れてゆきたいところですね。

 文永年間の西暦1273年にこの東福寺が完成した頃には五重塔をも備えた大伽藍が丁度先程の鳥羽街道駅からこの京都駅側の東福寺駅のあたりまで広がっていたといいます。もっとも元応元年の西暦1319年に大火災に見舞われまして、建立当初の大伽藍は現存しません。

 五重塔、京都駅から望見できる現存する最も高い当時の五重塔などが有名ですが最盛期には100mを越える仏塔もあったといいまして、実は永らく京都は首都であると共に仏塔という高層建築物の林立する日本の最先端大都市、という位置づけとなっているのですね。

 兼学寺院。これは専ら仏教経典と研究と仏典収集とそして継承に当る寺院を示すのですが、創建当初の東福寺は兼学寺院と位置づけられていまして、これが再建に際しまして禅寺となりました、京都五山に列せられています背景には此処で禅寺となった、そんな歴史も。

 通天橋。山門は夕刻にはその門扉を閉ざされてしまいまして、この散歩道もあまり遅く行きますと通る事も出来ません、しかし通天橋は通年通夜で通行する事が出来まして、四季折々の風景を眺める事が出来ます、ここは境内の渓谷である洗玉澗に架けられた橋廊です。

 洗玉澗の木々は紅葉の季節などには鮮やかな季節の彩を一望できる絶景ではあるのですが、ここは元々洗玉澗を上り下りして移動する難しさから架橋されたといい、禅寺として苦行第一となるよりも前の、兼学寺院として研究と修学の寺院であった頃の名残りといえる。

 奈良線の東福寺駅、京阪電車はそのまま京阪三条と中心部の方へ向ってゆきますので、京都駅へ向われる際にはこの東福寺駅で乗り換えます。いや東福寺駅は京阪本線東福寺駅とも隣同士ですので散策せずそのまま乗換が早いのですが、散策の心の余裕、大事にしたいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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