■週報:世界の防衛,最新11論点
今週は海軍関連の話題を中心に空母護衛や艦載機と最新フリゲイト建造や中古艦供与など11の話題を。日本のヘリコプター搭載護衛艦の様なイージス艦の護衛は貴重という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/64/5c80f20ebe81e8644cc515a625a3da21.jpg)
フランス海軍は原子力空母シャルルドゴール艦隊防空に当るフォルバン級駆逐艦の補完にアメリカ海軍の支援を期待しているとのこと。フォルバン級は2隻のみであり、搭載するアスター30艦対空ミサイルは48発、フォルバン級に続いて建造されるアキテーヌ級防空型はアルザス、ロレーヌ共に2021年竣工であり、艦隊防空に限界が生じている状況です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/9b/2d8866460002764eecc1ac2fe38ebf1e.jpg)
シャルルドゴール艦隊防空という問題が浮上したのは、フランス海軍が計画する南シナ海海域への警戒監視任務の際、強力な対艦攻撃能力を持つ中国海軍の恫喝に現在のフォルバン級2隻では限界が指摘される為です。しかしここにアメリカ海軍がアーレイバーク級ミサイル駆逐艦を1隻増援する事で艦隊防空は大きく改善するという、実利優先の視点です。
■空母カブールF-35B運用試験
イタリア海軍の空母カブールへF-35B搭載が実現します、いよいよハリアーの後継機配備がイタリアで始まる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/4e/7a56cac69686ffa3e6766c67c5ee0649.jpg)
イタリア海軍は空母カブールへのアメリカ海兵隊支援による第五世代機F-35B戦闘機搭載試験を成功裏に完了しました。この一連の試験はアメリカ海軍がパタクセントリバー基地より派遣した支援要員を空母カブールへ乗艦させ五週間にわたる評価試験を実施し、空母カブールの各種装備や要員訓練規模がF-35B運用水準に達していると判断したものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/ad/c359730f5a35ae8dd4c0dd770a93ca7f.jpg)
カブール艦上での試験はスキージャンプ台からの発艦試験が115回、垂直着艦試験は120回、そして短距離滑走を含まない垂直発艦試験2回を実施し、この際の飛行甲板への高熱噴射や発着滑走にともなう衝撃への船体強度の検証や各種電子機器への影響は勿論、航法機器や航空管制装置、F-35Bとのデータリンク能力の整合性などの試験も含むものでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/15/381e73bec9b8390bebce78f3c050a3e8.jpg)
F-35Bによる試験はアメリカ海兵隊のアビエイターが操縦しての試験は勿論、イタリア海軍のアビエイターによる試験も含まれており、これら一連の試験は四月にも作戦能力証明を得て、初度作戦能力を獲得します。空母カブールは2004年に竣工、現在は16機のハリアー攻撃機を搭載しますが、これにより15機のF-35Bへ置き換わるのも近いでしょう。
■ギリシャへ暫定艦艇提供
日本はインドネシアへ護衛艦輸出の交渉が始まっていますが、先ずは旧式艦を輸出してはと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/20/9d532dece88053f216c1fd16066ddbc8.jpg)
フランス政府はフリゲイト売却および暫定艦艇提供についてギリシャ政府との間で会談を行いました。これは3月25日、ギリシャを訪問したフランスのフロランス・パルリ国防大臣がギリシャ政府との会談に際し提示したもので、フランス政府はギリシャ建国200周年記念に際しギリシャへ供給するラファール戦闘機を飛行させるなど、関係を強めている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/18/e77d1c3ceed1644822191b9430162ea5.jpg)
アミラルロナルク級、フランス政府がギリシャへ輸出を構想しているフリゲイトは提督級と呼ばれる最新型の水上戦闘艦でフランス海軍の防衛介入水上戦闘艦構想として建造が進められている満載排水量4460tのフリゲイトで、フランスでは現在5隻の建造を計画、一番艦アミラルロナルクは2023年竣工予定で、5番艦までが2029年に就役する計画です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/16/114c685bd2aff82d305cb11e58da658e.jpg)
ギリシャ海軍はアミラルロナルク級4隻と、その竣工までに暫定的なフランス海軍中古艦の提供を提案されていて、アミラルロナルク級は76mm艦砲とエクゾセ3Cミサイル8発、16発のアスターミサイルや2MU90対潜魚雷、またNH-90ヘリコプターを1機搭載可能で、乗員は140名、更に10名の海兵隊員が乗艦し長期間の哨戒任務に当る設計です。
■カサール級ミサイル駆逐艦
ギリシャへの暫定艦は日本の護衛艦はたかぜ型の同世代に当るカサール級ミサイル駆逐艦が検討されているもよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/c7/0aa618991563448f3a8bfd8f91e56959.jpg)
フランス政府がギリシャ政府と行ったフリゲイト売却および暫定艦艇提供について暫定艦艇はカサール級ミサイル駆逐艦とが含まれると判明しました。これは仮にギリシャ政府がフランス海軍が売り込むアミラルロナルク級を採用した場合に引渡しまで最短七年を要する為にギリシャ海軍の戦力を維持する暫定艦が必要であるため、提案されたものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/7b/b6a75fc7b6e6dd32b0c28ce5cad1e84b.jpg)
カサール級ミサイル駆逐艦は1985年と1988年に2隻が竣工したミサイル駆逐艦でターターミサイルシステムとMk13ミサイル発射装置を搭載、満載排水量は5060t、ディーゼルエンジンにより推進します。暫定艦に含まれたのはフランスが防空艦を提案した為で、フランスにはこの他に防空艦は最新のフォルバン級2隻しか無く、こちらは提供できません。
■ジョルジュレイグ級駆逐艦
フランスはギリシャへジョルジュレイグ級駆逐艦も輸出するといい、在庫一掃という印象が無くもありませんね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/42/49a219346c07d09e4f587a9cbd047d35.jpg)
フランス政府がギリシャへアミラルロナルク級フリゲイトを輸出する交渉でフランスがつなぎに提案する水上戦闘艦にジョルジュレイグ級駆逐艦が含まれていると判明しました。アミラルロナルク級フリゲイトは建造に時間が掛かる為、防空艦に加え対潜艦を提示した為ですが、供与できる艦がフランスにはジョルジュレイグ級駆逐艦しかあありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/81/04174377a6724166ac9e46198c63030e.jpg)
ジョルジュレイグ級駆逐艦は1979年から1990年にかけ7隻を建造した駆逐艦で満載排水量は4830t、海上自衛隊の護衛艦あさぎり型に匹敵する大きさです。100mm艦砲とエクゾセミサイル8発、固有の対潜兵装は魚雷のみですがリンクス対潜ヘリコプター2機を搭載しています。またフランスはギリシャ海軍旧式艦の近代化改修支援も提案しているもよう。
■アルジュバイル級コルベット
アルジュバイル級コルベットはアバンテ2000型コルベットのサウジアラビア仕様で護衛艦いしかり以上あぶくま未満という大きさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/01/c600afde9d224744a2b1b561896d2a5e.jpg)
サウジアラビア海軍が発注したアルジュバイル級コルベット三番艦のハイルがスペインのサンフェルドにありますナバンティア造船所にて3月29日、進水式を迎えました。進水式は30日予定でしたが荒天を避けた形。ハイルはサウジアラビア北部の年名で、サウジアラビア海軍は本型を5隻導入する計画です。アルジュバイル級はアバンテ2000型の一つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/dd/18d1a61f884cb2cb9cf51967d388fac8.jpg)
アバンテ2000型コルベットはスペインのナバンティア社が輸出用に開発した小型水上戦闘艦で建造費は5隻で20億ユーロ、満載排水量は2419t、タレスSMART-SMk-2レーダーを搭載、武装はOTOメララ社製76mm艦砲一門とエリコンミレニアム35mm機関砲一門、及び12.7mm機銃二丁を搭載し、航空機格納庫と飛行甲板を有し最高速力は24ノットです。
■巡洋艦フィリピンシー
巡洋艦は大きいとはいえCOVID-19が一旦まん延すると厄介だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/fd/682c77e977f407fc092ff27606f63cbd.jpg)
アメリカ海軍ミサイル巡洋艦フィリピンシーがCOVID-19被害から作戦能力を回復しました。これは公開中のフィリピンシー艦内において大規模な感染拡大が発覚し、急遽緊急入港が必要となる事案がありました、フィリピンシーは2月26日、友好国バーレーンが寄港を許可し、第五艦隊支援とバーレーン保健省当局の検疫及び医療隔離支援を受けている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/65/63496abc7a5f46911dacd7bac7a1b343.jpg)
フィリピンシーの感染拡大規模がどの程度であったかは発表されていませんが、作戦航海に支障が生じる規模であった事は確かであり、感染者と濃厚接触者の隔離に寄港を必要としていました。しかし入港と共に乗員の半数以上がモデルナ製コロナワクチンの接種を受け、一部の乗員は二度目の接種も受けられたとの事、改めてこの感染症の危険が分ります。
■海洋観測艦VC-11184
日本ではミサイル防衛へイージス艦を動員しますがミサイル開発にはこうした専用艦という選択肢もあるのですね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/4a/8f4ac2eae0ee92ec954ccd55d0c6e2dc.jpg)
インド海軍は弾道ミサイル追跡用の海洋観測艦VC-11184を受領したとのこと。海洋観測艦VC-11184はインド国内のヒンディスタンシプヤード社において2014年から建造が進められており、2020年10月より公試が行われていたが、建造計画全般は新型コロナウィルスCOVID-19により遅延していた。建造費は2億3000万ドル規模であったとされている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/35/23493385664258fcab7b8a9db33e44b4.jpg)
海洋観測艦VC-11184は全長175mといい、排水量は公開されていないが10000t以上あると考えられ、Xバンド周波数帯域のAESAレーダーとSバンド種は数帯のAESAレーダーを搭載、インド海軍とDRDO国防研究開発機構で共同運用される。弾道ミサイル追跡艦はアメリカ海軍やロシア海軍、フランス海軍や中国軍で運用されているが、インドが加わる。
■MMSC多機能フリゲイト
ギリシャ海軍の将来水上戦闘艦計画は大規模という印象でエーゲ海を巡るトルコとの緊張は財政問題を度外視させているもよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/88/62fa44031bfce453933c70ae0fe15300.jpg)
ギリシャ海軍はMMSC多機能フリゲイト建造へLCS沿海域戦闘艦の経験を有するアメリカのロッキードマーティン社との間で交渉を進めているとの事です。これは3月20日にロッキードマーティン社が発表したもので、建造されるMMSC多機能フリゲイトはLCS沿海域戦闘艦の派生型になるとのこと。LCS沿海域戦闘艦の輸出は初の事例となる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/b4/909508228a8f049289f6e00709977a5e.jpg)
MMSC多機能フリゲイト建造は8隻が見込まれており、LCS沿海域戦闘艦に対艦ミサイル等を搭載した重武装型が提案されている模様、ロッキードマーティン社はギリシャ海軍の運用する在来型水上戦闘艦艇と云うべきMEKOフリゲイトとの協同が可能であるとともにLCSは高速で軽金属を多用する設計ですが、ギリシャ国内で生産できるとしています。
■MCM機雷戦艦用無人艇
水中無人機母艦と云うべきMCM機雷戦艦用の無人艇が確定したもよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/f9/6807cd7446efab6da09758cd5b7ea02c.jpg)
オランダ海軍とベルギー海洋軍が導入計画を進めるMCM機雷戦艦用無人艇についてECAグループのインスペクター125の搭載が決定しました。MCM機雷戦艦は複数の機雷掃討艇と無人航空機を運用する無人機母艦というべき新しい掃海艦艇で、自らは危険海域まで進出する事無く各種無人機を管制するという新しい時代の機雷戦艦艇となっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/bd/14dc3fe83334187cd769804f3481ceec.jpg)
インスペクター125は全長12.3m、エンジン二基とウォータージェット二基が装備されており最高速力は25ノットと既存の無人掃海装置と比較し格段に速く、シーステート4の海象下で48時間の任務遂行が可能という。船体は機雷の爆発に耐え、機雷掃討用にはAUV自律型水中無人機、T-18/LARS曳航ソナー、ROV遠隔操作探査装置を搭載しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/7c/10b2b8c5cfeaa1f8d0fe42491fedc365.jpg)
MCM機雷戦艦用無人艇を発進したインスペクター125は25ノットで機雷原へ前進、到着するとT-18/LARS曳航ソナーを8ノットて展開、発見した機雷を機雷処分弾薬で破壊します。MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが二カ国で12隻を導入する計画ですが、インスペクター125は17隻の導入が予定されており、一隻あたり複数隻を搭載する計画です。
■イランホバークラフト部隊
日本のLCACのようなものではなく数名用の哨戒艇の様なもので速力はありますので、各国艦艇の周りに展開します。近年はカスピ海資源を巡ロシアと緊張が続く。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/a9/20bb1338c5f619b93a953225a6f64c96.jpg)
イラン海軍は3月下旬に国産ホバークラフト部隊を新編する、海軍のホセインカンリディ提督が発表した。ホバークラフトは大型のものではなく、イラン海軍が現在多数を運用する武装モーターボートを補完するものとみられ、イラン海軍では水陸両用部隊の偵察用や対戦車ミサイル等を搭載しホルムズ海峡などでの哨戒任務に充てるものと考えられる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/58/1ed658e6388add82ee1ffe19205fca16.jpg)
国産ホバークラフト部隊は、イラン海軍が掲げる海軍近代化の一環と位置付けられ、ここ最近、イラン海軍はタンカーの上甲板に鉄板を敷き航空母艦完成を宣言、ミサイル艇やフリゲイトを国産化し空母機動部隊の建設を急いでいる。ホバークラフトの用途は今一つ未知数だが、イラン政府はこれまでに海軍装備を100%国産装備で固める意向を示していた。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今週は海軍関連の話題を中心に空母護衛や艦載機と最新フリゲイト建造や中古艦供与など11の話題を。日本のヘリコプター搭載護衛艦の様なイージス艦の護衛は貴重という。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/64/5c80f20ebe81e8644cc515a625a3da21.jpg)
フランス海軍は原子力空母シャルルドゴール艦隊防空に当るフォルバン級駆逐艦の補完にアメリカ海軍の支援を期待しているとのこと。フォルバン級は2隻のみであり、搭載するアスター30艦対空ミサイルは48発、フォルバン級に続いて建造されるアキテーヌ級防空型はアルザス、ロレーヌ共に2021年竣工であり、艦隊防空に限界が生じている状況です。
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シャルルドゴール艦隊防空という問題が浮上したのは、フランス海軍が計画する南シナ海海域への警戒監視任務の際、強力な対艦攻撃能力を持つ中国海軍の恫喝に現在のフォルバン級2隻では限界が指摘される為です。しかしここにアメリカ海軍がアーレイバーク級ミサイル駆逐艦を1隻増援する事で艦隊防空は大きく改善するという、実利優先の視点です。
■空母カブールF-35B運用試験
イタリア海軍の空母カブールへF-35B搭載が実現します、いよいよハリアーの後継機配備がイタリアで始まる。
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イタリア海軍は空母カブールへのアメリカ海兵隊支援による第五世代機F-35B戦闘機搭載試験を成功裏に完了しました。この一連の試験はアメリカ海軍がパタクセントリバー基地より派遣した支援要員を空母カブールへ乗艦させ五週間にわたる評価試験を実施し、空母カブールの各種装備や要員訓練規模がF-35B運用水準に達していると判断したものです。
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カブール艦上での試験はスキージャンプ台からの発艦試験が115回、垂直着艦試験は120回、そして短距離滑走を含まない垂直発艦試験2回を実施し、この際の飛行甲板への高熱噴射や発着滑走にともなう衝撃への船体強度の検証や各種電子機器への影響は勿論、航法機器や航空管制装置、F-35Bとのデータリンク能力の整合性などの試験も含むものでした。
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F-35Bによる試験はアメリカ海兵隊のアビエイターが操縦しての試験は勿論、イタリア海軍のアビエイターによる試験も含まれており、これら一連の試験は四月にも作戦能力証明を得て、初度作戦能力を獲得します。空母カブールは2004年に竣工、現在は16機のハリアー攻撃機を搭載しますが、これにより15機のF-35Bへ置き換わるのも近いでしょう。
■ギリシャへ暫定艦艇提供
日本はインドネシアへ護衛艦輸出の交渉が始まっていますが、先ずは旧式艦を輸出してはと思う。
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フランス政府はフリゲイト売却および暫定艦艇提供についてギリシャ政府との間で会談を行いました。これは3月25日、ギリシャを訪問したフランスのフロランス・パルリ国防大臣がギリシャ政府との会談に際し提示したもので、フランス政府はギリシャ建国200周年記念に際しギリシャへ供給するラファール戦闘機を飛行させるなど、関係を強めている。
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アミラルロナルク級、フランス政府がギリシャへ輸出を構想しているフリゲイトは提督級と呼ばれる最新型の水上戦闘艦でフランス海軍の防衛介入水上戦闘艦構想として建造が進められている満載排水量4460tのフリゲイトで、フランスでは現在5隻の建造を計画、一番艦アミラルロナルクは2023年竣工予定で、5番艦までが2029年に就役する計画です。
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ギリシャ海軍はアミラルロナルク級4隻と、その竣工までに暫定的なフランス海軍中古艦の提供を提案されていて、アミラルロナルク級は76mm艦砲とエクゾセ3Cミサイル8発、16発のアスターミサイルや2MU90対潜魚雷、またNH-90ヘリコプターを1機搭載可能で、乗員は140名、更に10名の海兵隊員が乗艦し長期間の哨戒任務に当る設計です。
■カサール級ミサイル駆逐艦
ギリシャへの暫定艦は日本の護衛艦はたかぜ型の同世代に当るカサール級ミサイル駆逐艦が検討されているもよう。
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フランス政府がギリシャ政府と行ったフリゲイト売却および暫定艦艇提供について暫定艦艇はカサール級ミサイル駆逐艦とが含まれると判明しました。これは仮にギリシャ政府がフランス海軍が売り込むアミラルロナルク級を採用した場合に引渡しまで最短七年を要する為にギリシャ海軍の戦力を維持する暫定艦が必要であるため、提案されたものです。
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カサール級ミサイル駆逐艦は1985年と1988年に2隻が竣工したミサイル駆逐艦でターターミサイルシステムとMk13ミサイル発射装置を搭載、満載排水量は5060t、ディーゼルエンジンにより推進します。暫定艦に含まれたのはフランスが防空艦を提案した為で、フランスにはこの他に防空艦は最新のフォルバン級2隻しか無く、こちらは提供できません。
■ジョルジュレイグ級駆逐艦
フランスはギリシャへジョルジュレイグ級駆逐艦も輸出するといい、在庫一掃という印象が無くもありませんね。
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フランス政府がギリシャへアミラルロナルク級フリゲイトを輸出する交渉でフランスがつなぎに提案する水上戦闘艦にジョルジュレイグ級駆逐艦が含まれていると判明しました。アミラルロナルク級フリゲイトは建造に時間が掛かる為、防空艦に加え対潜艦を提示した為ですが、供与できる艦がフランスにはジョルジュレイグ級駆逐艦しかあありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/81/04174377a6724166ac9e46198c63030e.jpg)
ジョルジュレイグ級駆逐艦は1979年から1990年にかけ7隻を建造した駆逐艦で満載排水量は4830t、海上自衛隊の護衛艦あさぎり型に匹敵する大きさです。100mm艦砲とエクゾセミサイル8発、固有の対潜兵装は魚雷のみですがリンクス対潜ヘリコプター2機を搭載しています。またフランスはギリシャ海軍旧式艦の近代化改修支援も提案しているもよう。
■アルジュバイル級コルベット
アルジュバイル級コルベットはアバンテ2000型コルベットのサウジアラビア仕様で護衛艦いしかり以上あぶくま未満という大きさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/01/c600afde9d224744a2b1b561896d2a5e.jpg)
サウジアラビア海軍が発注したアルジュバイル級コルベット三番艦のハイルがスペインのサンフェルドにありますナバンティア造船所にて3月29日、進水式を迎えました。進水式は30日予定でしたが荒天を避けた形。ハイルはサウジアラビア北部の年名で、サウジアラビア海軍は本型を5隻導入する計画です。アルジュバイル級はアバンテ2000型の一つ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/dd/18d1a61f884cb2cb9cf51967d388fac8.jpg)
アバンテ2000型コルベットはスペインのナバンティア社が輸出用に開発した小型水上戦闘艦で建造費は5隻で20億ユーロ、満載排水量は2419t、タレスSMART-SMk-2レーダーを搭載、武装はOTOメララ社製76mm艦砲一門とエリコンミレニアム35mm機関砲一門、及び12.7mm機銃二丁を搭載し、航空機格納庫と飛行甲板を有し最高速力は24ノットです。
■巡洋艦フィリピンシー
巡洋艦は大きいとはいえCOVID-19が一旦まん延すると厄介だ。
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アメリカ海軍ミサイル巡洋艦フィリピンシーがCOVID-19被害から作戦能力を回復しました。これは公開中のフィリピンシー艦内において大規模な感染拡大が発覚し、急遽緊急入港が必要となる事案がありました、フィリピンシーは2月26日、友好国バーレーンが寄港を許可し、第五艦隊支援とバーレーン保健省当局の検疫及び医療隔離支援を受けている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/65/63496abc7a5f46911dacd7bac7a1b343.jpg)
フィリピンシーの感染拡大規模がどの程度であったかは発表されていませんが、作戦航海に支障が生じる規模であった事は確かであり、感染者と濃厚接触者の隔離に寄港を必要としていました。しかし入港と共に乗員の半数以上がモデルナ製コロナワクチンの接種を受け、一部の乗員は二度目の接種も受けられたとの事、改めてこの感染症の危険が分ります。
■海洋観測艦VC-11184
日本ではミサイル防衛へイージス艦を動員しますがミサイル開発にはこうした専用艦という選択肢もあるのですね。
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インド海軍は弾道ミサイル追跡用の海洋観測艦VC-11184を受領したとのこと。海洋観測艦VC-11184はインド国内のヒンディスタンシプヤード社において2014年から建造が進められており、2020年10月より公試が行われていたが、建造計画全般は新型コロナウィルスCOVID-19により遅延していた。建造費は2億3000万ドル規模であったとされている。
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海洋観測艦VC-11184は全長175mといい、排水量は公開されていないが10000t以上あると考えられ、Xバンド周波数帯域のAESAレーダーとSバンド種は数帯のAESAレーダーを搭載、インド海軍とDRDO国防研究開発機構で共同運用される。弾道ミサイル追跡艦はアメリカ海軍やロシア海軍、フランス海軍や中国軍で運用されているが、インドが加わる。
■MMSC多機能フリゲイト
ギリシャ海軍の将来水上戦闘艦計画は大規模という印象でエーゲ海を巡るトルコとの緊張は財政問題を度外視させているもよう。
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ギリシャ海軍はMMSC多機能フリゲイト建造へLCS沿海域戦闘艦の経験を有するアメリカのロッキードマーティン社との間で交渉を進めているとの事です。これは3月20日にロッキードマーティン社が発表したもので、建造されるMMSC多機能フリゲイトはLCS沿海域戦闘艦の派生型になるとのこと。LCS沿海域戦闘艦の輸出は初の事例となる。
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MMSC多機能フリゲイト建造は8隻が見込まれており、LCS沿海域戦闘艦に対艦ミサイル等を搭載した重武装型が提案されている模様、ロッキードマーティン社はギリシャ海軍の運用する在来型水上戦闘艦艇と云うべきMEKOフリゲイトとの協同が可能であるとともにLCSは高速で軽金属を多用する設計ですが、ギリシャ国内で生産できるとしています。
■MCM機雷戦艦用無人艇
水中無人機母艦と云うべきMCM機雷戦艦用の無人艇が確定したもよう。
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オランダ海軍とベルギー海洋軍が導入計画を進めるMCM機雷戦艦用無人艇についてECAグループのインスペクター125の搭載が決定しました。MCM機雷戦艦は複数の機雷掃討艇と無人航空機を運用する無人機母艦というべき新しい掃海艦艇で、自らは危険海域まで進出する事無く各種無人機を管制するという新しい時代の機雷戦艦艇となっています。
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インスペクター125は全長12.3m、エンジン二基とウォータージェット二基が装備されており最高速力は25ノットと既存の無人掃海装置と比較し格段に速く、シーステート4の海象下で48時間の任務遂行が可能という。船体は機雷の爆発に耐え、機雷掃討用にはAUV自律型水中無人機、T-18/LARS曳航ソナー、ROV遠隔操作探査装置を搭載しています。
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MCM機雷戦艦用無人艇を発進したインスペクター125は25ノットで機雷原へ前進、到着するとT-18/LARS曳航ソナーを8ノットて展開、発見した機雷を機雷処分弾薬で破壊します。MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが二カ国で12隻を導入する計画ですが、インスペクター125は17隻の導入が予定されており、一隻あたり複数隻を搭載する計画です。
■イランホバークラフト部隊
日本のLCACのようなものではなく数名用の哨戒艇の様なもので速力はありますので、各国艦艇の周りに展開します。近年はカスピ海資源を巡ロシアと緊張が続く。
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イラン海軍は3月下旬に国産ホバークラフト部隊を新編する、海軍のホセインカンリディ提督が発表した。ホバークラフトは大型のものではなく、イラン海軍が現在多数を運用する武装モーターボートを補完するものとみられ、イラン海軍では水陸両用部隊の偵察用や対戦車ミサイル等を搭載しホルムズ海峡などでの哨戒任務に充てるものと考えられる。
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国産ホバークラフト部隊は、イラン海軍が掲げる海軍近代化の一環と位置付けられ、ここ最近、イラン海軍はタンカーの上甲板に鉄板を敷き航空母艦完成を宣言、ミサイル艇やフリゲイトを国産化し空母機動部隊の建設を急いでいる。ホバークラフトの用途は今一つ未知数だが、イラン政府はこれまでに海軍装備を100%国産装備で固める意向を示していた。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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