北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】岐阜基地航空祭2014【1】航空自衛隊創設六〇周年記念航空祭(2014-11-23)

2018-05-06 20:15:09 | 航空自衛隊 装備名鑑
■岐阜基地ファントム大集合!
 日曜特集、今回は航空自衛隊創隊60周年記念岐阜基地航空祭です。北大路機関では50周年航空祭も紹介しました。

 岐阜基地航空祭は数少ない本特集を開始しました2005年以来毎年行くことができています自衛隊行事です。毎年撮影に行く、ということは簡単なようで難しいことで、こちらが万全の準備をしていましても航空祭は例えば災害などで中止になってしまうこともあります。

 航空祭に毎年展開しようとしますと、台風や爆弾低気圧等気象条件により中止という事もありますし、ミサイル防衛等の実任務増大により中止となってしまうこともある。2005年から今日まで毎回行くことができているのは岐阜基地航空祭と守山駐屯地祭のふたつのみ。

 岐阜基地、日本最古の飛行場です。陸軍砲兵隊の演習場となっていましたが、ここに滑走路を建設し飛行場としたもの。飛行場として用いられていた場所は日本には所沢や調布はじめ幾つかあります、アンリファルマン機を用い徳川大尉が日本初の飛行を行った、など。

 しかし、そこは演習地を飛行場に転用したのみでして、飛行場、として建設されたわけではない。飛行開発実験団と第2補給処がおかれている岐阜基地は、岐阜県各務原市にあり、基地からは岐阜上を見上げるとともに岐阜市中心である岐阜駅前高層ビルが望見できます。

 そして名古屋市北方30kmの立地にありまして、航空祭は混雑することでも有名です。航空自衛隊の航空祭では首都圏で西武線一本という好立地にある入間基地の来場者30万が飛び抜けていますが、岐阜基地の15万という来場者は、浜松基地と並ぶ多数の来場者です。

 千歳基地航空祭は千歳基地でしか見る事の出来ない巨大な政府専用機とF15の大規模な飛行展示が有名ですし、日本のファントム発祥の地とよばれる百里基地航空祭、観光地の玄関にある那覇基地航空祭、ブルーインパルスの基地である松島基地航空祭も有名です。

 しかし、交通が不便であり、大都市からの距離も大きいことからこちらはまれに10万を越える来場者が押し寄せますが、基本は一番集まるのが入間基地、続いて岐阜か浜松、浜松と岐阜基地に関しては大規模飛行展示と共に東海道新幹線で結ばれ、便利なのですよね。

 名古屋近郊にあるとともに、京阪神からは始発電車で充分間に合う立地、新幹線ならば東京から始発でも開門直後に到着できる、そんな立地にあります。来場者が多いのは、東京から新幹線で日帰りが可能、京阪神から在来線で日帰りが可能、名古屋からも近いという。

 しかも岐阜市は枚方市や高槻市なみの人口を誇り、ホテルは充分あります。岐阜市と名古屋市は京都市と大阪市よりも近く、大阪市と神戸市という程度の距離感ですので、例えば岐阜にホテルがなくとも名古屋の収容力は凄い、なるほどこれならば混雑するはずです。

 名鉄線とJR線で岐阜基地へ行くことができます。滑走路に平行して名鉄各務原線が運行され名古屋から臨時特急も運行される、名鉄線は複線で、JR高山線も岐阜基地付近では名鉄線に並行して運行されていますので、名鉄が満員ならばJRを利用したならば早い。

 鉄道は滑走路に並行して運行されていますので、正門、北門、新北門、それぞれに個別の最寄り駅がある。すると、それほど駅ごとに混雑する印象がないのです。勿論、開門前には基地の前にそれはそれは凄い行列が出来まして、基地へ向かう陸橋も大混雑はします。

 飛行開発実験団が展開する岐阜基地ですが、この部隊が運用する多彩な航空機が岐阜基地航空祭の魅力の一つと言えるでしょう。多様な機種配備の背景、航空自衛隊が新型の航空機やミサイルを運用するさいには、技術開発や実験と試験運用、全てこの基地で行います。

 F35戦闘機のように最新型の装備についても岐阜から試験要員を派遣し、技術試験を行う。また、F-35戦闘機の日本最終組立は小牧基地に隣接する三菱小牧FACOで行われますが、飛行試験では岐阜上空を航過飛行するほど。ですから装備している航空機の種類が物凄い。

 戦闘機は旧式のファントムから近代化改修を進めるイーグルまで、もちろん日米共同開発のF2戦闘機も配備されています。そしてF-2戦闘機は評価試験用塗装のものが大半です。気づけばこの三機種が配備されている基地というだけでも岐阜基地だけなのですよね。

 しかもファントムに関してはF-4EJを航空自衛隊は導入しましたが現在第一線部隊に配備されているのはF-4EJ改です、そしてF-4が今も第一線で運用できる背景にはここでの改良がある。もちろん岐阜にEJ改は配備されていますが、EJ型が全国でここだけ少数残る。

 イーグルに関しても航空自衛隊は様々な改良を実施しています。その改良に際して搭載する先端機材は、岐阜で適合性を検証し、しかも実任務に対応できるかを研究実験するのも飛行開発実験団ですので、岐阜には改良型や搭載用新型器材を各種取りそろえています。

 当然新型ミサイルの実験なども岐阜で行うため、地上展示航空機に装着されているミサイルもここで初公開されるものが少なくない。近年ではGPS誘導型のレーザーJDAM誘導爆弾、F-15搭載用無人偵察機、超音速対艦ミサイルXASM-3等の展示が話題となりました。

 ブルーインパルスで運用されるT4練習機も評価試験支援用に配備しています。そして天候偵察や低速試験支援を含めT7練習機も装備されている。超音速練習機として2005年に最後の一機が引退した国産超音速T2練習機が最後まで運用されていたのもここ岐阜です。

 初等練習機で旧型のT3練習機最後の一機が除籍されたのも、ここ岐阜基地、岐阜基地で過去に活躍した航空機は保存展示機区画、そして隣接の、かかみがはら航空宇宙博物館に揃っている。このほか、無人偵察機が格納庫に並んでいることも見落としてはなりません。

 輸送機は最新型のC2輸送機が初飛行したのは製造されているのが川崎重工岐阜工場ですので、この岐阜基地滑走路から初飛行を果たしました。そして評価試験も岐阜基地で技術研究本部が実施、現在は防衛装備庁に改編されまして、一貫して開発を担った基地です。

 C-2輸送機はその後に飛行開発実験団に移管されましたが、ここ岐阜基地で運用されています。そしてC1輸送機も大型機材の試験用や試験機材の輸送支援へ配備されています。この巨大なC-2輸送機用第七格納庫は基地周辺の国道からもひときわ目立ち鎮座しています。

 C1FTB,フライトテストベットの略称ですが、飛行開発実験団に配備されています。一見してすぐわかるのはC1FTBの塗装で錆止めの銀色地金の塗装となっています。エンジンテストを含め、通常の戦闘機では搭載試験を行うことができないような大物を装備します。

 技術研究本部時代はC-1FTBにP-1用エンジン試作機を搭載し試験も行った。そして従来型のC1輸送機も配備されています、こちらはC-2輸送機に交替したとも。一通り、これだけの航空機をみることができることで、岐阜基地には多くの航空機愛好家が集うのですね。

 もちろん、E-767早期警戒機とKC-767空中給油輸送機やB-747政府専用機といった大型機、E-2C早期警戒機は配備されていませんし、YS-11の電子偵察型等も配備されていませんが、こういった特殊用途機の試験は飛行開発実験団が最初に行っている訳でもあります。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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