ウィキペディアの「ダニ」の解説は、解りやすく簡潔にまとめられている。
調べ事の時に、よく参考にさせてもらっているページでもある。
クローバーハダニとしている写真が、ナミケダニの一種だったりとか、ちょいミスもまだ残っているが、そのうちに修正されていくだろう。
小説の中にでてくるネタにも触れられていて、トム・ソーヤー達がおもちゃにしてたダニは、大型のケダニだろうという興味深い推測が添えられている。
架空のことだし、もちろん解釈は人それぞれでいいだろう。
でも、これにはすこしイチャモンをつけたい。
ケダニ「Velvet Mite」は、柔らかくて乾燥に弱そうだし、トム達の扱いに耐えられるだろうか?
刷版によって違うのかも知れないけれど、Archive.orgで原書にあたってみると、トムのダニは「Tick」なので、本来はマダニと訳されるべきものだろう。
大型のマダニ「Hard Tick(Ixodidae)」であれば、机の上で活発に歩かせて、ワルガキの良い遊び相手になること請け合いだ。第一、ピンでつついて「元気づけ」なんつー荒っぽいコトにつきあえるのは、体表が硬いマダニしかいないだろう。
楽しい遊びだろうけど、あんなコトを今のガッコでやったら大問題になりかねない。アメリカのライム病対策でやっきな地域だったら、生徒だけでなく教師までもが衛生局などから大目玉くらうだろう。自然公園なんかでも、ダニ注意の看板が設置されているところが多くて、素足をむきだしにした子供を連れて歩いていると、レインジャーからメッチャ怒られるそうだ。どこも世知辛くなっていくものだ。
ついでに、ダニが閉じ込められていた雷管箱というのも調べてみた。ブリキや真鍮で作られた丸く平たい形状のしっかりした缶で、直径4cm前後、高さ2cm前後のものが多いらしい。
いまや骨董品の雷管箱・・・私も虫入れ用に一つ欲しくなってきたぞ。
銃用雷管なんて、博物館モノだろう。いまどきのアメリカの子供達だったら、小説を読んでどんな箱をイメージするのか興味がある。
日本の子供に説明するとしたら、知ってそうな類似品というとメンタムの缶とか?
トムの雷管箱には、ダニの前に「ハサミ虫」が囚われていた。犬にかみついて騒動になるハサミ虫ってなんやねんというのは、幼少からの個人的疑問だったが、今回初めて、原書のリアルな絵をみて驚いた。
エラフスミヤマクワガタやん!ちょっと小型個体ぽいけど。雷管箱に入るとしたら47mmくらいか?(クワガタマニアモード全開)
子供の頃に読んだ本には、こんな絵はなかったと思う。最近の翻訳ではクワガタ虫になっている本もあるそうだが、旭屋難波店で見つけた3社の児童書ではいずれも「カブト虫」になっていた。クワガタムシの挿し絵なんか、どの本にも見当たらなかった。北米の代表的な甲虫の一つと思うので、ちゃんと紹介してもらってないのはとてもザンネン。