トコジラミが、ここのところ害虫駆除業界ではよく話題になっている。いろいろと薬剤感受性データが発表されてきたが、思ってた以上に最悪な害虫みたいだ。
豆炭コタツや氷式冷蔵庫を子供時代に使用したことがある私だが、本種が日本の主要都市で蔓延していた頃の状況はさすがに知らない。知りたくもないけど、知ることになる日がくるかも。
ウチの会社でも、トコジラミ駆除は頭の痛い仕事だ。
宿泊施設における本種の対策は、普通ひっそりとおこなわれ、時間をかけて本腰入れて駆除することが少ない。特殊な宿泊施設になると、大人の事情で駆除作業そのものが困難なケースもある。ということで甘い対応になってしまうことが多いのだ。
ニューヨークでも数年前からだんだんとエライことになっている。
「NY州が「トコジラミ情報公開法」、被害急増に対応」CNN.co.jp
http://www.cnn.co.jp/usa/30000033.html
Bedbugs News
http://topics.nytimes.com/top/reference/timestopics/subjects/b/bedbugs/index.html
これからの季節、郊外の食品工場で害虫屋を悩ますのは、マルカメムシMegacopta punctatissima だけれど、こちらのほうも最近アメリカで近縁種のタイワンマルカメムシ Megacopta cribraria が恐ろしい勢いで増加しているらしい。アメリカの研究者としては、この2種のことは近縁種っていうか形態学的には区別できんと考えているみたい。ネットで見る写真では、私には色合い的にただのマルカメムシにしかみえないが・・・。今年の10月頃までにはどこまで拡大するのか心配。
定着してしまうとアメリカの食品工場でも苦労するところが出てくるかもしれない。
ふと思ったが、関西の食品工場で悩んでいるマルカメムシに、タイワンマルカメムシが混じってるということはないのだろうか?今まで同定しようなんて思ってもみなかったが、これからはちょっと標本とかつくって置いておこうと思う。
とりあえず今日、近所の公園で採集したのは普通のマルカメムシと思う。