園芸店に、花の鉢を買いにいって思わぬムシと対面した。
南米産のミズゴケ乾燥ブロックをなんとなく眺めていたら、ポリ袋の隅にある3mmほどの暗褐色のゴミが目に止まった。
カタチが虫っぽいと思って、ポケットからルーペを出してのぞいてみた。
ものすごくアヤシイおっさん・・・。
「コケのカメムシ」ファンとしてはウレシイことに、ネットで画像を何度かみかけたことのある変わったカメムシのボロい死骸だった。袋の向きを変えて、ゴミを動かしてしまうと、二度と確認できなくなりそうな位置に挟まっていた。
袋の端にあるゴミが動かないようにしながら、ミズゴケをレジにしずしずと持っていって購入した。もちろん、ミズゴケを使う予定なんかまったくありはしない。異物欲しさに商品を買うという状況は、どう考えてもオカシイがしょうがない。
「袋いりません。テープだけで結構。」と会計をするときにも、商品を受け取ろうとするレジの女性に、手渡さないで抵抗しつつ頑張った。もうただの不審者。
南半球の「コケのカメムシ moss bug」については、いくつかの専門サイトやデータベースでの情報がかなり多い。「Coleorrhyncha Species File (Version 5.0/5.0)」や「Wikipedia」で文献をたどると、どうやらこの個体は Peloridium hammoniorum Breddin, 1897 の短翅型のようだということが分かった。
P. hammoniorumは、この仲間にしては珍しく長翅型の飛べる個体もいるとのことなので、たぶん普通種なのだろう。
ウィキとかの文献にある新しい高次分類はよく分からないものもある。Heteropterodea (= Prosorrhyncha;日本語では何?)を亜目とすると、その下に鞘吻下目(Coleorrhyncha)とカメムシ下目(Heteroptera)がくるということになるのだろうか・・・。なんだかややこしい。
ミズゴケのほうは、時間を作って少しばかり篩にかけてみようと思っている。ひょっとしたら、面白いダニとかが出てくるかも知れない。
あとは、さらにニュジーランド産のミズゴケをネットショッピングとかでポチったりしないように気をつけなければ。