害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

赤と黒

2008-09-27 23:14:00 | インポート

相生の海岸でダニ観察。前から気になっているダニだらけの場所で昼休み休憩。なんて書くとむず痒い感じだが、陸地のほとんどの場所がダニだらけといえるので、特に変わったことをしているわけではない。
今日の昼は引き潮で、フジツボやらカキやらがくっついている岩のあたりでも観察しやすかった。
たくさんのダニが日当たりのよい場所を徘徊していた。どのダニも、体全体が赤っぽくて、少し黒っぽい部分があるような色合いなので、全部同じ種類だろうと思いながら吸虫管で少しばかり採集してみた。
帰社してから、これらの採集品を、実体顕微鏡でよく見ると、驚いたことに複数の科のダニ類が入り混じっていた。私は、色合いを重視して生物分類をする傾向があるが、海岸のダニには全く通用しないということを思い知った。
一番意外だったのはツメダニ科が混じっていたことで、照りつける太陽の下、岩の表面を徘徊する種がいるなんて思いもよらなかった。大型の種で属は不明。第1脚付節が太いってあたりでEutogenes近縁のような感じもするが、今まで見たこともない種類である。Cheyletidae_gen_sp

室内種でも不明種が多いのに、野外のツメダニなんかはどーしょーもない。拡大してみると同時に採れたテングダニと全く違う形態だが、採集しているときは全然区別がつかなかった。
この類似性はなにか理由があるのだろうか?Bdellidae_gen_sp

*9/30追記

ツメダニの一種 Cheyletidae gen. sp.と思っていた種は同定間違い。Heteroteneriffia sp. (ユビダニ科)だった!プレパラートにしてみると顎体部がまるっきりチャウ!実体顕微鏡レベルでも違和感があったが・・・アホやな。