林のなかで湿った落ち葉をかき回すと、いろんな生き物がでてきて面白い。ただ、お気に入りの近場のシイ林も、周囲に新しい住宅が増えてきて、人通りが多くゆっくり観察できなくなってきている。イヌの散歩に来ている人が木立の隙間からじっとこちらを伺ってたりする。立ち上がって、その人に近寄って「イヤ別に人埋めたりしてないので」とかいいたいのをぐっとこらえて、手元に神経を集中する。見られているだけならまだいい方で、話しかけてくる人も少なくない。そんなとき無愛想にしていれば、野生生物に無関心な人を増加させるだけだと思って、できるだけ明るく笑顔で昆虫の面白さを語ったりもするが、人の多い場所だとこれも疲れる。「ドクトルまんぼう昆虫記」では、会話を早々に切り上げるコツとして「食用にする」とか説明することを推奨していたような記憶があるが試してみたことはない。
この辺の平地で採れるハサミコムシは、詳しい種名は不明だが、コムシなんていう割りに2cmを超える個体もいる。山地でみかける個体よりはずいぶんデカイので別種かも。なんとなくハサミムシに似ているけど、大きく異なるグループ。こういうハサミ的とかキバ的なムシはなんかカッコいい。世間一般的に、クワガタムシなどのファン層が分厚いのも、ヒトがハサミ的な生き物に惹かれる何か根源的な理由があるためかもしれない。もしかして、最近くわがたツマミにハ(サ)マってしまったのもそのせいか。