●チャイロオオイシアブに便乗しているコハリダニIolinidae Gen. sp. をAcleris氏から頂いた。
以前にもオオイシアブの胸部腹面中央に球塊となって集団を形成しているのをみたことがあるが、今回も同じパターン。
おそらくこのコハリダニは、あまり乾燥していない朽ち木の孔道で、イシアブ幼虫が食べ残した昆虫の残渣で生活しているのではないかと思われる。イシアブが成虫になる頃には食べ物の供給が止まるので、サナギの周囲に集まって新天地に連れていってもらおうというような生活史じゃないだろうか?
いまのところ、乾燥気味の枯れ枝からでてくるタイプのムシヒキアブからは見つからない。
ダニにはそんなのが多いけれど、コハリダニ上科Superfamily Tydeoidea の多様性も半端ない。
ダニにはそんなのが多いけれど、コハリダニ上科Superfamily Tydeoidea の多様性も半端ない。
Ereynetidae, Iolinidae, Triophtydeidae,
Tydeidaeの4科で構成されているが、日本では全部まとめてコハリダニ科 Tydeidaeという扱いの研究者が多いようだ。
コケだの高等植物やらにたかってたり、腐葉土にいたり、ハチやケモノの巣にいたり、水生甲虫のさやばねの下、ほ乳類、鳥、カエルの鼻腔、ナメクジやカタツムリの体表などなど。
室内塵も忘れてはならないけれど、これは動物の巣というくくりでいいだろう。
以前に、オオイシアブで見つかった種は日本産土壌動物(1999)で検索して、ナメラゲコハリダニの一種 Pronematulus sp. にしていたけれど、昆虫に便乗している種群はProctotydaeusという属に含まれるものが多いらしい。
これらの属は、第III脚と第IV脚のふ節の毛の数が7本かの6本かで見分けるとされるけれど、ウチにある顕微鏡ではぼんやりとしか見えず、6本のような7本のような・・・。というわけで、プアなシステムでも毛の数が分かるような光学的工夫を考え中。
これらの属は、第III脚と第IV脚のふ節の毛の数が7本かの6本かで見分けるとされるけれど、ウチにある顕微鏡ではぼんやりとしか見えず、6本のような7本のような・・・。というわけで、プアなシステムでも毛の数が分かるような光学的工夫を考え中。
チャイロオオイシアブで見つかったコハリダニはProctotydaeus sp. かもしれないが、もう少しいろいろと観察したり、文献を読んでからでないと何ともいえないということが分かった。
*7月2日追記:第III脚と第IV脚のふ節には7本の毛がみられた。顕微鏡のレンズ表面のゴミをよく取って、朝一番の目が疲れていないときに観察した。簡単なスケッチを描くことで、毛の位置と本数を確認した。
*7月2日追記:第III脚と第IV脚のふ節には7本の毛がみられた。顕微鏡のレンズ表面のゴミをよく取って、朝一番の目が疲れていないときに観察した。簡単なスケッチを描くことで、毛の位置と本数を確認した。
オオイシアブ類でみられるのはProctotydaeus sp. と判断した。日本産土壌動物(1999)ではProctotydeus (スペル間違いなので引用注意)になっていて、ムシコハリダニ属の和名があてられ、「日本に生息するかは不明」と記述されている。
なお、この本の絵解き検索では、PronematulusとProctotydaeus の区別はムリだと思う。
なお、この本の絵解き検索では、PronematulusとProctotydaeus の区別はムリだと思う。
●先日の当ブログの記事でムーミンのネタを書いたけど、もういちど全部読みなおそうとおもって、図書館から何冊か借りてきた。
ムーミンに出てくるへムル族は、昆虫採集したりしておタクなヤツが多い。
特に「ムーミン谷の仲間たち」の遊園地の偏屈なヤツには激しく共感してしまう。
単調でしょーもない仕事でも、やってると夢中になってくるというあたりとか・・・。年金暮らしを夢見てる情けなさとか・・・。
●今年の11月末でブログ人がサービスを停止するらしい。ドコに引っ越そう?