コウチュウの種数が、他の生物に比較して異常に多いため、きっと造物主はコウチュウが好きだったのに違いないとHaldane博士は言っているが、私はそんなことはないと思う。ヤマトシロアリ属みたいに、体表炭化水素なんかで細分化されていく例を見ていると、未知の分類キーが発見されることで信じられないほど種類が増えて、神様はやっぱりシロアリが好きだったなんてことになるかもしれない。
そういえば、センチュウは億の単位で種を分けることができそうなので、神が本当にお気に入りなのは昆虫ですらないかもしれないという話もある。でもヒトの視覚で、形態の多様性を認識しやすいということでは、やはりコウチュウの仲間はダントツだろう。
昨年の春に和泉市のシイ林で採取した朽木をコンテナ容器でひっくり返していると、ミクロなコウチュウがいろいろ出てきた。当社の事務所は夏に異常な高温にさらされる為、飼育中の昆虫で滅びるものが続出して、ヒトの生存も危ぶまれる状況となる。そんなプチ大絶滅を逃れて、見つかったのはこんな連中である。
1)私は「エビフリャー」と呼んでいる昆虫だが、何の仲間かは全然知らない。ヒゲブトハネカクシ系なのかもしれないし、ザリガニの仲間のような気もする(投げやり)。
2)アナムネカクホソカタムシThyroderus porcatus 。
ネブトクワガタが好みそうな朽木をもってかえると、容器の中で時々本種に出合う。はじめてみた時は、前胸に透明な窓を持つコウチュウということでとても驚いたものである。窓はいったい何の用途があるのだろう?(写真内スケールは1mm)
ところで、今日は会社からの帰り道にホワイトデー用つまらねーモノを買うために難波をうろついたが、フィギュアやら食玩やらのお店が気になって仕方がなかった。昆虫もフィギュアもやたらと集めて分類したいってところは、ヒトの脳内の深い根のあたりで共通しているのかもしれない。
たぶん昆虫をやっていなかったら、私は美少女フィギュアを収集していたに違いない。コスプレのお店にも興味を引かれてしまった。銀魂の主人公の衣装が売られていたが、あれを着て歩ける奴は凄いと思うな。