ハネカクシのことはサッパリ分からないけれども、分類のサワリ部分あたりを勉強中。
とりあえず、身近な場所をウロついているハネカクシを採集して名前を調べてみることにした。
ハネカクシからすれば、放っておいてくれってトコロだろうけど。
先日、相生湾に面した河口付近で昼休憩をとったときに、潮間帯のハネカクシにチャレンジしてみた。
イソユビダニなどを採集しているときには、ウジャウジャいたハネカクシを無視ってた場所だったが、いざ採集しようとすると姿を見せてくれないという、ありがちな展開におちいった。ゴミが多くてニオイもヒドい場所だったが、アオサがこびり付いた岩のまわりで、砂利を引っかき回したりして、2-3mmの黒いのやら黄色っぽいのやらを、なんとか数個体採集できた。
黒いのも黄色っぽいのも、顔つきでヒゲブトハネカクシ亜科と決めつけた。
このグループは幸いなことに、その筋では有名な「日本産ヒゲブトハネカクシ亜科データベース」という九州大学の山本周平さんの詳しい情報サイトがある。
そこで分類のとっかかりとなる様々な情報を頂いた。特に文献リストはありがたく、フリーでダウンロードできる論文のいくつかを読んで、おおまかな分類を試みた。
黒い種はふ節式が4-5-5で、体側が平行で細長いシルエットなのでAthetaの仲間かその近縁と見当をつけた。爪間体(甲虫でもそう呼ぶんだろうか?)がエラく長い。上唇前縁は透明な部分を除けばかすかにへこんでいるように見える。下唇前縁の真ん中あたりのY字型突起には、片側5個くらいの微小突起がかすかに見える。貯精嚢は端が渦巻いているカタチ。体表の微細なパターンは等径的に見える気がするって特徴などから、最終的にAdota sp.と考えた。
↑黒っぽい種の全体図。ハネカクシってムシは、かねてより写真の撮り方で印象が恐ろしく変わってしまうと思っていたが、自分で撮影した同じ個体でも、ナマっぽい状態の写真(図1)と乾燥状態(図2)の写真は、別種か?と思ってしまうくらい違って見える。
黄色っぽい種は、ふ節式が4-4-5。以前、淀川の干潟で大量にみた種の淡色タイプって感じ。交尾器はみていない。
Bryothinusa sp.と考えた。属の検索は北米産のを参考にしたので自信なし。
同僚からガラス台紙を1枚ちょろまかして頂いてマウントしてみた。
いたく気に入ったけど、ケント紙の台紙よりお高いので購入は悩む。
ひとまず終了。こんな序の口もいいところなのに、すでに我が探求心は「明日のジョー」の最終回の主人公状態で、かなり燃え尽きているが、もう少しくすぶってみる。