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『 パフューム ~ある人殺しの物語~ 』

2007-03-05 11:09:11 | entertainment
パフューム ~ある人殺しの物語~ 』をみた。

原作は、パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」。
残念ながら原作は未読だけれど、予告編でみた知識のみで映画に臨む。


ものすごくリアルに美しい映像だった。詳しく知らないけれど、その当時の
パリの街並みや雰囲気が見事に表現されていて(最初の魚市場はきつかった)
“18世紀、パリは活気と悪臭に満ちていた。”の言葉通り、人々の行き交う
その景色は圧巻だった。
後に出会う調合師ジュゼッペ・バルディーニのお店の様子や、人々、、、


それから後半の舞台となるグラースのまち。ラベンダーの咲き乱れる景色に
うっとり。

そこへ、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による音楽ときたら、豪華!
心なしか匂いを感じてしまった?
五感を研ぎ澄まして、見るべし?






いきなり暗闇からこの物語の主人公であるグルヌイユの鼻が映し出され、
それから囚われの身の彼に処刑判決が下される場面に、ちょっとひく。


が一転、舞台は1738年のパリのセーヌ河沿岸に並ぶ魚市場へ。
悪臭漂う魚市場の、しかも捨てられた魚のはらわたの上に産み落とされた
赤ん坊が、ジャン=バティスト・グルヌイユである。
超人的嗅覚を持ち、何キロ先の匂いをも嗅ぎ分けてしまう。


すぐ育児所に引き取られた彼だが、誰からも愛される事なく、逆に育児所の
子ども達は超人的な嗅覚を持つ彼の存在を普通とは違うと感じ取り、疎まれる。

そして、13歳になったとき皮なめし職人に売られる。
普通なら5年が寿命のこの劣悪な環境で、彼は1日15~16時間、毎日休まず
ただ黙々と働き続けた。

青年にと成長した彼は、ついに勝利を手にする。
それは、パリの街中へ配達を命じられる=遂に別世界への扉が開いたのだ。



そこで、今まで嗅いだ事の無い匂い・香りを彼は貪欲に味わう。
このときの彼の表情に、自分も香りを追ってしまった。。。

そして、運命の香りとの出会い。
夢中で追いかけたその香りの先には、プラム売りの赤毛の美しい少女が。

グルヌイユにとって、生まれてはじめて感じる幸せだったのかも。
でも、誤って彼女を殺してしまう。

以降、少女の香りを再現したいがために彼の究極の香水創りがはじまった。





次々と若い女性を殺めていくのだけれど、不思議とあまり恐怖感なくみれた。
それは、彼があまりにも純粋にその香りを求めている姿のせいかもしれない。
しかも、背景に美しい風景、さらに殺された少女達の美しいこと。

今まで人間として扱われる事なく、劣悪な環境の中ただただ働き続けた彼の
たったひとつの至福。
変態だとか、殺人鬼というには、彼の目が無垢すぎて・・・

     

その後の展開は、おどろき  
だけど、なんとも不思議で官能的なラスト。








それにしても、彼は「座敷わらし」の様な性質も持っていたのか・・・

母に産み落とされて、すぐ捨てられ、そのことで母は絞首台へ。
その後引き取られた育児所から売られた直後、マダム・ガイヤールは殺され、
皮なめし職人グリマルもまた、香水調合師バルディーニに彼を売ったとたん
帰らぬ人に、でもって彼に100の香水レシピを書かせてグラースへ旅立たせた
その日、やはりバルディーニも2度と目覚めることはなかった。。。

う~ん、ある意味、こっちのほうが怖いような???