安曇野の田んぼも苗が青々として、そこの風が入ると波だって平和な風景だ。
これは「青田波」と呼ぶそうだ。
「青田刈り」とか「青田買い」言う言葉もある。人材確保のため採用側は、なくたけ早めに採用オーライをとる現象だ。国ではここからとルールを決めたりしている。大学を出たけれど・・・という厳しい世の中になった。わたしなどは採用されたのは3月末で、あと数日で4月だった。卒業式はとっくに終わっていて下宿も追い出され、家で通知を待っていた。来ないかも知れないと思ったら来たと言う感じだった。あわててフトンをチッキで送り、汽車に乗った。・・・・チッキは死語だな。
もともと秋の稔りを待てず、泣く泣く「青田売り」をしたと言う悲しい出来事が「青田」にあるのだ。・・・・・わたしのは「遅田刈り」と言うのだ。
一点の偽りもなく青田あり
誓子
版画は白馬の東側の山をすこし入ったところの集落・野平の風景です。かやぶき屋根は実際はトタンでおおっています。