先日、新潟市から離れて、地方の医師会で講演させて
いただく機会がありました。
懇親会の席で、地方の医療でのご苦労をお聞きしました
整形外科では、下肢が腫れた患者さんが来院され、
「深部静脈血栓症かな?」と疑うと、そこから先が
大変だそうです。
地元の総合病院では診てもらえずに、離れた市の県立病院に
診察を依頼するしかないのですが、確定診断がない状態で
遠くの病院まで送るのは、診察医にも患者さんにも負担に
なって困ることが多いと。
最近、同じ町に下肢静脈エコーをする開業医の先生ができて、
そこで検査してもらって、深部静脈血栓症がある患者さんだけを
紹介することができるようなったそうです。
深部静脈血栓症を診断するためのエコー装置は、血管用のプローブが
あれば多くのクリニックでも検査可能です。
後は、診断するためのスキルだけです…
でも、医師が少ない地方では下肢静脈エコーで診断できる
スキルをもつドクターがほとんどいないのです。
新潟市内であれば、病院以外にも当院をはじめとして下肢静脈エコー検査が
できるクリニックが複数あるので、近くの先生に紹介して、診断が
ついたら病院へ紹介するかクリニックの外来で治療をするかという状態です。
新潟県は、県全体としては医師不足ですが、新潟市内では病院及び
クリニックは全国的なレベルの数があります。
いっぽう、新潟市、長岡市以外の地域では医師の数が少なく、
専門的なスキルをもつドクターが近くにいるわけではありません。
でも、地方の先生は、患者にたいする真摯な姿勢はわれわれ都市部の
医師に負けず劣らず熱いです〜〜
今回はとてもいい経験をさせていただきました