松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

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ひとびとはかぎりなくいます。/きっとすくいます。  伊藤比呂美訳「四弘誓願門」

2021-01-01 | インポート

ひとびとはかぎりなくいます。/きっとすくいます。/ぼんのうはつきません。/きっとなくします。/おしえはまだまだあります。/きっとまなびます。/さとりはかならずあそこにあります。/きっとなしとげます。(伊藤比呂美訳「四弘誓願門」)

                                               撮影 千田完治

正月は誓いの時であり、願いの時です。これまでの元旦のことばで幾つか紹介すれば。「元旦や吾新たなる願あり」(夏目漱石)とか、「一というはじめの数にふみ出す日なり今日なり正しくあらん」(九条武子)といった具合で、みなさん「願い」「あらん」と誓っています。
誓い願うといえば、仏教の基本のキ、根本のコン、を忘れていました。「四弘誓願文」という四行の短いお経をご紹介したことがなかった。多くの宗派で読むけれど、少しずつ文言が異なり何種類かあります。以下は臨済宗でよんでいるものです。
「衆生無辺誓願度(しゅじょうむへんせいがんじ)。煩惱無尽誓願断(ぼんのうむじんせいがんだん)。法門無量誓願学(ほうもんむりょうせいがんがく)。仏道無上誓願成(ぶつどうむじょうせいがんじょう)」。
漢字というのは、意味も表してくれるから、文字を見ただけでなんとなくわかりますが、「仏教を身近にわかりやすく」が私の誓いであり願いですから、ここは、達意の現代語訳をお伝えしましょう。詩人の伊藤比呂美さんの訳です。
 比呂美さんは、父母の介護と看取りのなかで、仏教に急接近していきます。そして、「翻訳に翻訳をかさね、人の声に声をかさねて、実体のわからなくなってしまった音」にひかれ、経文を現代語訳します。伊藤比呂美訳「四弘誓願文」はというと。
「ひとびとはかぎりなくいます。/きっとすくいます。/ぼんのうはつきません。/きっとなくします。/おしえはまだまだあります。/きっとまなびます。/さとりはかならずあそこにあります。/きっとなしとげます。」(伊藤比呂美著『読み解き般若心経』朝日文庫)。
「きっと」のリフレインが心地良い。心地良いのですが、木魚のリズムにはのりません。どうしようか。

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