坂本の先制パンチが効いた阪神巨人貧打戦。

投手戦という言い方もできそうな昨夜の阪神巨人戦だったが、打線が振るわない両軍の戦いでは「貧打戦」という方がしっくりくる。

メッセンジャー攻略は「立ち上がり」を攻めることと言われている。１回に出た坂本の９号先制弾はメッセの出鼻をくじく効果的で勇気づけられる一発となった。

雨で１試合中止になって、当初予定通りに第２戦内海の今季初先発であったなら昨夜の勝利はあったかどうか。このところ安定感の増した田口でよかった。

しかし、もう少し楽な勝ち方が出来た試合でもあった。７回の無死１塁２塁の好機に１点取れていたらの話。その場面で打者小林。バント失敗。

続く田口のバントができない。研究されてめっきりと打てなくなった立岡が凡退で１点が遠い。小林のバントも田口のバントもセオリーだといえばセオリーだが。

小林のバントの下手さ加減は知っているはずだ。ベンチの監督の目線は右隣の村田ヘッドに注いでいる。あたかも「バントさせるの？」って言っているような目つきだったが気のせい？

小林のバント失敗で「得点ならず」が見えていた。それよりも、その裏の阪神攻撃がコワイぞ！って感じていたら案の定、田口の投球に明らかな変調が。

連打され、際どいボールを見極められての無死満塁。マシソンの救援となる。同点は覚悟だったが意外にもマシソンの調子が良い。というより阪神はやはり打てない。

１点は取られたが何とか９回沢村に繋げた。沢村もまた頼りないが、ここもまた阪神の貧打に救われた。終わってみれば３対１での勝利という呆気ない試合。

今年から始まった新ルール「衝突防止」の場面があって、判定がくつがえった。完全なアウトがセーフになってしまうという珍現象。金本監督が怒るのも無理はない。

これでは野手の返球が少しでもそれたらセーフとなる確率が高くなる。昨夜の場合も、返球のバウンドを合わせるためにベース際での捕球とタッチプレーとなった。微妙な判定だった。

今の巨人はこのようなラッキーが重ならなければ勝てない。逆転されていてもおかしくない試合運び。細かい野球ができない。かと言って豪快な野球もできない。やはり全滅なのだ。