中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

母語の干渉

2007年10月24日 | ことば

    

       ↑やきいも、売っています。

授業をしていないときは何をやっているかというと…
あれやこれや、です。

一番多いのはネイティブチェック。

秋になってからよく持ち込まれるものは、教師からは大学院入試の研究計画書、4年生からは日系企業の面接での自己紹介文、3年生からは1級試験過去問の語彙のニュアンスの解説、2年生からは某財団に奨学生として出す作文。

事務室で、やって来る書き手と一緒に書類をのぞいて、じみ~に、赤ペンチェックや、模擬面接などをやっています。

そこでいつも頭を悩ませているのが「母語の干渉」。

日本語教師の資格試験で毎年のように出題される、あの「母語の干渉」。


私は日本へ行って、働きたいです。
日本で風俗の言葉を覚えます。
(3年生女子)


(ふうぞく!?)あの~、日本へ行ってどんな仕事をするんですか?

はい、観光会社で研修生をします。

そうですか(ほっ、思わず心配しちゃったよ)。
それで、日本へ行って、日本の慣習や日常会話を覚えたい、のですね。
研修が終わって中国に帰ってから、どんな仕事をしたいですか?

故郷に戻ったら、経理をやりたいです。

(もしや…)けいりって、どんな仕事ですか?会社の中でお金の計算を専門にする人のこと?

いいえ、ちがいます。父は会社を持っています。私はその会社をもらいます。

それなら、「けいり」じゃなくて…。

オオ、先生、間違えました。社長です。

そうですね(やっぱり)。

私、もっとよく日本語を了解しなければなりませんね。

了解、は違います。中国語の了解は、日本語では理解です。(たのむ、皆で了解します了解しますって言うのやめて~何度言ったら分かるんだ~心の叫び)


こんな感じで、中国語に日本語と字面が全く同じで意味が違う語彙があふれかえっているため、単語レベルで母語干渉しまくり

もとはといえば、大昔に日本語が中国語を輸入しまくっていたせいなのですが…。

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