成都に行ってきました。
私が住んでいる貴州省の隣の省、四川省の省都です。
直線距離にして550キロくらい、飛行機で1時間弱で着きます。
ちょうど、東京~大阪間程度の距離。
行く前は、貴州人が「貴州と比べて言葉も料理も「差不多(似たようなもん)」だよ」と言っているし、貴陽より少し大きいぐらいでそう変わりないかな、と思っていたのですが、行ってみたら全然違いました。
北京と貴陽しか知らないで「中国に行った&見た」ことにはならないんだな、実感。
貴陽との違い。
その1.自転車がたくさん。スクーターがたくさん。
着いてすぐに、自転車やスクーターが街角に止めてあったり、庶民の足になっているのを見て、まるで日本の地方都市に来たような錯覚をおこし、懐かしい感じがする。
貴陽の人々は自転車やスクーターに乗らない。
街で見かけるのは運び屋さんの仕事用自転車ぐらいなものなのです。
その2.交通の便がいい。
さすがに蜀の都の古都だけあって、路は碁盤の目で、バスの路線がシンプルで分かりやすい。北京と同じ2階建てのバスも走っているし、貴陽のバスより揺れず快適。そういえば貴陽のバス停には路線図表示がなく、路線数が多い上にややこしい。
さらに三輪タクシー。北京や貴陽では見たことがない輪タクを多く見かけ、外国に来たような感じがしました。輪タクは安いし小回りが利くし風をきって走るので涼しいし、すっかり気に入りました。
その3.女性が地味。
女の子たちがすごく地味で驚く。
貴陽の女の子や、大学の学生たちは普段から、どんな地味な子でも、ピアス、ブレスレッド、ペンダントをしっかり身につけ、キャミソールやタンクトップや刺繍入りのジーパンなどで、そのまま日本に連れて行っても違和感がないような感じ。(ただし、おしゃれに気合を入れている子の服は、派手なフリルやら光る服やら斬新な裁断のデザインで、一昔前の竹下通りファッションみたいだけど)貴州の少数民族衣装は、色彩感覚が豊かで、銀のアクセサリーをじゃらじゃらと付けるので、その美的感覚の影響なのだろうか?などと思ったりする。
それに比べ、成都の繁華街を歩く女性は、アクセサリー類をあまり身につけていなかった。北京ほどダサくなかったけど埼玉ぐらいの地味さ加減。女性の地味度は、北京>成都>貴陽の順。
おかげで、貴陽には売っていない、ユニクロ系の質が良くてシンプルな服や下着を買いだめすることができました。
それにしても、貴陽の女の子たちは、街で見ているだけで楽しいし、センスのいい人のあしらいを参考にさせてもらっている。まさか中国に来てファッションに気を配るようになるとは思いもよらなかった。
その4.欧米系飲食店と日本の大手小売業がたくさん。
マクドナルド、ケンタッキー、スターバックスは、貴州にはまだない。
エキゾチズムを求めてやってきた旅行者や、中国に来たばかりの外国人としては、これらの店のロゴを見たら、こんなところまでグローバル化の波が押し寄せている~と嘆くところなのでしょうが・・・実際私もちょっとつまんないな~と思ったのですが・・・考えてみると、生活している外国人としては、素直に嬉しいなと思う。
特に、ブラックコーヒー党としてはうれしい。
こっちの喫茶店で出てくるコーヒーや、スーパーで買うインスタントコーヒーは、モカもコロンビアもブラジルもすべてカフェオレになって出てくるからだ。苦いから、という理由で、ミルクと砂糖が勝手にどっぷりと入れられてしまう。あるいは、コーヒー店と看板が出ていながら、そのメニューにはカプチーノとエスプレッソしかなかったりする。
成都はさすがスタバがある街だけあって、街頭のコーヒーショップでもブラックコーヒーが出てきた。それに歓喜する私・・・やれやれ。
さらに成都にあるのは、イトーヨーカ堂、西武、伊勢丹。こういう店も貴州にはまだない。
とりあえず、何があるか入ってみる。ヨーカ堂の高級生活用品売り場の一角に、「日式用品」と称する、日本の百円ショップと同じような品揃えの、10元ショップなるものがあった。そこで、木製のお椀や、日本で普通に使われている先の尖った塗り箸を、たくさん買い込んだ。自分の普段使いにするほか、教材用、お土産用、文化祭用にするため。
こっちのスープは、ごはんのお茶碗と一緒の瀬戸物で飲むので、手に持つと熱い。箸は四角い割り箸をごつくしたようなデザインばかりで、箸の先端がどれもこれも太くて食べにくい。そんな細かいことは、こっちの物を使って慣れればいい、と最初のうちは思っていた。が、毎日毎食、味噌汁を手で持てずにレンゲで掬って犬食いのように飲んだり、太い箸が手に合わなくていらいらしたりする、そんな苦労はもう疲れたのよ・・・。
ヨーカ堂よ、ありがとう。
5.庶民が茶館でお茶している。
貴陽にもあるのだろうけど、目立たないし、貴州人と一緒に行動していて、「疲れたからちょっとお茶しない?」みたいなことを言われたことは未だない。
成都は茶を飲む習慣が根付いている。
そこここに茶館を見かける。
貴州人いわく、成都人は茶館で一日中マージャンや将棋をしているのんびりした人々、なのだそうだ。
入ってみると、メニューには何十種類もの茶のラインナップが。
ガラスのコップに入った緑茶を飲み終わると、すかさずウェイトレスのお姉さんがお湯を注いでくれ、4杯~5杯は軽く飲んだ。少しずつ味が変化していくのが楽しい。
6.料理が口に合う。
四川料理は辛い。貴州料理と変わらない。と聞いていたが、
今回、四川の食堂やレストランで食べた料理は、貴州ではあまり見たことのないような煮物やあんかけの類があり、どれもこれも、何を食べても美味しかった。
なんといっても、どの料理にも、だしと塩分の味がする。
そして、信じられないことに、辛いのに美味しい。
麻婆豆腐や回鍋肉は辛くて食べられないんじゃないだろうかと思ったが、きっと観光客用のレストランでは大辛なのかもしれないが、観光客用でない店でばかり食べていた私にとっては、貴州料理よりも全然辛くなくて、くどいようですが、塩分とダシの味がついていて、おいしかったのです。
さすが川菜、中国4大料理の一つ。
こっちに来てから、自分は味盲になったんじゃないかと心配していましたが、今回川菜(四川料理)を食べて、舌はまともなままだと安心しました。
7.平原と広い川がある豊かな土地で、人口が多い。
中国人が、四川は中国でいちばん人が多くて、中国人の10人に1人は四川人なんだよ、と言っていた。
たしかに郊外も街も人が多いと感じる。
道幅がとても広いのに、北京のように道の広さを感じないほど、人が多い。
成都郊外には平原の穀倉地帯が広がり、昔から豊かな土地だったんだろうなと思わせられる。
貴陽のように郊外に行っても山が見えないのが新鮮だった。
あ、ここはやっぱり大陸だったんだ、と思う。
他にもいろいろな事を発見しましたが、ここらへんで、おしまいにします。
道教の寺にて。
劉備玄徳と孔明を思いながら。
私が住んでいる貴州省の隣の省、四川省の省都です。
直線距離にして550キロくらい、飛行機で1時間弱で着きます。
ちょうど、東京~大阪間程度の距離。
行く前は、貴州人が「貴州と比べて言葉も料理も「差不多(似たようなもん)」だよ」と言っているし、貴陽より少し大きいぐらいでそう変わりないかな、と思っていたのですが、行ってみたら全然違いました。
北京と貴陽しか知らないで「中国に行った&見た」ことにはならないんだな、実感。
貴陽との違い。
その1.自転車がたくさん。スクーターがたくさん。
着いてすぐに、自転車やスクーターが街角に止めてあったり、庶民の足になっているのを見て、まるで日本の地方都市に来たような錯覚をおこし、懐かしい感じがする。
貴陽の人々は自転車やスクーターに乗らない。
街で見かけるのは運び屋さんの仕事用自転車ぐらいなものなのです。
その2.交通の便がいい。
さすがに蜀の都の古都だけあって、路は碁盤の目で、バスの路線がシンプルで分かりやすい。北京と同じ2階建てのバスも走っているし、貴陽のバスより揺れず快適。そういえば貴陽のバス停には路線図表示がなく、路線数が多い上にややこしい。
さらに三輪タクシー。北京や貴陽では見たことがない輪タクを多く見かけ、外国に来たような感じがしました。輪タクは安いし小回りが利くし風をきって走るので涼しいし、すっかり気に入りました。
その3.女性が地味。
女の子たちがすごく地味で驚く。
貴陽の女の子や、大学の学生たちは普段から、どんな地味な子でも、ピアス、ブレスレッド、ペンダントをしっかり身につけ、キャミソールやタンクトップや刺繍入りのジーパンなどで、そのまま日本に連れて行っても違和感がないような感じ。(ただし、おしゃれに気合を入れている子の服は、派手なフリルやら光る服やら斬新な裁断のデザインで、一昔前の竹下通りファッションみたいだけど)貴州の少数民族衣装は、色彩感覚が豊かで、銀のアクセサリーをじゃらじゃらと付けるので、その美的感覚の影響なのだろうか?などと思ったりする。
それに比べ、成都の繁華街を歩く女性は、アクセサリー類をあまり身につけていなかった。北京ほどダサくなかったけど埼玉ぐらいの地味さ加減。女性の地味度は、北京>成都>貴陽の順。
おかげで、貴陽には売っていない、ユニクロ系の質が良くてシンプルな服や下着を買いだめすることができました。
それにしても、貴陽の女の子たちは、街で見ているだけで楽しいし、センスのいい人のあしらいを参考にさせてもらっている。まさか中国に来てファッションに気を配るようになるとは思いもよらなかった。
その4.欧米系飲食店と日本の大手小売業がたくさん。
マクドナルド、ケンタッキー、スターバックスは、貴州にはまだない。
エキゾチズムを求めてやってきた旅行者や、中国に来たばかりの外国人としては、これらの店のロゴを見たら、こんなところまでグローバル化の波が押し寄せている~と嘆くところなのでしょうが・・・実際私もちょっとつまんないな~と思ったのですが・・・考えてみると、生活している外国人としては、素直に嬉しいなと思う。
特に、ブラックコーヒー党としてはうれしい。
こっちの喫茶店で出てくるコーヒーや、スーパーで買うインスタントコーヒーは、モカもコロンビアもブラジルもすべてカフェオレになって出てくるからだ。苦いから、という理由で、ミルクと砂糖が勝手にどっぷりと入れられてしまう。あるいは、コーヒー店と看板が出ていながら、そのメニューにはカプチーノとエスプレッソしかなかったりする。
成都はさすがスタバがある街だけあって、街頭のコーヒーショップでもブラックコーヒーが出てきた。それに歓喜する私・・・やれやれ。
さらに成都にあるのは、イトーヨーカ堂、西武、伊勢丹。こういう店も貴州にはまだない。
とりあえず、何があるか入ってみる。ヨーカ堂の高級生活用品売り場の一角に、「日式用品」と称する、日本の百円ショップと同じような品揃えの、10元ショップなるものがあった。そこで、木製のお椀や、日本で普通に使われている先の尖った塗り箸を、たくさん買い込んだ。自分の普段使いにするほか、教材用、お土産用、文化祭用にするため。
こっちのスープは、ごはんのお茶碗と一緒の瀬戸物で飲むので、手に持つと熱い。箸は四角い割り箸をごつくしたようなデザインばかりで、箸の先端がどれもこれも太くて食べにくい。そんな細かいことは、こっちの物を使って慣れればいい、と最初のうちは思っていた。が、毎日毎食、味噌汁を手で持てずにレンゲで掬って犬食いのように飲んだり、太い箸が手に合わなくていらいらしたりする、そんな苦労はもう疲れたのよ・・・。
ヨーカ堂よ、ありがとう。
5.庶民が茶館でお茶している。
貴陽にもあるのだろうけど、目立たないし、貴州人と一緒に行動していて、「疲れたからちょっとお茶しない?」みたいなことを言われたことは未だない。
成都は茶を飲む習慣が根付いている。
そこここに茶館を見かける。
貴州人いわく、成都人は茶館で一日中マージャンや将棋をしているのんびりした人々、なのだそうだ。
入ってみると、メニューには何十種類もの茶のラインナップが。
ガラスのコップに入った緑茶を飲み終わると、すかさずウェイトレスのお姉さんがお湯を注いでくれ、4杯~5杯は軽く飲んだ。少しずつ味が変化していくのが楽しい。
6.料理が口に合う。
四川料理は辛い。貴州料理と変わらない。と聞いていたが、
今回、四川の食堂やレストランで食べた料理は、貴州ではあまり見たことのないような煮物やあんかけの類があり、どれもこれも、何を食べても美味しかった。
なんといっても、どの料理にも、だしと塩分の味がする。
そして、信じられないことに、辛いのに美味しい。
麻婆豆腐や回鍋肉は辛くて食べられないんじゃないだろうかと思ったが、きっと観光客用のレストランでは大辛なのかもしれないが、観光客用でない店でばかり食べていた私にとっては、貴州料理よりも全然辛くなくて、くどいようですが、塩分とダシの味がついていて、おいしかったのです。
さすが川菜、中国4大料理の一つ。
こっちに来てから、自分は味盲になったんじゃないかと心配していましたが、今回川菜(四川料理)を食べて、舌はまともなままだと安心しました。
7.平原と広い川がある豊かな土地で、人口が多い。
中国人が、四川は中国でいちばん人が多くて、中国人の10人に1人は四川人なんだよ、と言っていた。
たしかに郊外も街も人が多いと感じる。
道幅がとても広いのに、北京のように道の広さを感じないほど、人が多い。
成都郊外には平原の穀倉地帯が広がり、昔から豊かな土地だったんだろうなと思わせられる。
貴陽のように郊外に行っても山が見えないのが新鮮だった。
あ、ここはやっぱり大陸だったんだ、と思う。
他にもいろいろな事を発見しましたが、ここらへんで、おしまいにします。
道教の寺にて。
劉備玄徳と孔明を思いながら。