中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

雨の朝、月の夜

2007年07月30日 | Weblog

雨が多い地方だと聞いて覚悟して来たが、東京と比べれば、さほどでもないぞ。と思っていたのだが、今年は特別雨が多いらしい。四川や重慶では大雨の被害も出ている。

期末成績の書類に、事務方から直しが入ったりして、同僚は残業の日々だ。
夏休みなのに。
これまでも、同僚が夜10時過ぎまで残業していることが、しょっちゅうあった。私としては、うら若くて美しい女の先生たちが、研究室で一人残業しているのが心配だわ。

今日も夜10時に、お先に失礼します、と職員室から外に出る。
と、校舎の空き教室が、蛍光灯で輝いている。いつものことだが、夜遅くまで、学生たちが自習するのに教室を使っている。学生どうしで話しているようすもなく、一人ひとり離れて座り、下を向いて黙々と勉強しているようす。
夏休みなのに。



きみたちには降参。
勤勉さにいつも圧倒されっぱなし。
わたしゃ半日インターネットで選挙速報なんか見てだらだらしてたよ・・・
ああ、今夜は満月がきれいだ。
ちょっと手を休めて、月を眺めてみようよ。





近況

2007年07月28日 | Weblog


大雨があがって、空気が澄んでいる。
9月のような涼しさで、昨日も今日も長袖で過ごした。

成績表の書類が1クラスにつき6種類あってややこしく、成績登録用ページのサーバーエラーが続いていて出せない状況ではあるものの・・・
どうやら本格的に夏休みに入ったらしい。

・・・つい、ひとごとのような言い方をしてしまうが、1ヶ月も休みがあるなんて、本当に久々のことだ。何をしようかと考えるだけでハッピーな毎日である。学生時代にはみじんにも感じなかったが、夏休みの予定を考えることができる余裕がある生活ってなんて幸せなんだろう。時間的経済的精神的、それぞれの余裕のバランスがとれていないと味わうことができない余裕だと思う。
でも労働者として当然の権利だったのかな・・・。

省都以外の土地をいくつか訪ねてみたいし、旅行らしい旅行をしたい(計画しはじめるのが遅い・・・)。
それに、まとまった時間で集中してやりたかったことを色々と考える。
取り寄せていた論文コピーと送られてきた学会誌に目を通す、オンラインジャーナルをチェックしておく、同僚が授業で使っている『新世紀大学日語』『標準日本語』『新編日語』の教科書分析をしておく、作文の授業のコースデザインをする、中国語の試験にむけて勉強をする、図書館で和文翻訳版の現代中国文学を読む、などなど。

が。
目前の日々の仕事から解放されたとたんに体調不良に陥るという、れいによってれいのワンパターンで絶不調のあまり今週は寝てばかりいた。
しーん・・・。

雑貨

2007年07月26日 | Weblog

日用品を買いに行くと、日本語表示の物もけっこうあって、一瞬ここが中国だということを忘れます。よく読むとありえない日本語なんですけど。「楽しい生活、好ましい品位、大気楽!器用な手先でお宅の飾りに協力!」
言いたいことはよく分かるよ・・・。
こういう物は日本に渡って百円ショップに並んだりするんだろうな・・・。

多言語社会

2007年07月21日 | ことば
授業がなくなって2週間。なんとなくいらいらする。エネルギー源を失った感じ。そういえばわりとワーカホリックだったっけか?と自覚する。先輩隊員や同期隊員から、着任して数ヶ月の間授業がなくて・・・うーむ。という話を聞いたことがあるが、今やっとその気持ちが分かった気がする。

友人が夜遊びに連れて行ってくれた。これは地下通路。




ピザハットを発見。



浙江省の人が同席していたので、みんな普通話だった。
標準中国語なら、意味が分からないままずっと聴いていても疲れないということに気がついた。自分にとってどうもズーズーッ、ツッ、という音が多い早口の方言が疲れるだけらしい(わがまま)。
ところで、浙江省の人が電話で同じ省の人と話しはじめると、これもまた独特な言葉で、貴州人は「今話している言葉はぜんぜん理解できない」と言った。「単語ぐらいは分かるんじゃないの?」と聞いたが、分からないという。

それなら浙江と貴州ほど離れていない、近接する省なら分かるんじゃないかと思うが、そうでもないらしい。
貴州の近隣の広西チワン自治区出身の学生同士が話している言葉も異国語のようで分からないというし、このへんのコピー屋や印刷関係の店は、ほとんど湖南省の人たちがやっているそうだが、またこれも異なる言語のような発音をする。そして貴州省の中でも貴陽弁とか遵義弁とか、バリエーションが豊富だ。

そんなわけで、ちまたの店や市場では、
「え?なんだって?」
「~だよ!」
「~でいいんだね?」
「そうそう!」

という相手の言った事を確認するやりとりがしょっちゅう行われている。
そのせいか、私が「え?何?」と聞き返しても日本人だと思われず、
「私の普通話の発音が悪いのね・・・」
と相手のコンプレックスを刺激するだけだったり、
(この人普通話が話せないほど教育を受けていないのかしら)
などと馬鹿にされたりしているようなのが、ちょっと悲しい。





ハス

2007年07月20日 | 

ハスの実が生で食べられるものだとは。
すすめられて、食べてみたら、なかなかいけてた。
・・・今後、日本でもハスを見たら、おもむろに摘み取って、むしって食べようとするかもしれない自分を想像中。

ホームシックなの?

2007年07月17日 | ことば

中国で働きはじめてもうすぐ3ヶ月になる。
中国の人々の印象は、パワフルで仕事が速い人々だなあ・・・という感じ。
パワフルといえば、最初の職員会議の時、5~6人が一斉に話しているのを見ていたら、ふと、ネパールの街中でヒンディ語を話すインド人グループを思い出したりもした。なんとなく似ていた。・・・とはいえ、同僚はさすがに大学講師だけあってみんな上品だと思う。街やバスの中にはやけに大声の人々が・・・。

今日、中国人数人と食後に散歩している時、世話役の先生が、
「センセイは最近、寂しそうな顔をして遠くを見ることがあるよね、ホームシック(想家)なの?心配なんだけど・・・」
と真顔で心配してくれたので、正直に、
「いや・・・中国語を聴き続けると、時々疲れるんだよ・・・」
と言ったら笑われた。
中国語は抑揚が多く、子音が多く、日本語にない有気音や鼻母音や捲舌音があって、日本語よりも口の動きが忙しい。わりと弾丸トークに聴こえる。
仕事の徹夜明けで眠かったり、疲れ気味だったりすると、耳が中国語の聴き取りを拒否しがち・・・。もっとヒアリング能力が上がったらそんなに疲れなくなるんだろうけど。

もしかすると、言語がパワフルな構造だから、この人たちはこんなにエネルギッシュなのだろーか。音素がエネルギーを要求するから、基礎の筋トレがばっちりで、食事もいっぱい食べるし、元気なのかなあ。



卒業

2007年07月14日 | Weblog

中国の大学は9月新学期制。
7月に入ってから学内の路上は卒業生のフリーマーケット状態で、古本や生活用品が売り出されていたのですが、それも無くなり、今週末には大学を去っていく卒業生が多いようです。宅急便サービスに荷物の山。

一年の区切りが終わって夏休みっていうのもなかなかいい感じ。でも、すこし寂しい初夏の風が吹く土曜日でした。



太らないサイクル

2007年07月13日 | 
担当科目の期末試験が終わったので書類書きにひきこもる一日。
ひきこもってるのに、ぜんぜん終わらない・・・。はふ~。

油っこい物を食べたくないので今日も自炊したが、バリエーションに困る。鳥インフルエンザのせいか市場で鶏肉を売っていないし、牛肉は水牛なので固く、魚介類は市場にもスーパーにも無い。蛋白源はひたすら豚肉と卵。豚肉のハンバーグを作ってみたけどいまいちまずかった。

こっちに来てから、日本食の味付けって、塩・しょうゆ・ダシの3パターンばっかりだったんだなと気がついた。
というのも、こっちの料理の味付けが唐辛子と酢のパターンから成っていて、この唐辛子の味で育った人々はその微妙な風味の違いが分かるから食べ飽きないのかもしれないのだが、私にとってはすべて同じ味にしか思えないからである。そしてそれはたぶん、日本食のダシと塩分の味付けが外国人にとっては全部同じワンパターンの味に感じるのと同じことに違いないのだろうけど。

たとえばこんな料理が地元の料理。



きしめんのような麺を同じく唐辛子と酢の汁で食べる。



どっちも同じ味にしか思えない・・・
しかも昼ごはんや晩ごはんのおかずだったり主食だったりするんだけど、軽いおつまみにしか思えない・・・

どくだみ料理は、漬物のような味がして私はけっこう好き。



こっちの女の子たちはとてもスタイルが良くて、太ってるコをめったに見かけないのだけど、食事そのものよりも食事の仕方を見ているとさもありなんと思う。朝6時に起きて、中身が野菜の中華まんや餃子等をかじって、昼はこういう新陳代謝によさそうなおつまみ系のものを食べ、夜は夕方6時ぐらいに晩ごはんを食べて、夜12時くらいに寝るのだけど間食をしない。油っこい物を食べても、太らないサイクルだと思う。というわけで私もこのまま自慢のウエストのくびれを維持できそうである。うっしゃ。


上善如水

2007年07月10日 | ことば
酒のことを悪く書いたけど今はちょっと前言撤回したい気分。

上司への土産はやっぱり酒だろうと北京のイトーヨーカ堂で買った「上善如水」を持っていったら、これはどういう意味ですか?と聞かれたので、たぶん「君子の交わりは淡きこと水の如し」をもじったのではないかと言うと、いいや違うとにんまり笑い、「上善如水」は老子の言葉なんだよ、と教えてくれた。
うっ、そうだったんスか・・・
日本酒なのに老子の言葉だったんスね・・・
それを「日本の物です」と言って中国人へお土産として持っていってしまったことに若干の羞恥心を感じる。

で、食事をしながら一緒に飲みましょうということになる。
(中国のレストランのよいところは持ち込み自由なところ。これに慣れてくると、どうして日本のレストランは持ち込み不可なのかな?と思う。)
父と同じくらいの年の人と、普段いる通訳役の先生抜きで、筆談と電子辞書と『旅の指差し会話帳』をフル活用してお話。上善如水の句の中国語読みを教えてもらうのも、「日本の酒はジュースです」と言いながらビールジョッキで日本酒を飲んでいる人を見るのも、とても楽しかった。夜9時を回ってから、「部下が待っているからこれからまた仕事に戻ります」と言って立ち去った後ろ姿は日本のおじさん方と同じく哀愁ただよい、やっぱり中国の管理職も仕事量が多くて大変なんだなと思う。

最大のストレス

2007年07月10日 | 

最大のストレス。それは酒席である。
日本でもここでも酒席はけっこうなストレス。
はっきり言って、ビールや白酒を「おいしい」と思ったことが一度も無い。
ビールは炭酸が嫌い。白酒は強すぎて消毒薬みたいな臭いがする。
だいたい、酔って気持ちがいいと思ったことが無い。
慣れるものだと言われて飲んでみても、舐めただけで頭が痛くなる。
体質的に無理な物は無理。
だから歓待され、お酒をすすめられても断らなければならず、ひたすら申し訳ない気分になる。
俺らの酒が飲めないなんて気取っていると思われているかと思うと嫌な気分になる。場をしらけさせてると思うと身が縮む思いがする。

それで人間関係がうまくいかなくなっても、もーしょうがないや!と思い始めた。
飲めないからといってうまくいかなくなるような人間関係ならその程度のものだ。と、自分をなぐさめる。そもそも無理してお酒を付き合わなければならないのが大人の人間関係の義務なんておかしいと思う。
そういえば会社員時代も飲み会の付き合いが嫌だった。
だんだん腹が立ってきた。ぷんぷん。

P君

2007年07月08日 | Weblog
空港で、昔からよく知っている男とばったり会った。

なんだか見た顔だと思ったら・・・!

懐かしいな。

しばらくぶりだね。

10年以上かな。
どうしてたの?
北京にあなたがいるなんて、驚いたよ。
こっちもだよ。
ほんとね。
なんだか・・・ちょっと見違えたね。
たくましくなった?スケールでかくなった?
かもしれないね。
でも、その涼しい目つきは、昔と全然変わらないよね。なんだか不思議。
年、とってない?
ぜんぜん。若いままね。
君は変わった?
うん、変わったみたい。私、あの頃は子供だった。
・・・今はあなたみたいな甘さも軽さも、もう物足りないもの。
そうか・・・。俺、これでも中国で人気出てきたんだぜ。
がんばってるみたいね。
うん。
・・・で、あなたの中国名の「経典浪漫」って、一体どういう意味なわけ?



ほっ

2007年07月06日 | Weblog

北京から貴陽空港に降り立つと、たった5日しか上京していなかったのに、ほっとしている自分がいた。ああ、私は本当にここに住んでいるんだな、と実感した瞬間でした。
天気がいいのに涼しいし、緑が多くて空気がおいしい。
やっぱりとてもいいところです。
周りの人も皆優しいし。

シャクナゲは標高が高い場所によく咲いている花ですが、近くの公園で見つけて撮影。