中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

渓谷でラフティング

2008年08月27日 | その他の観光地

これは、八卦のかたちを表象する田んぼ。あの、当たるも八卦当たらぬも…の八卦である。

実は貴州省は、中国随一のラフティング・スポットなのだった。

興義市からバスで20分くらいの所にある馬岒河渓谷へラフティングをしに行った。

前日は大雨で、当日午前も雨が降っていたせいか
、受付には団体客ではなく、省内からふらっときた私のような客ばかり。

荷物はカメラや財布を含め全部預けなければならないと受付のお姉さんが厳しい顔で言った。

だから写真が撮れなかった。

が、預けずに隠し持って乗ったとしても、撮れなかっただろう…

船頭さんが前に3人、後ろに2人ついた。
乗客は子供2人を含む10人。
誰しもが普通の観光客っぽく、普段着の上に、借りた救命衣、ゴムサンダルという出で立ち。

「船頭さん」と呼ぶぐらい、私は「長瀞渓流川下り」のような観光っぽさを想像していた。

いきなり濁流が襲って来た。
客は皆、頭からずぶ濡れになったが、嬌声を発して喜んでいる。

全行程はどれくらいかかるかと聞くと、なんと、1時間半。

急流でないところは、グランドキャニオン(行ったことないけど)のような異界の絶景に圧倒され、急流では濁流に顔がひきつり、生命の危険を感じる。それを20回は繰り返した。

そのうち、前で漕いでいる船頭さんの一人が激流で「沈」した。

落ちて流された後、瀞場でなんとか乗船したが、オールは行方不明。

後で同行の友人に聞いたら、よく地元の新聞に水難事故が載っているよ、と言う。

そうだったのか。それを早く言え。いや、それを聞いていてもこんな面白い事は決行したに違いないから、言わないでいてくれて正解だ。

中国語でラフティングの事を「漂流ぴゃおりゅー」と言うのだが、日本語で「漂流ひょうりゅう」しなくてよかったよ。

貴州省興義市

2008年08月26日 | その他の観光地

貴陽市から高速バスで5時間、貴州省最南端の町、興義市に行った。
ほとんど雲南省と広西チワン自治区に近い。

先週行った黔東南と呼ばれる地域は、日本の東北地方に似ていて山深く貧しく何時間悪路を揺られても特に目新しい風景という感じがしなくて車酔いしそうだったのだが、黔西南はポコポコしたおむすび山と平野の続く、明るい異郷の地で、らりほ~だった(?)。

これは万峰林という有名な観光スポット。

晩婚のススメ

2008年08月23日 | Weblog

破除早婚陋習 提唱晩婚晩育

「早婚の悪い習慣(陋習ろうしゅう)を打ち破り、晩婚と高齢子育てを奨励する」
というポスター。
貧困対策で人口を抑制したい農村だけかと思ったら、近所にも貼ってあった。

「少なく産んで大事に育て、国力増強じゃよ。」という論法なのだろう。

あるいは、少数民族は特別に「一人っ子政策」と関係なく子供を産んでいいことになっているので、
「いや、少数民族の人口があんまりたくさん増えすぎて漢族とのバランスがとれなくなってもねえ、ちょっとどうかと思うわけなんで…まあ、そういうことでね、ひとつご理解いただきたいと思うんですよハイ」
なんてことがあるのかもしれない。

日本の少子化対策に悩む偉いおじさまたちは、標語にこそしないものの、

「昨今の女性は高学歴化して、晩婚になって子供を多く産まなくなったから困ったもんだ。みんな早く結婚して子供を産みなさい健全な社会のためにお国のために」

と思っているに違いないので、国が違えばオヤジ的ご都合主義も正反対になっていて、可笑しい。

…でも、日本で行政が、「晩婚晩育の悪い習慣を打破せよ、早婚推奨」っていうポスターを作って貼ったら、すっごい反感買われるだろうなあ…


猫も杓子も

2008年08月19日 | Weblog
猫も杓子も「奥林匹克(オリンピック)」なのである。
張三李四(張さん3人李さん4人、すなわち誰も彼も、どいつもこいつも)奥運(オリンピック)。

汽車の中の窓はもちろん


バイクだって


農村の鼓楼


もっとアップ。



「黎平県肇興郷の人民はオリンピックを喜んで迎えますぜ。」と書いてある。

黎平県芭沙村

2008年08月14日 | その他の観光地

お仕事ツアー5日目。

男性のヘアスタイルはちょんまげ。
髪を切る光景。

芭沙村は、山の狩人たちの村。
歓迎式は鉄砲をぶっぱなしてくれる。

芭沙村の男たち


芭沙村の女たち



ちょうど中国も日本と同じお盆開始(8月13日)で、
中国語ではお盆を「鬼節」と言うのだが、
ガイドさんについて皆で村に入ると村人たちが、

「こんだぁ、どこの国だ?」
「日本だってよ」
「そうか、鬼節に鬼子が来たってわけか」

などど話しているのが聞こえてしまった。
鬼子(グイズ)とは、日本人の蔑称である。

鬼子という語を聞いた上海か北京あたりの普通話を話す中国人観光客が即座に
「あの人たちは日本人よ」と反応して、高校生ぐらいの子供と一緒に屈託無く「モシモシ、コンニチハ」と言ったのだが、いつものように愛想を振りまく気にはなれなかった。




黎平県肇興村

2008年08月13日 | その他の観光地

教材おしごとツアー4日目その3

トン族肇興村では、一人あたり100元(1500円)出して歓迎式の歌と踊りを撮影。

トン族は歌が上手。音楽好きで有名な民族。



そういえば移動途中に通りかかった農村でも、日本の雅楽で使う楽器「笙」と同じ音色の「芦笙」を吹いて踊って遊んでいるところに偶然出くわした。



肇興の朝




肇興では貴州旅行で初めて欧米人観光客の姿を見た。
観光地だが、観光化と生活のバランスがちょうどよくとれていていい感じだった。今回のお仕事ツアー参加出演者たちの間でも一番人気だったようだ。
願わくば、雷山や西江のような施政者たちの勘違い気味の大規模観光開発をしたりしないでずっとこのままであってほしいのだが…



黎平地坪風雨橋

2008年08月12日 | その他の観光地
教材オシゴトツアー4日目その2

トン族といえば、釘を一切使わない宮大工。
これは有名な風雨橋。



会合が開かれたり、農作業の合間に休憩したりするほか、カップルが愛を語り合う重要な場所なのだそうだ。

カップルがいたら、村じゅうからよく見える。昔からドロドロとか修羅場とか色々あったんだろうなあ。などと、しばし勝手な妄想を膨らます。



さて、今夜の宿は、トン族の鼓楼建築で有名な肇興村。

棚田の間、遠くに見える肇興村全景。







貴州省雷山県西江

2008年08月10日 | Weblog
教材撮影お仕事ツアー2日目。

最大のミャオ族の村、西江。



来月、観光開発会議イベントをやるとかで、ほとんどが工事中だった。
村全体が、おいおい…というぐらい大工事中だった。
しかも突貫工事のような。
近くによって見ると、新しい木材の古さを演出するためにスプレーのペンキで茶色い色をかけていたりする。
写真下の川べりに舞台、対岸に花火大会のような客席が建設中。いかにも中国らしく後先考えないような派手派出しい舞台だなあと、日本人的には思うのだが…。



それにしてもおばさんたちが工事現場で土方仕事をしながらも皆頭に花をつけているのが不思議な光景だった。ミャオ族の女性はどんな時でもこの髪型なのだろうか。


オトモダチになれない

2008年08月04日 | 


大連~内モンゴル~雲崗石窟の旅を終えて、貴陽に戻った。
貴陽で行われる国際学術シンポジウムに参加するために、早めに切り上げて戻った。

中国各地の大学から日本語専門の有名教授たちが来ていて大盛況だった。
皆さんせっせと名刺交換するところはさすが日本経験が長い人たちらしく日本っぽかったが、3晩連続で宴会があるところなんかは日本の学会と違ってやっぱり中国っぽかった。

宴会で、中国北方の人たちと南方の人たちはノリが違い、さらに大都市の人たちは地方の人の飲み方とかなり温度差があり、地域差は大きいんだな~と目に見える地域差に感心した。

こちらの料理といえばなんといっても豚肉である。
ダシにも豚肉は欠かせない。

中国人(漢族)のひとたちは人と仲良くなるにはともかく食事を一緒にすること。そして一緒にお酒をイッキ飲みすること。

そういえば。
イスラム教のひとたちは、豚肉は絶対に食べない。
お酒も飲まない。

そう考えると、政治や歴史のことはさておき、新疆の人たちと漢族の人たちは、その面だけでもオトモダチになれそうにないなあと思う。

食習慣と食文化は侮れないぞと思うのである。