中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

小さく有名

2008年11月29日 | Weblog

配属先からはすごくよくしてもらっていて、お姫様扱いと言ってもいいぐらいだ。
最新の2LDKの広くて快適な部屋を使わせてもらっている。
他の協力隊員が泊まりに来たとき、かなり驚かれた。
他の部屋をあれこれ見せてもらって、私の部屋がこの外国人寮のビルの中で一番いい部屋なのは確かなのだが、半地下なので日中も暗く、窓に鉄格子がはまっている上、一歩外に出るとそこは職場、という環境は、どうにもいたしかたない。

よく大学構内からバスで1時間ほどかけて市街地に出る。そうするとわりと圧迫感や精神疲労が溜まらないですむ。

大都市でよく見かける1元の大型バスは遠回りで時間がかかるので、
2元(夜は3元)の乗り合いミニバスを使うことが多い。

ミニバスはバス停があったりなかったりするが、
降りる客が少ないバス停で降りたい場合は意思表示をしなければならない。

ミニバスは定員オーバーでよく警察に捕まって、降ろされる。
警察が近づくと、立っている乗客は「しゃがめ!」と命令され、隠れなければならない。

バスの運転手や車掌には標準語(普通話)が通じない。
ここに来て1年8ヶ月がたち、今では地元の言葉で「おります!」と言えるようになった。

「(場所名)めで?!」=(場所名)で降りる人はいますか?
「有下!!!」=います

「有」は標準語では3声だが、貴州語には基本的に3声がないので、4声になる。
だから、「4声+4声」のかなりきつい感じで怒鳴らなければ運転手は聞いてくれない。

そして、最近は車掌のいないワンマンバスが増え、小銭が無いと、客が他の乗客と交渉したり乗ってきた新しい客などからお釣りをもらわなければならない。

先日うっかり、10元札しかないのに乗りこんでしまった。

乗ってきた客も「小銭無いよ」と冷たい。

料金箱の前で立ったまま、どうしようかと思案していると、運転手から、「なんでおまえは小銭が無いのに乗るんだ」とののしられる。

そう言われてもどうしようもないし、どうすればいいんだよーと思っていると、

知らないお姉さんが、
「あなたは私たちの学校の先生でしょう?私が払います」ときれいな標準語で言って、ぽいっと料金箱に3元入れてくれた。

大感激。
知らない人が私の事を知っていて助けてくれるなんて。

たぶん、他の学部の学生さんか、大学の他のセクションの職員さんだったのだろう。

中国では教師はそこまで尊敬されているのか…?いや、同僚の教師も、いくら中国で教師が尊敬されているといっても私はそんなこと経験したことないよーと言っていた。

1年8ヶ月も住み込みで働いているだけあるなあ、外国人が少ない土地でがんばっているだけあるなあと思わぬボーナスをもらった気分だった。
たかがバスの乗車料金と言うなかれ、その心意気うれしいねぇ。

まあ、「小銭ないです…」とたたずむ私の様子があまりにも哀れっぽかったからかもしれないんだけど


で…、
知らない人が私を知っている…ってことは、市街地に出ても、ばかな事はできないってことね。

結婚式シーズン

2008年11月22日 | Weblog


秋は中国でも結婚式シーズンのようだ。
こちらの結婚式は宗教色も式典らしさもなくレストランの人前式。
会場正面には定番の芸能人風ラブラブ写真。かわいい。
司会者がプロレスの実況中継のように二人を盛り上げていた。

レストラン内にめずらしく、もーしゅせきの像があったのでパチリと1枚。



料理はやっぱり、唐辛子の炒め物のフルコースなのね。

けど、唐辛子って赤いからおめでたい感じ?



茶道

2008年11月20日 | Weblog

重慶の日本領事館に援助いただいた文化祭の一「活動」。
お茶の先生をお招きし、茶席をご披露いただいた。

日本で茶席に呼ばれたことが何度かあるが、実はあまり好きではなかった。

手の洗い方から茶室の入り方まで細かい決まりをあれこれ言われ、(客を1杯の茶でもてなすだけなのに、そこまでいちいちルールを作ってなにが楽しいんじゃ。茶を飲んだ後で客が器をほめることまで儀礼化しなくたっていーじゃん。それって、いまいちな器もほめなくちゃいけないってわけ?)と思っていた。

が、今回、自分の茶道に対する印象が変わった。

日本の茶道はすべてが細やかで神経が行き届いていて繊細で、本質的な優美さの体現である。

「日本文化は繊維です!」と言った学生がいたが、「繊維(せんい)」ではなくて、「繊細(せんさい)」だからね。

そういえばこの国で「神経の細やかな接客」というのは存在しないし…
学生たちもその細やかさに驚き、感嘆の溜息をもらしていた。
日本語学部以外の学生たちの参加と質問も続出した。
日本の「ちゃどう」はすばらしい!…「ちゃどう」じゃなくて「さどう」だからね。

残念だったのは、茶席に入ったときに客をくつろぎの世界にいざなう「香」がにおわなかったことだ。焚いてはいたけど、部屋に充満しなかった。

なぜなら、こちらでは冬も(なぜか冬になると特に)戸や窓を開けっ放しにして、教室やレストランでジャンパーやコートを着たままでいる習慣があるので。

ああ、そんな貴州の冬がやってきたなあと思う最近の天気である。

人事

2008年11月18日 | Weblog

外人先生は会議に出ないので(ちゅーごくきょうさんとうのとういんではないので当然といえば当然だが)知るのが遅れたが、大きな人事異動があった。首脳陣の大移動。

日本語学部がある外国語学院はそれ自体カレッジで、その上の大学はユニバーシティで、つまり英国方式だ。

それだけなら分かりやすい。

が、ユニバーシティの副学長は6人いる。
外国語学院カレッジのトップは院長と書記長の2人だ。
日本語学部主任は今回副院長に昇格したが、カレッジ副院長は合わせて5人いる。
カレッジ副書記も何人もいる。

そんなに人数が多かったら、誰が何を担当しているのか分からないんじゃないのかと思うが、実際、先生たちもみんな上司の誰が何を担当しているのか把握していないようだ。
本音で話せる友人に、どうしてそんなに上司の数が多いの?と聞くと、権力の集中を防げるでしょうという答え。
なるほど…でも、うーむ、わかったようなわからないような…。

外国の組織で働くと、組織の成り立ちも考え方も組織文化も当然日本とは違うので理解できないことが多い。さいきんようやく「中国式」がなんとなく分かってきたが、やっぱり日本と違うなーとしみじみ思う。しかし、働いてみないとぜったいにこの国を深く理解できなかったろうなーということも多いので、働いてよかった。…いや、よかったようなわるかったような。

愛が深まる秋

2008年11月10日 | Weblog

今年も文化祭が無事に終わった。
これは恒例のパラパラ。
去年同様、閉幕式が一番文化祭(日本の)っぽい。

あ、~さんだ、おおっ、こんなに歌うまかったんだ~!
おっ、~さんだ、いつも教室ではおとなしそうな子だけど、すごーい!パラパラもセクシーダンスも得意だったんだ~。
うひょー、~くん、舞台で熱唱して女の子からきゃーきゃー言われてるよ!女子に人気だったんだな。
やや、~くんと~さんだ、ふーんカップルだったんだ。
等々、
学生たちの普段見れない顔をたっぷり知る。
そして、愛が深まる。
学生たちに深い愛を感じるなんて、自分が意外である。
やっぱりトシかなあ。
今の3年生は、1年生の時から見てるし…

パラパラの他は浪花節を踊ったり、NANAの主題歌などを中国語と日本語で熱唱したり、アフレコで、ハチクロと、ファイナルファンタジーを情感たっぷりに演じてくれたり…ここまでは、なんとか私もついていけた。ひゅーひゅー!ってなノリで。…が、今年もトリは皆大好きコスプレだった。知らないアニメだった。最新アニメ?やっぱトシだなあ。