中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

謝辞祝辞

2007年09月08日 | ことば

創立記念日に、大学内に日本語文献館と大学歴史資料館と自然博物館が開館した。

以前、式典に呼ばれた時に、通訳の先生の日本語原稿をその場で校正するという、気分は国際報道部ニュースデスクのような仕事をしたことを思い出し、木曜の夜にマニュアル「日本語謝辞祝辞文例集」を編集しておいた。

予想が的中し、金曜日の朝9時に電話で起こされ、15分後には教員室で、幹部の謝辞の通訳原稿をみていた。なんと朝8時半から幹部の会議があったらしい。
教授歴10数年の先生でも、「ご列席賜り、厚く御礼申し上げ」とか「祈念いたしまして謝辞とさせていただきます」といった式典決まり文句の日本語は理解しがたいらしい。だいたいスピーチ文は長文になりがちなので、日本人でもコロケーションがおかしくなりがち。その上、待遇表現が豊富。例えば、自分たちを主語にして「我が校は貴財団の~に選ばれまして」と言うのがおかしいところを「貴財団~に我が校を選んでいただきまして」と直す。さらに、やりもらい表現の語感。「授与」でいいのか「贈呈」か「進呈」か「手交」かといった語感に気を使う。

校正しながら、そういえば去年の今頃も日本で同じようなことをしていたな~と思い出す。編集室で企業の社史序言の謝辞祝辞を赤ペンで直していた。結局わたしは、どこにいてもどんな肩書きでも、特技は変わらないし同じような仕事をしているということか…。

その夜8時、スーツのクリーニングを取りに行っていると、携帯電話が鳴る。若手教師が明日急にスピーチをすることになったので原稿作りを手伝ってほしいとのこと。再び教員室に駆けつける。PCに向かい、日本語のタイピングは私のほうが速いので、共同で文章を作りながら、発音とアクセントの指導。夜9時になると、先週から指導していた代表スピーチの学生たちが来て、中国語の文が急に変わったので、日本語も手直ししなければならないとのこと。夜11時には先生二人と学生二人の原稿書きと発音指導を終えた。



自分と中国との相性がいいと確信できる点が一つある。
それは仕事の進め方。
出国する前の研修で中国生活の先輩たちから聞いていたのだが、計画は無いも同然、電話一本で直前に予定が変わったりするという。来てみて実際そういうところがあると感じる。で、ふりかえってみると私は元々スケジュールどおりに行動するよりも「瞬発力」勝負が大好きで、だからマスコミに就職したり、趣味がオフロードツーリングやスキーなんていう、度胸ととっさの判断力勝負のものばかりだったりするのだった、そういえば。
この国に来て、そんな自分の持ち味をあらためて発見できてよかった。

まあ仕事の面だけで、恋愛に関しては瞬発力も度胸もみじんもなく、相変わらずゾウガメのようなのだが…

これは化石↓





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