中国貴州省で日本語教師

2007年春~2009年春、青年海外協力隊

和食

2006年08月28日 | Weblog
青樹明子『日中ビジネス摩擦』新潮新書を読む。

JALが誤解されて民族差別と罵られた事件のことなど。
成田行き飛行機が天候不順で関空に不時着した際に、一晩足止めされた中国人乗客たちに、サービスのつもりでサンドイッチを配ったら、酷い扱いだ日本人は中国人を民族差別していると報道されて国中大騒ぎになってしまった事件。

著者は、厚意で配られた食事が、もしもサンドイッチではなくてカップラーメンだったらこれほどの騒ぎにはならなかったかもしれないと言う。

中国人は冷たいものは食べないのだという。冷たい食べ物=「残飯」なのだからだそうだ。著者いわくブタのエサですら温めて与える…冷たいご飯はブタ以下…

なにやら、戦時中米兵捕虜にゴボウをごちそうしたら「木の根を食わせられ虐待された」と思われたっていう有名な話を思い出す。

そうだったのか、それなら、
「冷やし中華」は完全に和食だったのか。
しかも中国人が絶対に食べないであろう和食。

まあ、日本には「ビーフカレー」などという和食もあって、
よく通りがかったインド人に首をしめられたりしないものだと思うのだが。


今日の芭蕉さん:尿前の関。
地図を見ると宮城県から山形県に向かう奥羽山脈越えだ。
山賊が出るから地元の若者に案内をたのんでびくびくしながら歩いたそうだ。
現代のネパールの山中もこんなかんじで山賊やらなにやらが出るので気をつけなければならない。山中の一軒家に泊まるところは、夏目漱石『坑夫』に出てくるシーンとイメージが重なった。

理系

2006年08月26日 | Weblog
昨日のお仕事:化学系学術雑誌の校正とレイアウト

「このように、○○ケイ素自身を△△で変容させることによって」

先生、先生が懇意にされているケイ素さんが変身されたようです。

「この結果得られた、この流体自身が~」

先生、先生の研究室に所属されている流体さんがご自身で実験をなさっているようです。

理系の日本語はこんな感じでおもしろい。

こんな文にびしっと赤ペンで線を引き、「自身」を「自体」に書き直す編集の仕事って、揚げ足とりの因果な仕事。

でもって、誤字脱字文法の間違いを見つけてもエラくもすごくもなく、誰も褒めないし、自分でも褒めない。なぜなら間違いは見つけて当然、見つけなかったらミスになるだけだから。厳しい仕事だ。楽しいのだけど。

今日の芭蕉さん:
平泉に行った。今日はつわものどもの夢の跡と、降りのこしてや光堂の有名な句が2つも出てきた。「つわもの」って、弁慶や兼房のことだったのね。彼らが北上川を隔てて戦った相手は、蝦夷だったのね。そうだったんだ。


等々

2006年08月24日 | Weblog
今日の校正仕事:Q&Aページ「グリーン購入法とは」。

環境省が定めた法律です。

「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」


等、多すぎ…

そんなに等をつけたら、何の法律かわかりまへん。
なんでもあり?

役人の言葉、逃げ口上多すぎ…


今日の芭蕉さん:石巻ではだれも泊めてくれようとしなかったので、貧しい小さな家に泊まったと書いている。でも、本文の下にある解説に「石巻の人の名誉のために注釈すれば、これは旅の悲惨さを強調するためのフィクションで」とある。芭蕉さん、ネタばらしされるとは思っていなかっただろうな、かわいそうに。

外国語のレベルチェックは難しい

2006年08月17日 | Weblog
昨日はがっくりしていた。

先週、ちまたの英会話スクールを見学しに行って、先生と30分話してみた。おお意外にも聞き取れるし話せると思った。
事務のおねえさんに、あなたほどのレベルのレッスンはこの教室ではやっていないので大きな駅の教室に行くか、レッスンは受けずにフリートーキングの部屋だけ出入りしてはと言われて、やるじゃん私、大学生時代に気が狂いそうなほど勉強して役にも立たないシェークスピアを読めるようになった苦労がむくわれた!と完全に舞い上がった。

が。

昨日試しにフリートークの部屋に参加してみると、なんだかついていけない。
言っていることはだいたいは分かるのだが、
クッじゅーすぴーく、もーあ、すろーりぃ?
しかも「太っている」という普通の単語がわからなかったりした…

それで、自分がなぜ今まで英語に苦手意識を感じていたのかが、判然とした。

私の英語は、「にもかかわらず、~的に~なのであるから、~によれば、考慮のいかんに関わらず、端的に言って~であると思われよう…」と、
シェークスピアや社会科学論文に出てくる語彙と構文から成っている。

で、先生は「こいつはものすごく英語ができるようだ」と思ったようだ。

シェークスピア&論文の難しい語彙を使う→英語ができると思われてしまう→先生がティーチャーズトークではない英語を容赦なく話す→分からないので苦手意識が増す→これはもっと勉強せねばと思って、自分にとってとっつきやすい専門書や英字新聞英語を読んで難しい語彙を覚える→その語彙で英語を話す→英語ができると思われてしまう…以下悪循環

考えてみると、日本語学習者の外国人が、社会科学論文や近松門左衛門の日本語を、話し出したとしたら、どうだろう。

かなり変な人だ。

私はその学習者に、なるべく漢字の語は使わないで話しましょう、漢字二字の語は、同じ発音で違う意味のある語が多いです。耳で聞いて意味がすぐに分からないことが多い。むずかしいので、日本人は話すときにはあまり使いません。と言うべきなのだろう。
…面白いからほうっておこうと思わないでもないが。

自分の英語力が相当偏っているという事実にがっくりしながら、学習者が難しい日本語を知っていたからといって、すぐにレベルが高いと決めつけないようにしようと強く思ったのだった。

2006年08月14日 | Weblog
お盆休みってなんですか

昔は私にもあったような記憶があるのですが

何年もないので意味を忘れてしまいました

道路に日頃運転しない人の車が増えてじゃまなことですか

電気も消えて、通勤もするなという

母さん、あの麦わら帽子はどこへいったのでせうね



しかたがないからせめて机上で旅をせんとす。近頃、芭蕉さんがずっと一箇所に留まっていたので、少し足を進ませてあげた。
『えんぴつで奥の細道』のことだ。
24日目まで行った。
だいぶ字が上手くなったようなきがする。

それにしても芭蕉さん、高校教科書に出ている日記では、「旅に死す」とか「草の戸」とか言って出て行くから、私はてっきり、すごーく貧乏で、修験者かサドゥーのようなアウトドアマンで、バックパッカー旅をしているのかと思っていました。

でも、実は、地方のリッチな文化人を訪ね歩いて泊めてもらって、もてなしの美味しい料理食べて、名所旧跡を見に行って、なんだか現代社会の50代おばさんみたい。さらに名所旧跡情報に詳しい曽良さんを連れているところ、編集者に道案内とネタ提供をさせて取材に来ているライターさんそのもの。


2006年08月13日 | Weblog
先日朝日新聞をまとめ読みしていたら、
どうしてお祝いの花に「~さんへ」の意味で「~さん江」
と書いてるのかという疑問が載っていた。
諸説あるらしい。

その新聞記者はまず国語学者に聞いていた。
江戸時代の庶民は「へ」を「屁」と連想したからです。
とその国語学者。

次に老舗の花屋に聞いていた。
「江」は「川」を連想させ、末広がりで縁起がよいのです。

なるほど縁起かつぎ。
なんとなく学者の説より花屋の説のほうが納得がいく。
だって縁起をかつぐほうが発想として自然じゃないですか。

でも今日ふと思った。
「へ」だって、末が広がっている。末広がりと言うのではないのか。
私は何か末広がりについて誤解をしているのだろうか。

八方手を尽くし

2006年08月11日 | Weblog
某大手企業労組ニューズレターの校正がまわってきた。
全16ページかそこら。

よーし、だいたいおっけー…
と表紙を見ると、

「ビールと発砲酒、比べてみると?!」

っていうふうなタイトルがでかでかとあり。

発砲酒…

それは…なんとしても身をかわさねばなるまい。

ふっき

2006年08月10日 | Weblog
世捨て人になるのは、簡単だった。
今がこんな情報社会だからこそ、あっさりと世捨て人になれる。

去年の今頃のことだ。
携帯電話を解約し、インターネットプロバイダを解約し、つまり使っていたメールアドレスをすべてやめた。一日で。
何ヶ月もの間、インターネットも、掲示板も、人様の日記も、何も見ない。
誰も連絡してこない。
あたりまえである。

それでも月日は流れ。
新しく始める仕事があり。
新しく始めた勉強があり。
自然、知り合う人々もあり。
新しい趣味まででき。
メールやネットのコミュニケーションがいやになって勝手に世捨て人した自分を反省したりもする。
携帯はもう買わないし、
すっかりネット不精。
こんなペースが私にはちょうどいいようだ。
毎晩メールチェックもレスもしない、ゆったり過ぎていく時間。
そろそろ過去の友人知人達に新メールアドレスを連絡しておこうかなと思いながら1ヶ月が経過。

気力がわいてきたから、ぼちぼちブログをやります。