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ねがうこと、ゆだねること

鯨は絶滅寸前という誤解

2010-05-31 | 環境
長年、国際捕鯨委員会(IWC)や
国際食糧農業機関(FAO)において
活躍している水産庁の小松正之さんの
『クジラと日本人』を読んで驚く。

クジラが絶滅に瀕しているというのが
誤解であること。50種類あるクジラのうち
かつては絶滅になるほど減ったクジラも
あるが、シロナガスクジラなど10種類を除けば
十分なクジラが海を泳いでいるらしい!

それは捕鯨を禁止しているIWCも認めて
いるのだと読んでとてもびっくりした。



なぜかというと、その昔欧米諸国にとって
クジラは油(街灯油やローソク)の原料と
して活躍していたのであって、食用ではない。

鯨油目的の彼らは、必要な皮や骨をのぞけば
海に捨てていて、日本人はもったいないと
思ってたらしい。

それが石油や植物油が安価になって代替に
なり、コストがあわなくなったので戦後各諸国は
捕鯨から撤退していったのだ。

黒船といわれたペリー来航が捕鯨基地の
要求だったことを改めて確認したし、
メルヴィルの名作『白鯨』も油目的
の捕鯨だったのだ。



それはちょうど日本の農業が自給率が
低いと危機感をあおる農水省の戦略に
無批判にのっかかって、自らの誇りを
減らす作業に手を貸していた姿に重なる。

クジラも絶滅危機というちょっと無理のある
論拠に欧米人と同様に乗っかかって、
日本の捕鯨文化や捕鯨産業の
復活に手を貸す側にいなかった。

それは鯨に興味がないからでは
ないだろうか?どんな種類があるかの
表がおぼろげにわかるくらい。

だったら少なくとも知らないから
わかんないっていう態度にとどめて
おかなきゃ。