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ねがうこと、ゆだねること

ジルバーマンでバッハを聴く

2010-05-21 | art
盲目の武久源造さんが
日本におそらく1台しかない
ジルバーマン・フォルテピアノを
弾くのをトッパンホールで聴いた。
(ちらしはこちら→
世界に2台しか残っていない幻の楽器を
深町研太さんが復元。

ジルバーマン・フォルテピアノって
チェンバロの最終形みたいなもので
晩年のバッハが酷評しながらも魅了
されてたらしい。

なので演目はバッハづくし・・
どこに惹かれたのかを想像する;
パルティータ第4番 ニ長調 BWV828
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903
イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971  
チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV1057
  (原曲:ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調 BWV1049)

そして酷評のわけは、そのチューニングの
大変さ。非道いときは楽章の途中で手を休めて
武久さんはチューニングする程。
それでもだいぶ落ちついてきたとのこと。



岡田新一さんの設計のトッパンホールは響きのまろやかで
豊かなホールで、磯崎新さん設計のカザルスホールが
残念ながら今年の3月で閉館を決定したから、小ホールで好きなのは
ここと紀尾井ホールくらい。どれも、音響は永田音響設計

武久さんはホールの豊かな響きと慈しむ楽器を楽しむかのように、
本人いうところの「ラフなプレイ」といった大胆な解釈で
バッハが要求した楽器の限界を試みていく緊密度のえらく
高い演奏会だった。