やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

『ダニーと紺碧の海 』を観て

2009-06-06 | art
長谷川征司と小谷まりの2人芝居を観てきた。

高円寺の明石スタジオという小屋で、
席数が40にも満たないところ。

間近にみる贅沢さ、途切れない台詞を浴びる
楽しさは、学生時代にいっぱい芝居を観ていた
感覚が少しよみがえった。

演し物はジョン・パトリック・シャンリィ 作の
『ダニーと紺碧の海 』。

映画『月の輝く夜に』でアカデミー脚本賞を
とった人の初期の戯曲。

ニューヨークの下町を舞台に、
孤独な男女が出会う・・といった
ありふれた話かと思わせたかとのもつかの間。

お互いの狂気と野生のぶつかり合い、
現実と幻想の行き来という激しさ、
出会いから一晩で結婚の約束までもっていく展開力、
そして最後のどんでん返し。

3幕ものだけど、休憩もなく一気に90分を演じきる。
役者たちは難しさとカタルシスの両方を
味わっているのではないか。
振幅と変化の激しい役どころだから。

僕が演出だったら、舞台設定を日本に
持ってきたかもしれない。

初演の1983年頃なら、遠いアメリカの話だった
かもしれないけど、今なら日本人という設定なら、
違和感は少なさそう。

日本人だったらどうするだろうって
解釈を加えるのも楽しいだろう。