みなりんの紀行文

写真とともに綴る、旅の思い出を中心としたエッセイ。
主に日本国内を旅して、自分なりに発見したことを書いています。

桜!桜!日本の春と一葉女史のお墓

2009年04月14日 01時18分44秒 | まち歩き

わたしは、花もちのいい日に、長い期間桜の鑑賞を楽しめまDscn5034 した。京王線沿線は穴場スポットがあります。これは、杉並区の神田川緑道です。非常に綺麗で

Dscn5036 「桜上水」からも、松本清張が住んでいた「高井戸」からも近いのです。

昔、井の頭線の電車から、清張の部屋の灯りが煌々と点っていたそうで、まだ起きて文筆か読書していたことがわかったそうです。好奇心と真実探求心を持った方だったようです。

可愛い八重桜が咲いていたり、染井吉野のほかに山桜が咲き乱れ、散ると粉雪のようでした。桜が目の前に迫って来て圧巻でした。静かな住宅街にあります。

Dscn5029 Dscn5040近所の方々が散策なさるだけのようです。

川には、ほのかにうっすらと赤みを帯びた、赤ちゃんのほっぺんのような色合いの花びらの絨毯ができていて、錦の布を浮かべたようで、見事でしたよ。

緑道を愛する方々の手入れがよく、道は綺麗に清掃、整備されていて、とても歩いて気分が良いのです。桜が開花する三月は、「夢見月」と別名で言われます。

川には錦鯉が泳いでいます。桜の花に埋もれていました。

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桜の花の異名は、「夢見草」と言われます。

夢を見ているかのように浮き立つかららしいのです。

わたしは、ふらふらと歩いては、上を眺めていました。夢心地でした。

子どもが桜吹雪の中、桜の花びらを袋に集めていたり、のどかでした。               

自分は東京の人だから、地方にはもっと素晴らしいところもたくさんあるけれど、身近に憩える場所を知っているのはいいことだと思います。Dscn5068 わたしのDscn5070 住んでいる地域ではないけれど、さまざまな思いを抱いて多くの人が歩くと思うと、桜は優しく微笑んでいるような気がしてなりません。

京王線に乗っていた時、以前気分が非常に悪くなり、駅員さんに話すと、優しく医務室のようなベッドで休ませてくださったことがあり、ほんとうに感謝しています。

吉祥寺もまれに行くのですが、紹介はまたにしたいと思います。

中央線もよく乗りますが、人身事故が多く、たいへんそうです。でも、中央線沿線もなかなか楽しい場所が多くあります。

さて、ここをあとにして、樋口一葉さんのお墓のある築地Dscn5082_2 本願寺和田堀廟所に行きました。

Dscn5073桜並木のトンネルを行くと、そこに一葉さんのお墓がひっそりとあります。

標識があるだけで、小径に樋口家の墓とあるだけです。

「桜の花を手折るのは嫌いだわ。ただ眺めているのが好きだし、風流だわ」というようなことを日記にしたためていて、さぞかし、一葉さんは桜のもとで喜んでいたことでしょう。              

Dscn5079 誰かお参りに来た人がいたようで、わたしは黙って合掌しました。

ここで一葉忌はなぜかしないようです。

一葉さんはこれでたぶん幸せだと思います。ほんとうに一葉さんが好きな人は、黙ってここへ来ることでしょう。

わたしは塩田良平氏を尊敬していました。一葉研究者です。あと、一葉を認めた森鴎外も嫌いではありません。凄い方です。わたしは、鴎外ももっと多くの方が親しめばいいと思います。

Dscn5085_2 ただ、どうも文体が難しいのかも知れません。桜の花が綺麗に散っていて、なんだか一葉さんと魂が触れ合いそうな気がして、まるで親族のように愛しいのです。

桜の花びらを嬉しくてかき上げて、手に掬いました。花びらをもって、一葉さんに見せてあげたくなりました。

お釈迦様が温かく見守っておいでのようです。この陽気で、桜が4月10日まで見頃でしたもの。

一葉さんが目指したものは何か、もっと知りたいと思いました。

こうして、京王線に乗り、帰ったのです。