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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

スーパーマツ(?)

2007-04-23 | フィールドから
・道立林業試験場の黒丸さんと内山さん、樹木園スタッフとともにグイマツ雑種F1の測定。このグイマツ雑種F1は只者ではなく、スーパー雑種F1である。何がスーパーかというと、成長と通直性ということになのだが、母樹は一般組合わせ能力が高く、自家不和合性が高い2母樹に絞込み、花粉親はカラマツ精英樹(複数、オープン交配)と決められている。戦略としては、極めて単純明快で分かりやすい。この試験地では、父親をDNAマーカーで特定してしまうというおまけ(?)まで付いている。これをやっているのは東大の井出先生の研究室の学生である。



・3班に分かれて測定。植栽時の樹高とその後に伸びた後の樹高を測定。さすが、スーパーというだけあって、70cm近く伸びているものある。普通は移植したら、その年はほとんど伸びないものなんだが・・・。当班では最大が165cm程度。しかし、他の班では2mを超えたものもあるという。おそるべし、スーパーマツ。


 
<写真では65cmに見えるかもしれないが、資源を無駄なく使うために1mは省略されている>

・若手2名に手伝ってもらって、苗畑ヤチダモのラベル付け。今年まで育てて、今秋には収穫し、乾燥重量を測る予定。今年も開芽フェノロジーをきっちりみるので、ラベルは必須である。「1時間以内には終わる」と豪語した割に、昼食までにできたのは135個体程度。総数1100本以上あるのに、これではいつになったら終わるんだ(全く計画が甘かった・・・)。さらに、3cmくらいしか大きくなっていないやつらは、すぐにラベルが取れそうだ。



・樹木園にて昼食後、梶先生から「ブナの葉が今週中に開く予感(?)するから見てね」、というメールを頂いたので、一応チェックに行く。古い方のブナ産地試験地の方は、もうしばらく動かなそうな気配。しかし、温度が一気に上がると危ないから、やはり、1日おき調査は始めるしかなかろう。一方、梶先生が集めたもう一つの産地試験地の集団は個体サイズが小さいせいか、はたまた産地のせいか、かなり芽が膨らみ始めている気もする・・・。うっ、全部やると心に決めたものの大丈夫か・・・!?


・樹木園では福寿草がところどころに咲いている。薄い青はエゾノエンゴサクである。何とも可憐な花をつける。控えめなところがいいのだが、かなり集まらないと目立たない存在である。



・午後から、ようやくペースをつかむことができ、ラベルつくりは一気に進み、700本を超えた。小さい個体の場合、クリップを変形させて固定することでラベル抜けも解消できそう(クリップってこんな使い方もあったんだ・・・)。”振り返るとそこに道がある”って感じはなかなか気持ちがいい。しかし、1本1本にラベルがついていると、いかにも「研究やってるぜ!」みたいな感じがしていいもんだ(実際やっているんだけど・・・)。父性解析が終わってからデータをつき合わすのが楽しみである。