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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

ラベルは大事

2007-04-25 | フィールドから
・富田くんのブログに、今回のカーネル個体差の解釈に関する批判が掲載されている。遺伝マーカーで行う親子解析(特に種子散布)では、種子散布量だけでなく、定着生存までを含んだ結果を見ているわけなので、解釈に気をつけなければならない、というのは全く同感。ただし、今回の場合には、(セーフサイトの存在とか実生の生存力に依存する)母樹ー実生(稚樹)カーネルを推定しているのではなく、種子散布そのもののカーネルを推定している(はず・・・)。

・つまり、倒木の有無とか質などは考慮した上で、種子散布カーネルそのものを推定しているので、必ずしも富田くんの指摘は当たらないはず・・・。うーむ、本当にそう考えていいものか・・・。結局、元のデータは倒木の有無に依存しているわけで、データ数の限界も考えると、いかに考慮しているとはいえ、結局、倒木の有無や質にかなり引きずられている可能性は否定できない(ような・・・)。個体差というよりは、風当たりみたいなものも含めて、個体+おかれた状況の”複合環境差”とでもいうべきものに相当のバリエーションがある、と捉えたほうがいいのかもしれぬ。いずれにしても、個体差うんぬんを議論するのは、用語の取り扱いも含めて要注意、といえそうだ。



・本日はブナ開芽調査日。まずは古い方の産地試験をチェック。お決まりの場所から写真撮影をする。よく見ると、個体番号が消えかかっていたので、木材チョークで書いたり、落ちてきた枝を整理したり・・・。こうした細かい作業は後々の作業効率を大きく変えるのである。しかし結局、ブナの開芽はまだまだ。しかし、今年は西日本のブナの枝曲がり(雪害?)がかなり目立つ。こうしたことは長期におかないと分からないことである。しかし、今春はそんなにひどい雪はなかった気がするが何でだろう??



・10時半より、再び若手職員2名のサポートをいただきながら、ヤチダモにラベル付け。1つ1つチェックしながらの作業なので、案外進まない。が、一度付けてしまえば、後の作業はうーんと正確(しかも楽)になるはず。これなら、正確なデータが取れそうだ。12時前にきっかりと終わる。予定通り。樹木園では新しい花が咲いている。イチゲの仲間かと思っていたが、調べてもらったところ、やはり「キクザキイチゲ」。なるほど。