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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

フキノトウの花

2007-04-26 | フィールドから
・昨日の夕方は、北海道大学の飯島くんにD論の内容(エゾマツとトドマツの倒木更新)を分かりやすく勉強会で話していただいた。両名にはそのまま宿泊していただいて、今日は雨交じりの中を案内。まず、直営現場に行く。標高800mを越えているので寒い。エゾマツ疎林を穴を広げるように伐採し、樹群単位で管理しようとする試み。そのせいか、伐出される材はなかなか粒ぞろい。それなりにいい値がつくんではなかろうか。



・しばらく見たのち、ストライプ状に伐採し、低密度植栽する現場を見る。現在は切り倒された木々が折り重なっている状態。30m幅なので、ずいぶん空けたようにもみるが、両脇のエゾマツの樹高が大きいので案外天然更新も期待できるかも・・・。乾燥のモンダイはそれほど大きくならないかもしれない。



・渋谷先生と択伐施業について雑談。蓄積ベースの従来の基準では、蓄積は保たれるものの、サイズ構造が崩れてしまう、というのは当方の意見と一致している。しかし興味深かったのは、樹高が高い木があると他がそれに追いつくために伸びるのだが、いったん”小さい森”にしてしまうと、勢ぞろいして止まってしまう、という垂直方向のお話。確かに、空間利用としてはDBHよりも樹高に注目する方が理にかなっている。

・久しぶりに岩魚沢保存林に行く。雪が薄くかぶっており、なかなか歩きやすい。かと思うと、ごそっと足元が抜けたりして・・・。この時期、普段は乾いている林床が氾濫して小さな川のようになっている。こうした攪乱は種子散布にも大きな影響を与えていそう(特に、水に浮く種子については・・・)。



・飯島くんとは”倒木ふぁん”としてのマニアックな会話。さすが、一目見ただけでこの倒木は皮がむけて、実生が辛そうな倒木ですね、などと適切なコメントを頂く。と、突然、渋谷先生がテレビで”山菜採りおやじ”がフキノトウは雌雄異株で、雌雄で味も違うし、雌が先に咲く、ということを言っていたというのを思いだし、「えー、そんなことがあるの?」と騒然と(?)なる。岩魚沢では、どうも雌しかないようで・・・。


・樹木園では、ブナ産地別試験地などを見ていただく。やっぱり産地試験地は見れば分かるので、インパクトが大きいようである。と、ここでもフキノトウが気になってしまう。うっ、この花は色が違う。明らかに雌とは違うようだ。これが雄か・・・と思ったら、おしべのなかにめしべらしきものが・・・。ということは両性か??つまり、”雌性両全性異株”というのが正解であろうか・・・。身近な植物なのに知らないもんである。しかし、”山菜おやじ”の観察眼はすごい!

<右が雌、左が両性(だと思っている)>