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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

冬眠からの目覚め

2007-04-20 | フィールドから
・早めの受診が効を奏したか、珍しく薬が効いたようで、ずいぶん具合がよくなる。本日は最後の現地検討会ということである。この付近は、天然林択伐が少なく、人工林の間伐が多い。しかし、最近は人工林の間伐も結構な収入になる(3年前とはえらい違い)。となると現金なもので、検討にも力が入る(ような気もする)。

・しばらく車で移動しながら検討した後、スノーシューを持って、モービルで移動。ほとんどのモービルを使用したので、12~13台になったのではなかろうか・・・。エンジンをいっせいにかけると、どこぞの族が集結しているのかっといった風情である。日当たりのせいもあるが、山の中はまだまだ雪が残っている。もうしばらくササの上を自由自在に歩ける期間が残されているようだ。



・この付近は、標高360~400mの低標高なのだが、シラカバ、ウダイカンバ、ダケカンバの3種が入り乱れて生えている、というちょっと変わった場所である。また、標高の割りにはエゾマツやアカエゾマツもそれなりにあり、地質的にも少し変わっているのかもしれない(基本的には溶結凝灰岩とのこと)。

・ストローブマツ造林地があちこちに見られる。ここでは、伐出道に対して斜め方向に3m伐採で6m幅残し、といった列状間伐を行うことに方針が決まる。素人考えでは、伐出道に対して垂直方向に列状間伐を入れたくなってしまうのだが、斜めの方が伐出がスムーズになるとのこと。勉強になる。

・58年生の比較的古いエゾマツ造林地。0.7haという規模であるが、それなりによく育っている。年代からして、おそらく山引き苗を使ったものであろう。ここでも低標高でエゾマツ造林が成功している!こういったエゾマツ造林地はあちこちにあるので、それらを網羅的に調べて成功・失敗の事例をまとめるといいよね、といった話をする。うまくいけば、エゾマツ造林の総説論文が書けるのではなかろうか。北海道では、エゾマツ資源保続に対する気運も盛り上がりつつあり(27日にはエゾマツ研究会という有志の現地検討会も予定されている)、時期的にもいい頃合である。



・カラマツ造林地は、25%の定性間伐をすることになる。最近、カラマツの材価はかなり好調のようだ。それにしても、相変わらず、グイマツ、カラマツ、チョウセンカラマツの見た目の違いがよく分からない。こんなことでは駄目なんだけど、どうも最初の入り方がよくなかったのか、苦手意識があるんだよね。

・今日は、エゾリスに出会った。いつ見てもかわいいやつだ。さらに、後半では熊の足跡も・・・。ついに、彼らも起き出したか・・・。昨日の朝のものらしいが、案外とでかい。爪の跡もくっきりである。と、上空にはオオタカが滑空している姿が・・・。何とも優雅で、皆、検討していることを忘れてうっとりと眺める。山は寝ているようだが、既に春は始まっているのである。そういえば、もうすぐ4月も終わりだ。こーしちゃいられない・・・。



・検討会の最後に、「アカエゾマツの研究を今年もやるので、GW明けに花が咲いているかどうかチェックして、咲いていたら教えてください」、というお願いをする。そろそろ今年くらい豊作が来てもいいくらいタイミングである。こういうときには、いろんな現場に入っているスタッフがいて、色んな情報が集まるので本当にありがたい。花が咲いたら種子を採取しねければ!今年は高所作業車をレンタルすることも考えてみよう。