おぢのニセコ山暮らし

山暮らしと世間のあれこれを書き綴ります

奨学金と徴兵

2015年08月31日 | Weblog

 

午前6時の気温はプラス15度。

風もなく穏やかなお天気で、空一面にウロコ雲でござる。

予報によると、ご当地は日中、晴れたり曇ったり。

18時ごろに弱い雨だそうな。

さて、

民間企業に勤めたと思ったら、自衛隊配属という「隠れ徴兵制」が、国会で取り上げられたそうな。

共産党の議員が26日の参院の特別委で取り上げたものだとか。

防衛省が13年7月に作成した「長期 自衛隊インターンシップ・プログラム」(企業と提携した人材確保育成プログラム)だそうな。

新入社員らを2年間、自衛隊に強制勤務させる仕組みだそうで、会社の「業務命令」っていわれたら、拒否できる社員は、まずいない。

日刊ゲンダイは「誰がどうみても『徴兵制』だ」としておる。

徴兵制はちょいと言い過ぎかも知らんけど、似たりごんべには違いない。

実態は、予備自衛官の不足を補うってことか?

ふだんは社会人や学生だけど、一定の訓練を受けて知識や技能を磨き、有事の際には自衛官として任務に就くのが予備自衛官。

これが14年度末時点で約3万2000人と、定員(約4万8000人)の7割にも満たないそうで、そこらあたりが狙いだろう。

それよりおぢが危惧するのは、奨学金制度を活用した徴兵制だ。

ニッポンでは、奨学金が返還できない貧困層が増えておるそうな。

おぢも奨学金を貰って、高校と大学を卒業、社会人になってからは、返却を忘れてしまって、督促されたこともあったけど、10年かそこらできれいに完納した記憶がある。

いまニッポンでは、大学卒業後に正規労働に就くことができず、派遣で薄給にあえぐ若者が多いという。

それゆえ、奨学金を返還できないケースもでてきておってこれが社会問題にもなっておる。

そこで、国や自衛隊が奨学金の返還を肩代わりし、代わりに学生は卒業後に自衛隊員になるというのが現実的に考えられる。

実際、アメリカでは貧しい学生を軍隊に動員する「経済的徴兵制」があるそうな。

写真の本、堤未果さんの「ルポ 貧困大国アメリカ」に書かれておる。

2002年にできた「落ちこぼれゼロ法」は表向きは教育改革法だそうだが、その中に全米の高校は生徒の「個人情報を米軍のリクルーター」に提出することとあって、これをしないと補助金をカットするシステムだ。

貧しい地域の高校は、補助金なしでの運営は難しいので、これに協力する。

金持ちの多い学校では、資金があるので行われないそうな。

米軍は、このリストから将来の見通しの暗い子供たちを選んで勧誘する。

勧誘するための道具は、まずは「大学の学費を国防総省が負担する」ってところ、ようは奨学金でござる。

ほかには、好きな職業を選んで入隊中に「職業訓練」ができるとか、入隊すれば兵士用の「医療保険」に入れるだ。

アメリカの貧困層は「無保険」だというから、魅力的に違いない。

「ルポ 貧困大国アメリカ」によると、軍は年間26億ドルをリクルート費用につぎ込んでいる。

うたい文句は「すべての子どもたちに学問の機会を」だという。

政治というのは言葉の言い換えがきわめてうまい。

「積極的平和主義」なんか、まさにそれ!!

また、アメリカの市民権を得るために軍に入隊する移民もいるという。

ようは経済的弱者や移民などが、軍隊のターゲットとなっておる。

格差社会が進行中のニッポンでも、奨学金の返済を免除する代わりに自衛隊への入隊を義務化させる、なんてことは大した現実味がある。

安保法制の成立が囁かれる中で、自衛隊への応募は激減しておるというしね。

若い皆さんはこのルポを一読してはいかがか。

アメリカで起きておることは、遅かれ早かれ、ニッポンで起きることなのです。