読書など徒然に

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携帯電話は脳腫瘍を引き起こす恐れ

2011-06-01 19:21:32 | 新聞
wsj日本版より

国際がん研究機関の報告書によれば
世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究機関(IARC)の専門家らは24日、携帯電話を使用すると特定の脳腫瘍を引き起こす可能性があるとする報告書をまとめ、携帯電話は健康被害をもたらす恐れがあるかどうかをめぐる議論に一石を投じた。報告書は、近くオンラインで公表され、7月1日発行の英医学誌「ランセット・オンコロジー」に掲載される。



 これら専門家は、携帯電話の電波は「発がん性の可能性」があるとし、リスク分類では鉛や、クロロホルム、コーヒーなどと同じと位置付けた。このため、WHOは携帯電話の電波に関する安全ガイドラインを再検討することになる可能性がある。

 IARCの専門家らは新たな研究・調査を行わず、マイクロ波からラジオ、テレビ、無線の信号に至るまで「関連する入手可能な文献」を分析、携帯電話の使用者が脳腫瘍の一種である神経膠腫(グリオーマ)を引き起こす可能性を示す限られた証拠があると結論付けた。

 ただ専門家らは、携帯電話のリスクについては具体的には明らかにせず、携帯電話使用とがんの関連性を解明するためさらなる研究・調査が必要だとしている。その一方で、「発がん性の可能性がある」との分類化を支持するだけの十分な証拠はあると強調した。

 IARCのジョナサン・サメット所長は(南カリフォルニア大学教授)は「今回の結論は一定のリスクがある可能性を指摘したもので、携帯電話とがんのリスクとの関係を注視していく必要があることを示している」と述べた。

 この結論に対しては、携帯電話業界は強く反発している。米国に拠点を置く携帯通信業界団体であるCTIAのジョン・ウォールズ副理事長(公共政策担当)は、「発がん性の可能性ありとの分類はがんを引き起こすということではない」と強調した上で、限られた証拠に疑問を投げ掛け、偏見やデータの不備があった可能性があると指摘した。

 携帯電話とがんの関連性の問題に詳しいブラウン大学のデービッド・サビッツ教授(疫学専攻)は、IARCの結論は驚きだとしながらも、これまでの研究・調査に比べ対象人数は多く対象とした利用期間も長いため、「偶然が入る余地がないとの確実性はこれまで以上に高い」と述べた。

記者: Timothy W. Martin and Katherine Hobson