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日高義樹のワシントンリポート

2009-08-09 19:59:01 | お出かけ
『ロシアとの関係がこれから大きく変わる』『ドル資産を持つのは危険だ』『アメリカ離れがすすむのですね』
「ロシアとエネルギー同盟・アメリカ離れをするドイツ」と題して日高氏とドイツ銀行チーフエコノミスト、ノルペルト・ウォルター博士とEU委員長エネルギー顧問クローディア・ケムフェルト博士と夫々個々の対談があった。

○第1部 世界第2の石油大国ロシアとドイツがエネルギー同盟
・ロシアとのエネルギーの同盟によってドイツとアメリカの関係は、より疎遠になるだろう。
・向う2年以内にSPD(本部スイス)は、他の革新政党と新しい政党をつくるだろう。
・ドイツの政治体制は反米に向かい東ヨーロッパとの関係を強化することになる。

○第2部 バルト海底1,200キロの大ブロジェクト
 バルト海にのぞむロシア領西端とドイツ領東端を(下の図参照)1200キロの水深100メートルの海底を油送管で結ぶ計画が以前よりあり、2005年にはその環境保持の調査が進められていた、バルト海に沿う9カ国も入れて漁業問題とくに魚の保全、徑φ1m22cmのバイプ腐食による海水汚染問題等年数をかけて研究された。この計画は前ドイツシュローダー大統領の時から始められ、現在彼はSPDの枢要の地位にある。2011年敷設の開始であるが、トラブルの多かった陸上のパイプ輸送より余程改善されるだろうし、この結果独/ロの接近が憂慮されてくる。。

○第3部 ノルドストリーム計画の全貌を聞く
・今後のヨーロッパで増える新しい天然ガスの需要の25%を供給する。
・このプロジェクトは国際政治的な意味合いを持っている。
・天然ガスだけでなく他の分野でもロシアで開発事業を行う。

○第4部 ドイツはなぜロシアとエネルギー同盟を結ぶのか
・ノルドストリーム計画はドイツの新しいエネルギー戦略である。
・ロシアが天然ガスの値段を引き上げようとした場合には厳しく対抗しなければならない。
・昔、ソビエットを恐れたようにロシアを怖がる必要はない。

○第5部 ドイツはどこまでドルを信用するのか
・アメリカは基本的には強い国である。
・向う3年間がアメリカにとって最も苦しい。
・ドルに替わる国債基軸通貨はない。
・だが、ドル資産を持つのは危ない。



 以上を見てみるとドイツは頼りにならない政治的に不安定なロシアからエネルギーの1/3を輸入しようとしている。このことは次の3つの国際関係に影響すると考えられる。
 ①ドイツ国内はロシアに近いSPDの力を強化することになり、政体は混乱する。
 ②アメリカのエネルギー圏への油送形体も混乱し、独/米との関係が疎遠となる。
 ③ロシアとドイツの関係が国際社会にも混乱を呼び起こすようになる。
これからの世界ではアメリカが中国との関係を深めてゆき、ドイツがロシアよりになっていくと、今までの世界の政治秩序も変化していくこととなる。
 そんな中で日本はアメリカ一辺倒でなく世界の大勢を見て新しい政治や外交政策を早急に立てるべく迫られている。


次回放送日は9月13日(日)「北朝鮮爆撃計画」

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1 コメント

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まとめありがとうございます。 (損政好)
2009-08-10 05:31:49
要約、ありがとうございます。
ロシアからのパイプラインの件は
日本も参考になると感じます。

果たして、日本にしたたかな戦略はあるのでしょうか?
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