小田原市根府川
伝統継承に若者の声
鹿島踊保存会、練習を開始
タウンニュース
鹿島踊り(過去・同会提供)
昨年に続き今年も新型コロナの影響で開催中止
となった小田原市根府川の寺山神社祭礼と鹿島
踊り。同神社鹿島踊保存会(内田正之会長)は、
2年連続中止で存続の危機を感じた若い世代か
らの声を受け、来年の開催に向け6月19日に練
習を開始した。
鹿島踊りは毎年7月の第3日曜日に行われるも
ので、悪疫退散などを願う神事舞踊。白装束に
身を包んだ氏子25人が、古くから継承されてき
た歌と踊りを円舞と方舞の組み合わせで披露する。
7月4日、根府川公民館で行われた練習には25人
が参加した。内田昭光さんと広井博直さんの2人
の指導のもと参加者は、言葉の読みやリズムに
注意しながら繰り返し歌った。指導した内田さ
んは「皆誇りを持って臨んでいる。伝統を絶や
さず伝えていければ」と話した。「近年後継者
問題などで途絶えた郷土芸能があるなか、若い人
からの声は力になる」と内田会長は話した。同会は、
今後毎月2回練習を行う。
リズムに合わせ歌う参加者
生命の星・地球博物館
硫黄列島の魅力に迫る
読者プレゼントも
タウンニュース
チラシの写真とHP二次元コード
7月17日(土)から10月31日(日)まで、神奈川
県立生命の星・地球博物館(小田原市入生田)で
特別展「絶海の自然 硫黄列島をゆく」が開催さ
れる。入館制限の場合があるため来館前にHPを
要確認。
同展のチケットを抽選で読者10人にプレゼント。
希望者は住所、氏名、年齢、電話番号、紙面の感
想を明記のうえ、はがき、またはメールで応募。
7月17日(土)締切。応募は、〒250-0042
小田原市荻窪306タウンニュース社/
【メール】odawara@townnews.co.jpへ。
小田原市
サル「H群」の全頭捕獲へ
住民の生活被害に対策
タウンニュース
民家に現れたサル(市提供)
小田原市内の農地や人家などに出没し、長年に
わたり地域住民への生活被害を及ぼしてきたニホ
ンザル(H群)について、市は現在、全頭捕獲に
向けた取り組みを進めている。
県が昨年9月までに実施したカウント調査による
と、市内早川・片浦地区を活動域とするH群は19頭。
市環境保護課によると、この群れは1970年代
から市南西部に住み着いたとされ、ミカンなどの
農作物を食い荒らしたり、民家の屋根を壊したり
するなど、サルによるものとみられる被害が相次
いでいるという。
そこで県は5月、「令和3年度神奈川県ニホンザル
管理事業実施計画」を策定。同計画の中で、H群を
「管理困難な群れ」として全頭除去を目標にした
捕獲対象として位置付けた。
市は6月中旬から、H群のサルが頻繁に通る市内
の道を特定する調査を進めており、今後、捕獲用
の大型の囲い罠を設置するとしている。「野生の
サルを群れごと捕らえ、一網打尽にするため大型
の罠を設置したい」と同課担当者。ただ「サルは
頭が良く、囲い罠を置いただけでは捕獲できない
ことが多い」とし、長い時間を掛け、罠へのサル
の警戒心が薄まるのを待ち「捕獲できるようにな
るまで、半年近く掛かるのではないか」と話して
いる。
市はサルによる被害防止のため「窓や引き戸に鍵
を掛ける」「サルと目を合わせない。目が合ったら、
背中を見せないで、後ずさりしながら遠ざかる」
などの対策を市民に呼び掛けている。詳細は同課
【電話】0465・33・1481へ。
H群のサルによるとみられる
ミカンの食害(市提供)
梅雨彩る蓮
要法寺で
タウンニュース
日蓮宗要法寺(平塚)の蓮が見ごろを迎えて
いる。すでに開花を終えた花もあるが、続々と
つぼみが茎を伸ばしており、7月上旬まで楽し
める=写真・6月30日撮影。
守屋宣成住職は「今年の咲き始めは例年より
早め。七夕御朱印とセットで楽しんで」と話し
ていた。朝6時30分開門。
JR平塚駅
謎の黒猫の正体は?
タウンニュース
上り方面のエスカレーター上部に設置
されている黒猫(7月2日撮影)
JR平塚駅の1・2番ホームから改札に向か
う上りエスカレーターの途中、天井に不思議
な黒猫を発見した。SNSでも数年前から発
見した市民の投稿が数件ある。一体なぜこん
なところに?
平塚駅によると、黒猫の正体は「鳩よけ」との
こと。存在感があるものを置くことで、鳩が寄
りつかないようにする役目があるという。駅長
の蓮見康二さんは「平塚駅に設置している鳩よ
けで、猫のものはこの1カ所だけ。おそらく
平塚駅独自に、社員の発案で試行的に設置した
のではないか」と推測する。
しかし、いつ誰がここに取りつけたのかが分か
らず、平塚駅は今回の取材をきっかけに調査を
始めた。助役の下山啓太さんが5年前に平塚駅
に就任したころには、すでに設置されていた。
平塚駅職員も猫の存在を知っているものの、その
詳細はは未だ謎に包まれている。
タウンニュースは、この黒猫に関する情報を募集
している。「〇年前に見た」など手がかりを知る
人は、タウンニュース社細田【電話】0463・
25・0700までご連絡を。
「ようこそ平塚へ」
リトアニアチームを歓迎
タウンニュース
写真左からエイニウスさん、アグネさん、
落合市長、数田議長、田中実行委員長
東京五輪の事前キャンプを平塚市内で実施す
るリトアニア共和国の五輪委員会ナショナル
チームの歓迎会が5日、レモンガススタジア
ム平塚で行われた。
式に出席したのは、リトアニア側からは東京
2020大会ミッションチーフのエイニウス・
ペトクスさんとコロナ対策責任者のアグネ・
ヴァナギエネさん、平塚市側からは落合克宏
市長、数田俊樹市議会議長、田中國義ひらつか
リトアニア交流推進実行委員会実行委員長。
落合市長は、まずリトアニア語で「ようこそ
平塚へ」とあいさつすると、「宿泊施設やトレー
ニング施設などリトアニアの選手がベストパフォー
マンスできるよう準備を進めてきた。大会後、
平塚に滞在してよかったと思ってもらえるよう
にしたい」と話した。エイニウスさんは「まも
なくリトアニアの選手が平塚にやって来る。温か
いおもてなしに心から感謝します」と述べた。
その後、平塚市からはシャツとバッグが、リトア
ニアからは公式パーカー、Tシャツ、琥珀のアン
バーツリーなどが手渡された。
大雨被害
倒木・がけ崩れ各地で
月平均2倍強の降水量
タウンニュース
砂押川泉橋付近(今泉台2丁目)で護岸
が崩落した(3日午前9時、読者撮影)
停滞する梅雨前線の影響で7月1日から4日に
かけ、記録的な大雨に見舞われた鎌倉市。人的
被害はなかったものの、倒木11件、がけ崩れ7件
が発生。避難所も開設され、7人が避難した。
市は、3日午前1時55分に気象庁による土砂災害
警戒情報の発表を受けて、市全域に警戒レベル4
に相当する「避難指示」を発令。続いて避難所を
本庁舎、支所4カ所に設置した(3日午後9時
40分まで)。
市のまとめによると、7月1日午前0時から4日
午後10時までの総雨量は341・5mmで、7月の
平均降水量159・6mm(藤沢・辻堂)の2倍以上
を4日間で観測した。時間最大雨量は、3日午前
3時までの1時間で32・5mm。総雨量は2019年
の台風15号(191mm)、19号(217mm)より
多かった。
市内各地で停電が発生し、二階堂で約370世帯
(2日午後9時29分〜3日午前7時21分)、植木
で約450世帯(3日午前10時51分〜午後2時
21分)、城廻で約30世帯(同)が被害を受けた。
市は、気象警報や避難指示などの情報を防災無線
と防災メールで発信。また3日午前3時20分にコー
ルセンターを開設し、市民からの問い合わせに対応。
同日午後5時に閉鎖するまで、「マンホールから水
があふれている」「防災無線の内容を教えて」など
71件の問い合わせがあった。
がけ崩れは7件で、砂押川の泉橋では、護岸が崩落。
同橋上は片側通行の処置が行われている。また、
鎌倉海浜公園水泳プールの隣接する崖地が崩落し、
安全が確認されるまで50mプールなどの利用が制限
されている。
市総合防災課は、「梅雨末期に大雨が降ることが多
い。注意してほしい」と呼び掛けている。
鎌倉市
「高潮マップ」作成へ
台風シーズン前までに
タウンニュース
高潮浸水予想区域図の一部(浸水区域及び
浸水深)=神奈川県作成。水色は浸水深1m〜
3m、緑色は0・5m〜1m、オレンジは0・
3m〜0・5m、黄色は0・01m〜0・3m
鎌倉市は現在、神奈川県が今年5月に指定した
「高潮浸水想定区域」をもとに、ハザードマッ
プの作成を急いでいる。台風の本格シーズンを
迎える前に周知を図りたい考えで、ウェブ上で
の公表を予定している。
高潮とは、台風や発達した低気圧が通過する際、
海水面が大きく上昇する気象現象。満潮と高潮
が重なると水位がさらに高くなり、大きな災害
が発生しやすくなる。
県は5月、高潮の避難体制を強化するため、相模
灘沿岸における「高潮浸水想定区域」を指定した。
想定される最大規模の高潮をもとに算出され、鎌倉
市を含む13市町の計17・7平方Kmが公表された。
鎌倉市は浸水面積0・2平方Km、最大浸水深3・
1m、浸水継続時間の最大値は24時間。最大浸水
面積と浸水深は小田原市の6・1平方Km、5・3m、
浸水最大継続時間は三浦市の93時間となっている。
想定区域によると、鎌倉市内では、海抜の低い
坂ノ下の海岸沿いのほか、腰越から材木座海岸
までの沿岸、神戸川、滑川の河川沿いなどが高潮
の被害を受けるとしている。
指定を受け鎌倉市は、ハザードマップ作製を急い
でいる。台風シーズンの秋までには住民に周知を
図る予定で、8月中にウエブ上での公表となる見
込みだ。市はこれまでに、地震や津波、洪水など
のハザードマップを作成しているが、高潮につい
ては初。市防災課は、「高潮の被害は台風などと
重なることが多く、甚大な被害をもたらすことも
ある。避難指示などの避難情報の発令前の行動が
大事」とし、台風接近前の避難の徹底や、台風接
近後の垂直避難などを呼び掛けている。周知に関
しては、状況を見極めて、ウェブ以外での案内も
検討しているとしている。
台風による高潮被害を受けた坂ノ下海岸
(2017年10月)
鎌倉みんなのスタジアム
10月オープンへ工事着工
市民の「憩いの場」を併設
タウンニュース
「みんなのスタジアム」完成予想図(上)と
現在の建設予定地(下)
鎌倉を拠点に活動するサッカークラブ鎌倉イン
ターナショナルFC(鎌倉インテル)が中心と
なって進めている、市内初の人工芝グラウンド
「鎌倉みんなのスタジアム」の建設工事が、この
ほど始まった。工事は9月中に終了し、10月11日
の開設を予定する。
深沢地域整備事業用地の一画(約1万平方メー
トル)を、鎌倉市による本格的なまちづくりが
始まる2024年度まで「暫定利用」するかた
ちで、102m×64mというフルサイズのサッ
カーグラウンドを建設するこのプロジェクト。
完成後は同クラブの練習拠点としてだけでなく、
各種スポーツの会場、地域住民の交流拠点として、
一般の人も利用可能になる予定で、約1000平
方メートルのコミュニティスペースも併設する。
昨年12月10日から今年3月まで行われたクラウド
ファンディングでは約3400万円が集まった。
当初は今春のオープンを見込んでいたが、コロナ
禍による資材高騰などもあり、設計内容の一部変更
を余儀なくされていたという。
6月24日には、同クラブの吉田健次GMとグラウ
ンドの建設・運営を担う(一社)鎌倉スポーツコ
ミッションの堀米剛代表理事が鎌倉市役所で記者
会見を行った。
この日の説明では、土地所有者との契約締結や
鎌倉市との条例申請を終え、先週から工事が始
まったこと、9月中に工事を終え、テストランを
経て10月11日の「グランドオープン」を予定して
いることなどが明らかにされた。
堀米代表は「まずは安全に工事を進め、完成の際
は様々な競技での利用を仕掛け、多くの市民にと
ってスポーツの入口となるような場所にしたい」
とし、吉田GMは「ようやく市内に拠点ができる
ということで、チームの強化にプラスになるのは
もちろん、スクール事業などを通じてスポーツ
文化を発信していきたい」と話した。
鉄道ファン必見
腰越に本格ジオラマ工房誕生
タウンニュース
本物の部品を使い運転席を再現したトレイン
ルーム(右)。建物や街灯もLED化してい
るので夜景も楽しめる(左上)。工房スペース
では工具も用意されている(左下)。
宿泊施設「Surf town・inn」(腰越)
にこのほど、新しい施設「鎌倉のジオラマ工房」
が完成した。
オーナーで元国鉄運転手の内田健一さんが鉄道
ファンの「こんな部屋が欲しい」を実現。トレイ
ンルームと工房に分かれ、海、山、田園、市街地
をレイアウトしたトレインルームのジオラマは、
畳2枚ほどの大きさで、電化・非電化の本線・
支線で構成される。しかも、オーナーが集めた
本物の部品を使った運転台(クハ111)も再現し、
実際に列車を操縦できる。
工房では、初めて挑戦したい人や、さらにレベル
アップを目指す人に対してジオラマ教室を開催。
また内田オーナーが依頼者のお気に入りの場所や
景色を再現するフルオーダーのジオラマ制作も受
け付けている。
利用は全て有料で、時間貸しのほか、宿泊セット
もある。
内田オーナーは「運転席は実車同様の配線・配管
を施し、運転も手順通りでないと起動しません。
鉄道ファンの方はぜひ」と話していた。
また鉄道模型、用品の買取も実施中。
料金やサービス内容など詳細は、
【電話】0467・55・9430へ。
第165回「芥川賞」に石沢麻依氏と李琴峰氏
「直木賞」に佐藤究氏と澤田瞳子氏
7/14(水) オリコン
(左から)石沢麻依氏、李琴峰氏
佐藤究氏、澤田瞳子氏
日本文学振興会は14日、『第165回芥川龍之介賞・
直木三十五賞』の選考会を東京・築地「新喜楽」
で開き、「芥川賞」は、石沢麻依氏(41)の『貝に
続く場所にて』、李琴峰氏(31)の『彼岸花が咲く
島』が選出。「直木賞」は、佐藤究氏(44)の
『テスカトリポカ』、澤田瞳子氏(43)『星落ちて、
なお』に決まった。
【写真】第165回芥川・直木賞候補者一覧
『貝に続く場所にて』は、ドイツの学術都市で
暮らす主人公のもとに、東日本大震災で行方不明
になったはずの友人が突然現れることで物語は展
開していく。時間や距離などが重なり合うことで、
登場人物がそれぞれ失ったものを取り戻す様を描
いた作品。作者の石沢氏は、初めてのノミネート
での受賞となった。
『彼岸花が咲く島』は、記憶をなくした少女が主人
公。流れ着いた島では男女が違う言葉を学び、女語
を習得した女性があらゆる儀式を執り行い、島を
管理するといった物語。李氏は、2回目のノミネー
トでの受賞となった。
『テスカトリポカ』は、メキシコの麻薬組織を支配
していた男が、日本人の臓器ブローカーと出会い、
新たなビジネスを始める。物語では、2人の犯罪に
巻き込まれる少年や滅亡した古代文明が裏社会と
つながる様子が描かれる。佐藤氏は、初めてのノミ
ネートで受賞となった。
『星落ちて、なお』は、明治時代を舞台に天才浮世
絵師であった父が亡くなったことをきっかけに、娘
である主人公が父の影に翻弄されながらも兄弟との
争いの中で懸命に生きる姿を描いた歴史小説。澤田
氏は5回目のノミネートで受賞となった。
両賞は1935(昭和10)年に制定。芥川賞は新聞・
雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編
作品、直木賞は新聞・雑誌(同)・単行本として
発表された短編および長編の大衆文芸作品の中か
ら優れた作品に贈られる。前者は主に無名・新進
作家、後者は無名・新進・中堅作家が対象となる。
■第165回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)
※作者五十音順・敬称略
石沢麻依『貝に続く場所にて』(群像六月号)
くどうれいん『氷柱の声』(群像四月号)
高瀬隼子『水たまりで息をする』(すばる三月号)
千葉雅也『オーバーヒート』(新潮六月号)
李琴峰氏『彼岸花が咲く島』(文學界三月号)
■第165回直木三十五賞 候補作(出版社)
一穂ミチ『スモールワールズ』(講談社)
呉勝浩『おれたちの歌をうたえ』(文藝春秋)
佐藤究『テスカトリポカ』(KADOKAWA)
澤田瞳子『星落ちて、なお』(文藝春秋)
砂原浩太朗『高瀬庄左衛門御留書』(講談社)
■選考委員
【芥川賞】小川洋子、奥泉光、川上弘美、島田雅彦、
平野啓一郎、堀江敏幸、松浦寿輝、山田詠美、吉田
修一
【直木賞】浅田次郎、伊集院静、角田光代、北方
謙三、桐野夏生、高村薫、林真理子、三浦しをん、
宮部みゆき ※五十音順・敬称略