巻第十八(雑歌下)は、1688~1851 と全巻でいちばん長い。道真に巻頭から十二首を与えるという、異例さも目立つ。
ひらかなy136:おおぞらに あかねいろして のぼるひは
いてつくぬまも とかしてしまう
ひらかなs1689:あまのはら あかねさしいづる ひかりには
いづれのぬまか さえのこるべき
【略注】○茜さし出づる光=茜色(やや暗めの赤)をして昇る太陽。「さし」は、「出づ」
の接頭語と、「(茜色)さし(色づき)」との掛詞。さらに「茜(色)」は「光」「日」の
枕詞・縁語でもある。言うまでもなく、都から気の遠くなるような地へ放逐された
作者が、なお天皇(日の光で暗示)への忠誠を詠った一首。
○冴え残る=凍ったまま残る、取り残される。天皇が太陽で、作者が凍った沼。
○菅原道真=悠 046(08月20日条)既出。
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